天才の天災

春夜

所有物1

目を開けると、暗い洞窟のような場所だった。だが、本当に暗い訳では無い。
「魔法を入れれば、魔法を入れた人物が解除するまで効果の続く魔道具が使われているようです。
恐らく、光初級魔法のライトかと思われます、マスター。」

そうか。封印されているのは強い魔物だったりするのかと思い来てみたが、そうでもなさそうだな。
? 何故俺は少し残念に思ったんだ?
力を手に入れたからか、どうやら戦闘狂にでもなりかけているのか…
俺が俺であるなら、何も問題は無いが。
それよりもあれは...人か?
茶髪ロングの女性が壁に鎖で縛り付けられている。

「鑑定」

ミネア・レゴルタ

種族 竜人

Lv138

体力180
魔力100
攻撃力200
俊敏力160

魔法
無属性

スキル
龍化
HP自動回復
咆哮
体術【超】


レベルの割には弱すぎるな…罠か?
「マスター、彼女を縛っている鎖に弱体化の能力があるのかと思われます。」
なるほどな。
「鑑定」

封印の鎖【呪】
この鎖で縛った対象の体力とステータスを少しずつ蝕む。体力が少し減る度に激痛が伴い、0になると死ぬ。
 解除方法は鎖の持ち主及び対象の死亡、一定量以上の魔力を外部の者が鎖に流す。
不壊
(5000000\5000000)


この鎖でステータスが減っていて、死にそうになっているわけか。
それにしても、恐らく最後の数字は残りの必要魔力量と一定量の魔力量だろう。
これは、他のやつが来たところで解除は出来ないな。

「人...間......?」
どうやら少し意識が戻ったようだ。
「そうだ。お前はどれほどの間、ここにいる?」
「1000年...ぐらい...だと......思...う...」

「ぐ、ぁあああああああああ!!!!」
ちょうどまた、体力が減ったのだろう。
ミネアの苦痛に耐える声が響く。
「俺の所有物になる気は無いか?」
「??」
意味がわかっていないのだろうか。
返事が来ない。
「早く答えないと、次の呪いで死ぬぞ。」
「所有物になれば…助かる...のかい...?」
「ああ。この鎖よりも俺の魔力の方が上だからな。」
するとミネアは目を見開いた。
「あんたが...この鎖の魔力より...上...」
普通は驚くよな。魔力500万を越えたやつがその辺にいっぱいいれば、ちょっとしたいざこざが神話対戦になりかねん。
「信じるかどうかは知ったことじゃないが、お前には時間がもうない。
早く決めろ。」
するとミネアは少し俯き、また顔を俺の方に向けた。
「お願いします...あたしを...助けて...」
「契約成立だ。」
俺は直ぐに鎖に魔力を流した。
パリィン
子気味いい音が響き、鎖は光の粒になって消えた。
「ほんとに、助かった…」
魔方陣に流した魔力は2万、
鎖を切るのに流した魔力は500万、
俺の残りの魔力は278万か。
なら作れるな。

そう思い、創造魔法を使った。
「創造魔法」
レンの掌に光が集まり、中からはボロボロの首輪が現れる。
レンはそれを捨て、もう一度。
「創造魔法」
また掌に光が集まり、その中からはチョーカーのような物が現れる。
黒いチョーカーに白いラインが入っている。

所有物の証【極】

レンの所有物であるという証。
レンにのみ使用可能。
相互の任意により、装着できる。
解除不可。
このチョーカーをつけた者が得た経験値は、所有者であるレンも得ることができる。
レンが死ねば、チョーカーを付けている者も死ぬ。


これをミネアに渡す。
「お前が俺の所有物である証だ。
付けろ。」
「ここで本来死ぬ命だ!
助けてもらったからにはこの命、アンタのために使うよ!ボス!!」
「...ボス?」
「?気に入らないかい?
ボスが嫌だってんなら、他に考えるけど…」
「まぁいい...物としてこれから、俺の為にしっかりと働け。」
「了解だ、ボス!」

ボス呼びは慣れそうもないが、まずは所有物1つ目の獲得だ。
鎖に吸われたこいつのステータスも時間の経過とともに戻ると叡智が言っていた。
ならひとまず、地上に戻ろう。
「行くぞ。」
ミネアにそう伝え、魔法陣に魔力を流した。

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