さあ、始めようか
プロローグ
俺の名前は神夜霊光。何処にでもいる普通の高校1年生だ。
そんな俺はいつものように家から出て学校へと向かう。正直行かなくてもいいんだが、ちょっとした理由があり仕方なく行っている。
家から歩いて約20分。そこで俺が通う学校の門が見えてきた。
いつものようにそこをくぐり、いつものように昇降口で靴を脱ぎ、上履きへと履き替え、いつものように自分の教室である、1年3組へと向かう。
道中すれ違うやつからヒソヒソと俺に向けて何か言ってるが無視。
教室へと着いた俺は中に入る。
すでに教室にいて雑談をしていた奴らが、入ってきたのが俺だと分かると、雑談を一旦中止する。
すると、俺に向けていつものように男子は舌打ち、女子はヒソヒソと俺を横目に見ながら話している。
こんなのはいつもの事なので特に気にせず自分の席へと座る。俺の席は窓側の1番後ろだ。椅子に座り机を見ると、死ねやら消えろやらと色々な悪口がいつものように書いてあった。
…はぁ、それにしても毎度毎度よくやるなぁ。
そう思いながら手で少し埃を払い文字は特に消すことなくそのまま腕をまくらにし、頭を預け、窓から外をぼんやりと見つめる。
うざったいほどに快晴な空だった。
俺は毎日のように、外を見ながら、先生が来るのを待っていた。
…これが俺のいつもの日常。あの時を境に変わってしまった日常だ。
でも…まさか、さらにその日常が今日で終わるとは、俺はまだ知らなかった。
4時間目終了のチャイムが鳴った。
大半の生徒は購買でお昼を買うので次々と教室から出て行く。そんな中俺は、鞄からいつもの紙パックの野菜ジュースを取り出し、外を眺めながら飲む。
1分ほどで飲み終えた野菜ジュースを机に起き、また腕をまくらにして頭を預ける。
基本俺の昼休みはこんなもんだ。
クラスのやつらは、遠巻きに俺を見ているだけで、こっちには来ようとしない。いや、来たくても来れないの間違いか。
最初は、毎回こっちに来て、色々と言われたりしてたんだが、その度に俺からも色々とやってあげたからなぁ…
…さて、寝るか。
そして、俺は夢の中に落ちていったのだった。
生徒のざわめきとともに目が覚めた。
時計を見ると3時過ぎだ。ようやく帰れると思い軽く伸びをする。それにしても、2時間半くらい眠ってたのか。…いつも通りだな。
ちょうど、その時に担任の先生がやってきた。帰りのHRのようだ。話をしていたクラスメイト達は一斉に自分の席へと戻って行く。
そして、先生が教卓に立ち、言葉を発しようとしたとき……異変が起きた。
開いていた窓、廊下へと繋がるドアが急に勝手に閉まり出したのだ。いきなりの出来事に他の奴らがざわめき始める。そして、スピーカーから誰かの声が聞こえた。
『やあ、君たち。始めまして。君たちで言うところ神という存在だよ。申し訳ないけど、君たちに用があるので教室に閉じ込めさせて貰った。言っておくけど窓やドアをいくら叩いたり蹴ったりしても壊れないしビクともしないからね』
そこから聞こえてきたのは、なんとも信じられないような言葉だった。その言葉を聞いた奴らが「ふざけんな!」やら、「おい!本当にあかないぞこれ!」「ここから出せ!」と言っている。
なんというか。予想通りというか、テンプレみたいなセリフだな。俺も一応この状況には驚いてはいるが、どのみちただの一般人には、どうあがいたってなにもできない。こういうのはおとなしくしているのが一番ってな。
『まあまあ君達落ち着いて。そんなこと言っても出さないから』
そう神と名乗った奴が言うと騒いでいたクラスの奴等が急に静かになった。不思議に思い教室内を見渡す。
そこで見たものは口は動いてるが声が出ていないというなんとも奇妙な状況だった。
『さてさて、これで静かになったね。あ、ついでに、首から下は動かせないようにしといたから』
確認しようと体を動かそうとしたが確かに動かなかった。
『では本題に入ろうか。突然だけど君たち1年生全員には、ここではない世界、つまり異世界に行ってもらうから。…あ、ちなみに拒否権はないよ? 強制だよ強制』
『そうだな…一応理由としては暇潰しに近いかな。…ああそうそう。これから行く世界を分かりやすくいうと、剣あり魔法ありのファンタジーな世界だから。君たちもきっと気に入ると思うよ? あと、君たち全員に異世界でも安全に暮らせるよう僕からちょっとした特典を上げるからね。それじゃ飛ばすよ?』
俺たちの事など無視し次々と話す神。まぁどうでもいいんだが…さっきこいつ魔法ありと言ったか? ということは、魔法が使えるってことか? この世界に未練なんてないし…。異世界…いいじゃんそれ。
『ああ、忘れてた。君たちは勇者召喚として異世界に飛ばすことにしてるから、1年生全員ね。だけど、組ごとに召喚する世界が違うから、まぁ、他の組とは今後会えないと思ってくれ』
ただの異世界送りじゃなく、勇者召喚か。俺としては、人のいないところに飛ばしてほしかったんだが、どうにかならないだろうか。
『ふふふ…おもしろいなぁ〜もう。…分かった。君の願い叶えてあげるよ。…さて、もう面倒だから飛ばすね、バイバイ』
神のその言葉の最後に、教室の床に幾何学的な模様が浮かび上がった。それはまばゆい光を発しており、その光が教室全部を飲み込んだ。
そして、その数秒後に光が徐々に失っていき、俺の目の前に見えるのは、何故か人がいなくなった教室だった。
「…は?」
意味が分からずその場で固まった。ってか、声でるし。いやいや、このさいそんなことはどうでもいい。なんで俺だけここにいるんだ?
『やあ、君が1人で別の場所に行きたいっていうから、そうしようとしたんだけど余計なお世話だったかな?』
またスピーカーから声が聞こえた。てか、心の声をよむんじゃない。
『嫌だよ。だって君、他の人間と違って面白いし』
「まじで心読めるのかよ…」
『神だからね』
あ〜、そうですか、神だからですか。はいはい。
『酷いな〜。じゃ、この話はもう終わりにして本題に入るよ』
「あ〜はいはい。いいよ」
とりあえず早くしてくれ。
『はは、じゃあ君のご要望通り、人間とかいない所に飛ばすけど準備はOK?』
「まじで?」
『まじで』
俺は思わず立ち上がりスピーカーに向けて親指をグッと上に上げた。
「さすが神様! 分かってるじゃん!」
いやまさか本当に俺だけ別の場所に飛ばしてくれるとは。
『はは、喜んでくれて良かったよ。じゃあ送るよ?』
「よろしく」
そして、さっきみたいに床が光だし、俺を包み込んだ。
☆ ★ ☆ ★
「ふふ…あの子は他の人間と違って面白そうだね」
姿が人間で青年のような声が響く。その青年の周りにはただ白い空間が膨大に広がっていた。
青年は手を前に出し、何かを呟くと、手の前に半透明な板状の物が現れた。
「…神谷霊光…君…か。ふふ…君だけに特別な力を渡して上げたけど、力を手にした君は異世界で一体何をするのかな?」
「正義の味方? 逆に世界征服とか? ふふ。楽しみだなぁ。これからが」
その青年は、心底楽しみで仕方ないのか、いつまでも笑っている。
ふふ。ふふふふふ
そんな俺はいつものように家から出て学校へと向かう。正直行かなくてもいいんだが、ちょっとした理由があり仕方なく行っている。
家から歩いて約20分。そこで俺が通う学校の門が見えてきた。
いつものようにそこをくぐり、いつものように昇降口で靴を脱ぎ、上履きへと履き替え、いつものように自分の教室である、1年3組へと向かう。
道中すれ違うやつからヒソヒソと俺に向けて何か言ってるが無視。
教室へと着いた俺は中に入る。
すでに教室にいて雑談をしていた奴らが、入ってきたのが俺だと分かると、雑談を一旦中止する。
すると、俺に向けていつものように男子は舌打ち、女子はヒソヒソと俺を横目に見ながら話している。
こんなのはいつもの事なので特に気にせず自分の席へと座る。俺の席は窓側の1番後ろだ。椅子に座り机を見ると、死ねやら消えろやらと色々な悪口がいつものように書いてあった。
…はぁ、それにしても毎度毎度よくやるなぁ。
そう思いながら手で少し埃を払い文字は特に消すことなくそのまま腕をまくらにし、頭を預け、窓から外をぼんやりと見つめる。
うざったいほどに快晴な空だった。
俺は毎日のように、外を見ながら、先生が来るのを待っていた。
…これが俺のいつもの日常。あの時を境に変わってしまった日常だ。
でも…まさか、さらにその日常が今日で終わるとは、俺はまだ知らなかった。
4時間目終了のチャイムが鳴った。
大半の生徒は購買でお昼を買うので次々と教室から出て行く。そんな中俺は、鞄からいつもの紙パックの野菜ジュースを取り出し、外を眺めながら飲む。
1分ほどで飲み終えた野菜ジュースを机に起き、また腕をまくらにして頭を預ける。
基本俺の昼休みはこんなもんだ。
クラスのやつらは、遠巻きに俺を見ているだけで、こっちには来ようとしない。いや、来たくても来れないの間違いか。
最初は、毎回こっちに来て、色々と言われたりしてたんだが、その度に俺からも色々とやってあげたからなぁ…
…さて、寝るか。
そして、俺は夢の中に落ちていったのだった。
生徒のざわめきとともに目が覚めた。
時計を見ると3時過ぎだ。ようやく帰れると思い軽く伸びをする。それにしても、2時間半くらい眠ってたのか。…いつも通りだな。
ちょうど、その時に担任の先生がやってきた。帰りのHRのようだ。話をしていたクラスメイト達は一斉に自分の席へと戻って行く。
そして、先生が教卓に立ち、言葉を発しようとしたとき……異変が起きた。
開いていた窓、廊下へと繋がるドアが急に勝手に閉まり出したのだ。いきなりの出来事に他の奴らがざわめき始める。そして、スピーカーから誰かの声が聞こえた。
『やあ、君たち。始めまして。君たちで言うところ神という存在だよ。申し訳ないけど、君たちに用があるので教室に閉じ込めさせて貰った。言っておくけど窓やドアをいくら叩いたり蹴ったりしても壊れないしビクともしないからね』
そこから聞こえてきたのは、なんとも信じられないような言葉だった。その言葉を聞いた奴らが「ふざけんな!」やら、「おい!本当にあかないぞこれ!」「ここから出せ!」と言っている。
なんというか。予想通りというか、テンプレみたいなセリフだな。俺も一応この状況には驚いてはいるが、どのみちただの一般人には、どうあがいたってなにもできない。こういうのはおとなしくしているのが一番ってな。
『まあまあ君達落ち着いて。そんなこと言っても出さないから』
そう神と名乗った奴が言うと騒いでいたクラスの奴等が急に静かになった。不思議に思い教室内を見渡す。
そこで見たものは口は動いてるが声が出ていないというなんとも奇妙な状況だった。
『さてさて、これで静かになったね。あ、ついでに、首から下は動かせないようにしといたから』
確認しようと体を動かそうとしたが確かに動かなかった。
『では本題に入ろうか。突然だけど君たち1年生全員には、ここではない世界、つまり異世界に行ってもらうから。…あ、ちなみに拒否権はないよ? 強制だよ強制』
『そうだな…一応理由としては暇潰しに近いかな。…ああそうそう。これから行く世界を分かりやすくいうと、剣あり魔法ありのファンタジーな世界だから。君たちもきっと気に入ると思うよ? あと、君たち全員に異世界でも安全に暮らせるよう僕からちょっとした特典を上げるからね。それじゃ飛ばすよ?』
俺たちの事など無視し次々と話す神。まぁどうでもいいんだが…さっきこいつ魔法ありと言ったか? ということは、魔法が使えるってことか? この世界に未練なんてないし…。異世界…いいじゃんそれ。
『ああ、忘れてた。君たちは勇者召喚として異世界に飛ばすことにしてるから、1年生全員ね。だけど、組ごとに召喚する世界が違うから、まぁ、他の組とは今後会えないと思ってくれ』
ただの異世界送りじゃなく、勇者召喚か。俺としては、人のいないところに飛ばしてほしかったんだが、どうにかならないだろうか。
『ふふふ…おもしろいなぁ〜もう。…分かった。君の願い叶えてあげるよ。…さて、もう面倒だから飛ばすね、バイバイ』
神のその言葉の最後に、教室の床に幾何学的な模様が浮かび上がった。それはまばゆい光を発しており、その光が教室全部を飲み込んだ。
そして、その数秒後に光が徐々に失っていき、俺の目の前に見えるのは、何故か人がいなくなった教室だった。
「…は?」
意味が分からずその場で固まった。ってか、声でるし。いやいや、このさいそんなことはどうでもいい。なんで俺だけここにいるんだ?
『やあ、君が1人で別の場所に行きたいっていうから、そうしようとしたんだけど余計なお世話だったかな?』
またスピーカーから声が聞こえた。てか、心の声をよむんじゃない。
『嫌だよ。だって君、他の人間と違って面白いし』
「まじで心読めるのかよ…」
『神だからね』
あ〜、そうですか、神だからですか。はいはい。
『酷いな〜。じゃ、この話はもう終わりにして本題に入るよ』
「あ〜はいはい。いいよ」
とりあえず早くしてくれ。
『はは、じゃあ君のご要望通り、人間とかいない所に飛ばすけど準備はOK?』
「まじで?」
『まじで』
俺は思わず立ち上がりスピーカーに向けて親指をグッと上に上げた。
「さすが神様! 分かってるじゃん!」
いやまさか本当に俺だけ別の場所に飛ばしてくれるとは。
『はは、喜んでくれて良かったよ。じゃあ送るよ?』
「よろしく」
そして、さっきみたいに床が光だし、俺を包み込んだ。
☆ ★ ☆ ★
「ふふ…あの子は他の人間と違って面白そうだね」
姿が人間で青年のような声が響く。その青年の周りにはただ白い空間が膨大に広がっていた。
青年は手を前に出し、何かを呟くと、手の前に半透明な板状の物が現れた。
「…神谷霊光…君…か。ふふ…君だけに特別な力を渡して上げたけど、力を手にした君は異世界で一体何をするのかな?」
「正義の味方? 逆に世界征服とか? ふふ。楽しみだなぁ。これからが」
その青年は、心底楽しみで仕方ないのか、いつまでも笑っている。
ふふ。ふふふふふ
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きくりうむ
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