人間から(堕天使の)スキルになりました!?

雨夜

ダンジョンの中は…って?

ダンジョン…様々なモンスターや薬草といったものがたくさんかる場所。

ゲームで考えると僕が思い付くのは2つ。

1階、2階と各フロアがあり最終フロアにボスがいるダンジョン。
迷宮の様に迷いやすく広く奥の部屋にボスがいるダンジョン。

今回、初めてはいったこの第一ダンジョンは1階、2階と各フロアがあるダンジョン。
階段や転移門は全て隠されており、条件次第で開く仕組みとなっている。

入ってすぐスケルトンやゾンビの集団に襲われた。


「ダンジョンとはいえモンスターは全てベンダさんの軍隊の人達だからなぁ…。まぁ、治るだろうし許してねー」


バキッゴシャ、と…スケルトンの骨を砕く音やゾンビ頭が潰れるような音を聴きながら前へ前へと進む。
ほぼ作業となってきた行動に欠伸が出そうになったが地下47階になった時人の話し声が聞こえてきた。
その声は長年聞いてきた声…妹と幼馴染の声…。僕は気を引き締めるように深呼吸をし近くにいた魔王城で仲がいいスケルトン達に話し掛ける。


「ねぇ、少しいいかい?」
「何でしょうか?ハヤト様」
「僕、あそこにいる人間達に接触して色々調べなきゃいけないんだ。でも今この姿で出ても魔人として攻撃される…だから、ここに迷い込んだ子供として彼らと接触したい」
「かしこまりました、我々はハヤト様が接触しやすいように人を攫うふりをすればいいのですね」
「いや、お前達から逃げてきた風にやりたいんだが……」
「逃げてきた風っすか…りょーかいです!」
「あぁ、頼む」


スケルトン1は礼儀正しいけどスケルトン2はやっぱり気軽だなぁ…。
そう思いながら「それじゃあ、開始!」と言い僕は大声を出しながら走る。
スケルトン達はカタカタ言いながら追い掛ける。


「誰か!!誰か、助けてっ!!」
「皆さん、あっちから声が聞こえます!」
「一体何が…」
「子供がスケルトンに追い掛けられてるぞ!」
「今助ける!」


妹と幼馴染だけかと思いきや親友と委員長もいて思わず立ち止まりそうになった足を必死に動かし幼馴染……幸音に抱き着いた。
すぐに目線だけでスケルトン達に撤退する合図を出し泣く子供のように震えながら強く抱き着いてステータス情報等を自分の頭の中にインプットする。


「……撤退したか」
「幸音お姉ちゃん、その子大丈夫ですか?」
「よっぽど怖かったのかしら…震えているわ」
「君、大丈夫かい?」
「だ…大丈夫……た、助けてくれてありがとう…お姉ちゃん達…」


態と顔を上げて幸音と目を合わせる。幸音は俺の目を見て驚いた顔をしながら「隼人…?」と呟いた。
思わず、「幸音、また会えたね」って言葉が出てきそうになったけどぐっと飲み込んだ。


「お兄ちゃん…と似てる…」
「隼人君そっくりだな…それに!君の髪、目の色は魔人じゃないか!!」
「魔人だと?…助けたのは間違いだったのか。敵となる前に…」


委員長…新倉が剣を抜いたのを見て「ひっ」と言いながら幸音の背中に隠れた。
幸音は僕を守りながら新倉を睨む。


「新倉君!相手はまだ子供よ!」
「上宮さんの言う通りだ。それにここでやるよりもミルカ王女にどうするか聞こう」
「……そうだな、俺が軽率だった。すまない、君の名前を教えてくれないか?」
「…………は、ハヤト…」
「どうしてダンジョンにいたの?」
「…あのね、お父さんとお母さんがここに行くって言っててね…一緒に入ったけどトラップに引っかかってモンスターがたくさん出たの…そのせいで、離れ離れになっちゃった…」


全て嘘だが幸音達はスキルも何も使わないで僕を調べずに「お母さん達に会えるといいね」とか「俺達と外に行こうか」って言う。
……新倉は別にいいが仲が良かった愛莉と幸音、椎斗君に嘘をつくのはとても辛い。
僕は椎斗君に抱っこされ、愛莉が使った脱出アイテムで外に出た。
椎斗君のステータスとかもちゃんと頭の中にインプットしたよ。





【勇者の情報を入手。更新しました】


No. 1  上宮幸音 
   勇者
   Lv. 48
   HP :2000/2000
   MP:40/40

   スキル
   鑑定 Lv. 5
   偽造 Lv. 3
   光魔法 Lv. 7

   特殊スキル
   消滅魔法 Lv. 2
   神眼


No. 2 雨宮椎斗
     勇者
     Lv. 48
     HP:1800/1800
     MP:65/65

     スキル
     鑑定 Lv. 5
     偽造 Lv. 2
     光魔法Lv.10

     特殊スキル
     調査 Lv.20
     MP解放


【登録中・・・・・登録完了】







空がオレンジ色に染まる中、僕は抱っこされたまま愛莉達とミルカ王女という人がいる彼女の別荘へ向かう。
予想通りで、ダンジョンの外に出てから色々質問をされた。
どこの国から来たのか聞かれたからマスターの国から来たって言うとすごく驚いた顔。
恐らく、彼らはマスターの国は魔物で溢れていると思っているのだろう。

だが、それは違う。
マスターの考えに賛同し魔物と手を取り合って生きていく人や人と共存したい魔物が住んでいるのだ。
その証拠というか…マスターの国にある料理店の店主は吸血鬼で人間の奥さんが居るんだよなぁ…。
ちなみにオススメはトマトを大量に使ったトマトスープだ!見た目は真っ赤で辛そうだけど食べてみるとトマトの酸味があり一緒に入ってる野菜や肉にスープが染み込んで体を温めてくれる。
暑い時期には冷スープとして出るから訓練後とかによく行ったなぁ…食べたくなってきた。


「あ、ミルカ王女!」
「勇者の皆様、どうなされ…その、子供は?」
「ダンジョン内で保護した子供です。どうやらモンスターに捕まりそうになっていまして…」
「そうでしたの…大変でしたわね。後はロルジに任せますので勇者の皆様は寮へと戻り身体を休ませて下さい。ロルジ!」
「かしこまりました、王女」


椎斗君は僕をロルジさんに抱っこしてる状態で渡そうとしたから急いで「あ、歩けるよ!お兄ちゃん!」と言って地面に下ろしてもらった。
笑いを堪えてるロルジさんを軽く睨みながら挨拶をして手を繋ぐ。


「また、明日会おうね!ハヤト君!」
「うん!お姉ちゃん!」


バイバーイ、と言った感じで手を振りながら幸音達と別れた。
しばらく歩き、人通りも少なくロルジさんと二人だけになった瞬間…


「ククッ…お似合いでしたよ、ハヤト様…」
「ウルセェ、こっちは羞恥心で死にそうだ…//」
「それはそれは…モルテ様に教えて差し上げたいですね」
「やめろ!…僕がここに来た目的、聞いてるだろ」
「勿論です、我が王の為に私が知る限り情報をお教えしましょう」


会話内容でわかると思うがロルジは僕達魔王軍…いや、マスターが治める国、メーディウム王国の人間だ。
主に諜報員としての活動が中心だが偶にモルテの執事補佐として活動している。
ロルジから教えられた情報は以下の通りだ。

・勇者の中には戦いを苦手とし商売に走る者もいる。(梨花さんみたいな…)
・学校に通っておりこの世界の勉強中。
・グループが出来ており、幸音や新倉達の様にグループで行動する者もいれば街で立場を利用し悪さをする奴もいる。
・街内だけ終わらず学校内でも立場が強く好き勝手にしているそうだ。
・一番強いのは幸音、新倉、椎斗君、愛莉。
・箕浦とその取り巻き達は魔物をたくさん倒しているが遊び感覚でやっている。



「……以上、ですね。この国の王は真実を偽装し勇者達を操って我々の国だけではなく周辺諸国も侵略しようとしております」
「それを隠す為にこの国の王女様が率先して動いてる…か。王女様は知ってるの?」
「はい、王の目的は王本人、ミルカ王女、騎士団長の三人のみ知っておりますが近々…他の大臣や貴族も知る事になるかもしれません」
「厄介だな…僕からマスターに報告しておくよ」
「はっ、お願い致します。…さぁ、もう夜になりました。子供は眠る時間ですよ」
「子供扱いすんな。………モルテが、寂しがっていたからたまには顔、見せに行けよな」
「!…そうですね、ありがとうございます」


おやすみ、と言って客室に入り鍵をかけると同時に結界を貼った。
ベッドに腰掛けテレパシーで今日の報告してから今後の行動を考える。
新倉は真面目な性格で恐らく僕が魔人だと言う事を報告している筈。
魔人は、一国を簡単に潰せる程の魔力や力を持つと言われている。マスターの国にも何人もいてマスターに仕えている。
あのミルカ王女は僕の事を聞いて魔人だが子供だからと油断して何かしらの行動をするかもしれない。
もし、勇者達と関わる事が出来るのなら積極的に関わりに行った方がいいかもしれない。まだ二人しか情報を手に入れてないからね。

明日も頑張ろう、そう思いながら睡眠魔法を部屋全体にかけ僕は眠りに落ちた。
あぁ、そう言えば…ステータス、確認してなかった…な……。







【ステータスが更新されました】

【レベルが11上がりました。
特殊スキル スキル複製により消滅魔法、調査を手に入れました】

ハヤト 大賢者(魔王:アンジュのスキル)
Lv. 59

HP:5000/5000
MP:∞

スキル
鑑定 Lv. MAX
偽造 Lv. MAX
隠蔽 Lv. MAX
光魔法 Lv. MAX
闇魔法 Lv. MAX
火魔法 Lv. MAX
水魔法 Lv. MAX
草魔法 Lv. MAX
錬金術 Lv. MAX
力魔法 Lv. MAX
剣術 Lv. MAX
体術 Lv. MAX
回復魔法 Lv. MAX


特殊スキル
大賢者
堕天使の加護
龍人の加護
アンデッドキングの加護
大妖精の加護
悪魔の加護

スキル複製
消滅魔法 Lv. MAX
調査 Lv. MAX


【情報更新中・・・・更新完了】





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