天才の天災

春夜

第4試合、開戦

「や!」
「別にいいじゃないか。」
俺はあの後こいつらと部屋に戻って寝た。
ココは会場でアリシアと桜花と試合を見ている。
すぐに2人の出番ということで
担当の女が呼びに来て、俺は行かないと伝えた。そして今の状況になる。
「ボスが見ていてくれた方が、あたしら的には頑張れるんだけどねぇ。」
「来て。」
「行かない。」
俺が頑なに行かないのには理由がある。
今まで神眼を使わずに、2人の成長を楽しみにしてきた。でもここで2人の戦いを見てしまえば、大体の実力は分かってしまう。後でどちらかと戦うことになるのだから、何も知らない方が楽しめると思ったからだ。
それを2人に言わないのは、
俺が闘いを楽しみにしていると聞けば、
俺を楽しませる為に二人とも何か隠して戦い合い、俺を驚かせようなどと考えるだろう。こいつらならやりかねない。
そんな手の抜いた試合で実力が分かってしまえば、興醒めもいいところだ。
それなら2人には俺の見ていないところで全力で戦って欲しいと思う。
(ここまで人に興味を持つなんて、いつ以来だろう...)
いや、正確には魔人と竜族か。
でも2人はレンに褒められるため、
役に立てることを証明するためにレンが寝ている間もひたすらに鍛錬に励んだ。
それをレンに見せられるこのチャンス。
1秒でも早く見てもらいたいのだろう。
正直な話、俺も見たい。
「なら、全力で戦え。
勝った方には、何か一つ頼みを聞いてやる。これでどうだ?」
「何か一つ、頼みを...」
「なんでも?」
「あぁ。俺のできる範囲ならなんでも聞いてやる。」
2人は顔を見合わせて頷いた。
「「行ってきます!」」
「おう。」
2人はそのまま元気に部屋を出ていった。
「楽しみ、か。」
誰もいない部屋にレンのつぶやきだけが残った。

「第3試合の勝者は、ロイズだぁぁ!!!!」
「はぅぅぅ...負けてしまいました...」
アリシアと戦っていたのは、いかにも魔法使いという感じの少年。
魔法を得意とするのはアリシアも同じで、
魔法の打ち合いとなった。
手数は同じぐらいだったのだが、
ロイズの雷魔法がアリシアの足を捉え、
一気に畳み掛けられてしまった。
「さぁぁて、どんどんいきましょう!!
お次の第4試合、つい最近この学園に入学してきたが、未だ授業は受けたことなし!名前以外は全て謎におおわれた2人の
美女!ミネア対シズク!!!!」
さっきまで賑やかだった会場全体がザワつく。
出場者の二人とも謎に包まれているのだから当然の結果だ。
しかし2人は気にしていない。
2人は一緒に鍛錬はしたものの、
お互い別の道を磨いてきた。
同じ役職では、レンの役に立つ幅が狭まると考えた結果だ。
ミネアはひたすら基礎体力と攻撃力、剣術の向上。
シズクは暗殺者、アサシンとしての技術を学び、習得した。
二人とも今の自分の強さに満足したことは1度もない。
他の人から見れば2人は神のように思える程の実力を持っている。
でも2人が追いかけてきた背中ははるか先にある。今の実力でも、その背中は見えていない。それほど強い人(神?)と生活を共にしていたのだ。
自惚れてなどいられない。
ミネアが持つのは、レンに貰った黒い大剣。能力は断絶。あらゆるものを容易く
切り落とせる切れ味上昇のスキルの神級だ。
シズクは黒と白の双剣。
黒は切った対象を弱体化させる呪いを付与してある。
白は自分の傷口を切れば回復する能力が付与してある。
2つの短剣を同時に使う時、俊敏性が上昇するという能力もついている。
レンは2人の役職を聞いていないため、
学院に入学する前に一通り全役職の武器をリズ、シズク、ミネアに渡している。
ちなみに、渡した武器は全てに不壊の効果があるため、武器が壊れることは無い。
「では、向かい合ってぇ。
バトル、スタァァトォォー!!!!」
「シズク、悪いけど今回ばかりは譲れないよ!」
「負けない!」

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