千人の中に妹が隠れている!

双葉エレン

眠る方凪の過去

方凪透、ごく普通な小学生で...成績優秀でクラスからも人気があり女子からもモテていた
ある日のきっかけで不登校になり、もう一つ彼を不良に導くきっかけを作ってしまった。


それは紛れもなく、私のせいだったという事だった
あの頃は私はなんでも出来て成績優秀なお兄ちゃんを恨んでいた
人気もあり、不得意がないその態度に...皮肉にも憎んだ
それで私は...小学生ながら柄の悪い友達と手を組み、お兄ちゃんの精神と肉体的にも追い詰めた
それっきり、部屋から一歩も姿を現す引きこもるようになった
これで目に余る光は居なくなったと、自己満足で数日間何も変わらない日々を送っていた。
この油断が後に、私自身も被弾するようになり
最終的には、クラス全体を敵に回していた
だけど私は、いじめられたからって引く様なことは無く
クラス全員だろうと、全校生徒だろうと容赦なく立ち向かい怯ませた
それがお兄ちゃんにはなかった行動力だった


それだけで、中学に入ると更に変わる
見知らない人も、私を拒むようになり
クラスに馴染めないただ一人の存在となっていた
寂しいって訳でもなくただた、挑発を買いひねり潰して
親に怒られのパターンを繰り返していた
しかしある日、不意に背後を突かれた私は気を失い
知らない建設場に縛られていた
そして柄が悪そうな女子と男子が嘆くように言い出す


『千人生徒を倒たってのは自称か?』
『スキだらけだったもんだから、つい殴っちゃった』


手足は縛られ、動くことさえ出来ない
そんな中で、こんなわざとらしい演出をしてまで私を殺したかったのだろう
その眼前に映る数は計り知れなかった
そして指を上に向けて指しながら


『この上に鉄骨がぶら下がってる、それがてめぇに落ちれば...脳ミソめちゃくちゃになるんだろうなぁ?』
『いい気味だろ、死んで同然だ!』


無抵抗で、一人でなにもできないやつに限って...集団を組み特定のやつをいじめる
いざ一人となると、何もできないくせに...って今の自分もそうか。
でも、状況からして逆に違う意味になる。でも結局私も似たことをお兄ちゃんにしたしーー


頭上から落ちてくる鉄骨を見上げたまま動こうともしない
報いなら今しかない...ごめんなさいお兄ちゃんーー


すると、ガンっと鈍い音が鳴り響くーー
そして砂煙が舞い上がる中、鉄骨を肩に乗せて一人の人影が浮かび上がり...血をぽたぽたと地面に落ちるながらも


『大丈夫か?助けに来たぞ...』っと久々に聞いた声よりも変わっていたけど聞き覚えがあるーー
それは紛れもなく憎んだお兄ちゃんの姿だった


ガラが悪い人達は響き、鉄骨を肩に載せた音の姿に驚くやつもいれば...引き下がる奴らもいた
そして方凪は、ガラが悪い人達に目掛けて鉄骨を持ち上げて思いっきり投げ飛ばした
鉄骨は地面に突き刺さり、方凪がゆっくりと言う


『おい!隠れてないで出て来いよ!』
『うるせぇな、誰がお前の指図なんか受けるかよ!』
『何だかんだで、来てるじゃない...白』
『お前もだろ海音!』
『いいの私はね!』


すると、一人の男は携帯を触りながら言う
『白戸中の域名川白と名門校赤坂女子学院中の結城海音...って、ココ最近高校生不良を倒した奴らじゃねぇか?』
『んな訳あるか!ガセに惑わされるな!』
『そうだよ、第一そんな強い奴らがこんな場所なんかにーー』


すると、二人は学生手帳を取り出して中を開き見せつけながら


『あら、そのまさかだよ?』
『舐めてんのはお前らの方だ』
『えぇぇぇぇぇぇぇぇぇーー!?(一部のガラが悪い人達の声)』


二人は学生手帳をしまい、ゆっくりと首を鳴らす白と鉄パイプを拾い上げて構える海音
そしてまた一人の子は言う


『噂では...方凪に落されたって聞いたぞ俺!』
『知ってる、あの美貌な子を手に入れるとは...卑怯だ俺苦しいんだけど!』
『ば、馬鹿野郎!スレンダーでも貧乳が最高とかそんなこと言ってる場合か!よし俺は...尻を殴られに行きお前らを守ってやるからそこを動くなよ!』
『卑怯だぞ!その役割は俺だァァァ!』
『いや拙者が引き受けるぅぅぅ!あの顔でお尻を切られて死ぬぐらいなら本望だ』
『いや裏切るきかてめぇらァァァ!!それは俺が今思った事を便乗しないでくれませんかー?』


変な争いを始めている一部の男子を見て白は言う
『どうするんだ?ゲス共が叩かれるのがお望みみたいだが...』
海音から放たれている殺気がビンビンと白自身に伝わってきていた
『あら?それが本望なら...とことん刻み込んであげるわよ☆もう逃げても、遅いんだからね!(黒笑)』
海音が放つ衝撃波が、ガラが悪いゲスへ容赦なくぶっ飛ばした
それを見ていた方凪は海音に向かって言う
『あんま無理するなよ?』


そんなさり気ない言葉に海音は、顔を少し歪ませながら
『な、何を言ってるのかなー?し、心配されるくらい弱くないし...』
『いや、その手の包帯だから...』
『そ、そこまで心配されるの私!う、うわぁぁぁ方凪、私を無駄にやさしくしないでよバカァァァァーー!!』
海音が放つ衝撃波は四方八方に飛び回る
そんなテレ状態の海音を見てガラが悪い人達は、凍りつきそしてヒートアップした


り、リア充滅せよ!っとある意味一気団結したガラが悪い人達。
 

込み上げてくる殺意を、三人に向かって放たれた
方凪は、ビクともせずに次々に殴りめり込ませていく
容赦ない戦いは数分でたった三人の力により制圧された
そして方凪は、妹の紐を解き頭をなてなから


『さて帰るぞ...立てるか?』っと今までした事を気にもせずさり気ない言葉に私は掬われた
そこからずっと離れるって言葉かなく気にかけて何時もお兄ちゃんのそばに居た
でも、そんなお兄ちゃんにもボロボロなに負けて帰って来る日も...少なくなかった
今回の件は、わたしが無鉄砲でした事...お兄ちゃんをこうした責任も私にあるーー


アーサーは、その話を聞きながら


『優しい奴なんだな』
『はい、私は...そこに惚れたかも知れません』
『体をくねらせないでよ...』
『はっ、私とした事が...つい』


アーサーは、冷蔵庫を開き缶ジュースを取り出して方凪の妹へ手渡しながら
『なるほど、私もつい最近こっちに迷い込んで...いきなり勝負を挑まれて負けたけど...何だかんだで私を居候させてくれるし。』
すると、方凪妹は口からジュースを吹き出す
少しむせりながら言う


『い、居候!?住んでるの私の家に!?』
『うん、謎が多いからってほっとけないってね。』
『私が一番に感じた謎は今の私なんだけど!』
『強引だったなぁ...(家に住む理由)』
『ご、強引!?(意味深)』
『あ、一緒に寝たし(気付いたら寝ていた)』
『い、一緒に寝た!?(意味深)』 
『......どうしたの?』
『うっ、こんな幼い子みたいな子に...私が負けるなんて...お兄ちゃんいつからロリコンになったの!』


方凪の妹は、方凪の酸素マスクを外そうとしてガタガタ動くのを腕を抑えて止めるアーサー
こうして一日が過ぎた、六月の上旬になりそうな時期
片倉は、方凪が居る高校へ訪れていたと言うーー

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