天才の天災

春夜

デス・パレード

「なぁ、ボス?」
「なんだ?」
「どうしてユグドの森に来たんだい?」
そう、ここはユグドの森と呼ばれる、
この世界で2番目に大きいと言われている森に俺達は来ている。
「ああ、ここは実験に使える広さがあるし、森の状態でスキルの威力が分かるからな。」
「ふ〜ん。で、なんであたしはボスについてくることになったんだい?」
「いやか?」
「まさか。ボスと出かけられるのは嬉しいよ。どこでもね。」
「お前を連れてきたのは、今日使うスキルがお前から神眼で取ったものもあるからな。お前の場合と比べたい。」
「あたしのスキル...?
それってもしかして...」
「お前のスキルは後だ。
今日はスキルを2つ使う。」
「じゃああたしは見させてもらうよ。
どのぐらい離れた方がいい?」
「離れる必要は無い。
このスキルは植物にのみ有害だからな。」
「そうかい。なら、できるだけ近くで見せてもらうことにするよ。」
そう言ってミネアはレンのすぐ横に腰を下ろす。
「スキル、死の晩餐デス・パレード
レンは慣れた様子で2回スキルを連続して発動させる。
レンを中心に白い濃霧が漏れ出し、たちまち森全体を覆う。
そして霧が晴れると、植物の全ては枯渇し、まさに地獄の様な光景が広がっていた。
「...植物にのみ有害って分かっていても、この光景を見れば怖くなってくるね…」
「こんなもんか...」
「これだけの威力と範囲なのに、
何か不満かい?」
「いや、植物は死んでいるのがわかる。
触ったらそこから崩れていくからな…」
「ならなんで少し残念そうなんだい?」
「触らないと木の幹は原型を保っている。更地にでもなると思っていたが…」
二神も発動しているのに...
「それは高望みし過ぎだよ…
ここまでの魔法はまさに神の怒りだとしか思えないよ。」
「俺は別に怒ってないぞ?」
「いや、そうじゃなくてだね…」
「まぁいい。次はミネアの出番だ。」
「いよいよかい?今までそんなに役に立つ機会なんてなかったからねぇ!
久々に腕がなるよ!」
「じゃあ龍化を使って見せてくれ。」
「あいよ。」
そう言ってミネアは龍化を発動させる。
ミネアの体が光と炎に覆われ、
中から赤黒い龍の姿が現れた。
「龍になる時は炎に包まれるのか?」
「グルォォ」
「龍化したら会話が出来ないのか…」
「(いや、念話で会話は出来るよ。)」
「(そうか。ならいい。)」
「(龍化する時に包まれるものは、
その龍の属性によるよ。あたしは火が適正みたいだから炎だね。)」
「なるほど。じゃあ次は俺も使ってみよう。」
「龍化。」
その瞬間、晴れていた空が黒い雲に覆われ、色々な光がレンの体を覆い込んだ。
「(ちょ、ボ、ボス?!)」

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