天才の天災

春夜

所有物2

「元いた場所に帰らないのか?」
その場に残った女性は2人。
明るい青色のショートカットと同じ色の目をした女性と、金髪ショートカットの凛々しい女性が俺の前にいる。
「いや、帰る。
でも、その前にきちんと礼が言いたくてな。」
口を開いたのは金髪の方。
「その必要は無い。まとめてここを吹き飛ばしたから、お前達がオークに取られたものも消し飛ばしただろうしな。」
「構わないさ。国王様から頂いた大切な鎧でもあったが、命があるだけマシだろう。礼を言う。」
「律儀だねぇ。」
ミネアの言う通りだな。
鑑定して分かったが、この女は王国の騎士団長らしい。
上に立つ者として、いい姿勢だ。

レノア・ヴァリス

種族 人族

職業 王国騎士団長

Lv78

体力3700
魔力480
攻撃力4300
俊敏力5000

魔法
強化魔法Lv8

スキル
威圧Lv5
光速断Lv3
魔力幻影Lv9


持っていないスキルがあるな。
貰っておこう。
にしても、騎士団長ともなれば強いな。

「ありがとう。私は王国で騎士団長をしている。レノアだ。名前を教えてくれないか?」
「レン。」
「そうか、いい名だ。
後日、王城に遊びに来るといい。
礼がしたい。
国王様にも、許可を貰っておく。」
「いい。前に行ったばかりだ。」
「そ、そうなのか?
王城はそんな簡単に出入りできないと思うのだが...」
「だから礼はいい。」
「いや、それでは私の気は収まらん!
そうだ!オーク達を焼き払った貴殿の魔法は凄まじかった。
私は正直魔法は全然だが、さぞ凄腕のウィザードなのだろう。
魔法師団長の訓練を期間限定で受けてみる、というのはどうだ?」
「訓練...めんどくさそうだな...
でも魔法を実際に見ておくことも大切か...」
「どうだ?」
「わかった、それでいい。」
「良かった!訓練は王城の敷地内で行われている。今度来てくれ。」
「こいつ、ミネアも一緒に連れていくぞ?」
「恩人のパーティメンバーだ。構わないさ。話は通しておく。では。」
そう言って歩いていった。

はぁ、精神的になんか疲れた。
俺はちらっと青い髪の女に目を向ける。
さっきからずっと黙っているな。
緊張している、という訳でも無さそうだ。
普段から口数が少ないんだろう。

「お前はどーするんだ?
帰る場所はあるのか?」
聞いてみるとふるふると横に首を振る。
「なら、どうしたい?」
鑑定したところ、こいつは強い。
俺ほどでは無いが、レベルが上がったミネアと肩を並べるぐらいに。
出来れば所有物にしたいところだ。
言ってはいないが、俺の所有物の条件は強さだけじゃない。
強さももちろんだが、落ち着きがあるやつだな。理由は簡単。俺はうるさいのは嫌いだ。こいつは条件を満たしている。

「...」
考えているのだろう。また黙り込んだまま、話さなくなった。
「来るか?」
ゆっくり顔を上げ、俺の目をのぞき込む。
「いい、の?」
「ああ。人じゃなく、物としてだけどな。」
「売られる?」
売る、あぁ、奴隷商人に売るって意味か。
「売らねぇよ。所有物には割と優しいぞ?」
「なら、行く。」
「そうか。なら、これを付けろ。」
俺は創造魔法でミネアと同じ首輪を渡した。
「ありがと。」
「物になって礼を言うんだね…」
ミネアも後ろで呆れている。
「その人も物?」
「ああ。」
「ミネアだよ。あんたの名前は?」
すると俺の方を向き、
「つけて?」
「元々のあるだろ。」
「あれは前の。今のは、ない。」
「気にしねぇよ。」
するとさっきよりも激しくぶんぶんと首を横に振る。
「ったく。」
名前、か。こっちのヤツらみたいな名前はそうそう思い浮かばないな...
どうせなら前の世界であった名前にするか...
「シズク、でどうだ?」
「ん。」
そう言って頷いた。

日が落ちてきたな。
「そろそろ戻るか。もう一度宿をとらないといけないしな。」
「そーいや、1泊しかとってなかったね。」

「シズクも掴まれ。」
俺が差し出した左手を、大事そうに握りしめるシズク。

「フライ」

そうして3人は暗くなっていく空に見えなくなった。


シズク

魔族

Lv380

体力280000
魔力475000
攻撃力657000
俊敏力64000

魔法
闇魔法【極】
呪詛魔法【極】
弱体魔法【超】

スキル
弱体能力アップLv5
暗視Lv8
MP自動回復Lv9
偽装【超】

魔眼(弱体)
意識してみた者、範囲に弱体化の能力付与
格上には効果なし

「天才の天災」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く