千人の中に妹が隠れている!

双葉エレン

ある昼休み時間

妹を探して数ヶ月経過の今日、朝一透は呻き声を上げた
そう今日は両親が朝からい何処かへと出張に出ていたのだ


つまりだ、透は自分一人で朝食を取らなければならない
朝は学生にしたらかなり貴重極まりない時間なのだ
遅刻ギリギリの時間に目覚め、用意されてると思われた朝食が無く呻き声を上げていたのだった


仕方がなく、朝食を我慢して午前の授業を耐え切り
昼のチャイムがなると同時に廊下を走り出す透、購買部へと直行した...が。


購買部は戦場化となっていた、それは物を物で取り合う姿はまるで...地獄絵図だ
男女関係無い、弱肉強食の世界なのだ
その殺気溢れるを透は、目で笑うかのような笑を浮かべながら
『上等だ、獲物を刈るのは得意だってのを証明してやんよ!』
言い腕まくりをして、人をかき分けるようにズガズカと割り込み校内一番人気のパンを手に取り急いで会計を済ませていざ屋上へと行こうとした


『おい!そこの一年』
突然誰かに呼ばれ後ろを振り返ると、雁首揃えた頭が悪そうな人達が透を睨んでいた


『おい、そのパン俺達によこせよ?』


おいおい勘弁してくれよ、昼時間あと少ししかないんだぞ
頭数だけ揃えた馬鹿達を掃除する暇ないんだが...
透は呆れた感じでこう言いった


『お前らさ、昼時ぐらいさ...ゆっくりさせろよな。そんなにパンが欲しいならあの戦場化となった購買部へ挑んで来いよ...』


頼むから昼時間を潰さないでくれ...
透がそう思っていても、やはり頭が悪そうな奴らは引き下がらないむしろ横取りする姿勢を見せて来る


やれやれ、ゴミ処理は俺じゃなくて...排気所担当だろ
まぁ気晴らしに、手間がかかる雑魚をサクッ片ずけるか?
透は目を光らせた瞬間、頭が悪そうな人達は次々に壁に頭をめり込ませていった


屋上に向かう階段をはねとびする感じで上り、ドアを開けると視線の先には...湯里と美里乃の二人の姿があった
楽しそうに会話をしていた模様
透は、ゆっくりと歩きながら二人の元へ行きながら
『ちょっと混ぜてくんない?』
って言いながら二人の目の前透は座った


湯里はセーラー服で黒い髪で短髪を風になびかせながら軽く笑みを浮かべていて、美里乃も同じくセーラー服で赤い髪をして片方に束ねた髪の毛を少しいじっていた
湯里は、自作の弁当を開き中にあるタコさんウインナーを橋で掴みあげながら


『ねぇ、透くん...妹見つかった?』
『いや、見つからないな...県内にいるのかさえわからない。探す宛がないんだよ』
『ふーん...』
『おい、なんか人事に解釈してないか?』
『いやいや...ただ早く見つかって欲しいかなぁってね』


湯里は口の中にタコさんウインナーを入れて食べた
何故かかなり微笑ましい笑を浮かべていた
美里乃は、購買部で買ったおにぎりを唯かじりながら


『失踪の原因分かるの?』
『んー...俺かもな?』
『そうなの?私が見た感じは...明らかに違うと思うよ?』
『なんで断言できるんだよ...根拠はあるのか?』
『女の感よ、ただ兄を求めてって言う以外の理由があるとしたら...守るためとかね』


美里乃はペットボトルのお茶を口に含み飲んだ
透はパンの封を開いた
すると、とてつもなく香ばしい匂いが辺りに流れた
そして気づく、美里乃がめちゃくちゃ欲しそうな顔で透に訴えてくるのを感じ取った
透はパンを右にずらすと美里乃も右に首を動かす
透はパンを左に動かせば美里乃も左に首を動かす


改めて感じるこの感覚、紛れもない猫がじゃれる物を左右に動かした時にするアレにしか見えない事を感じた


あの強い眼差しと光は、断じて目を離せなかった...何故ならばよそ見したら一瞬で手ごと食われからだ


そうなる前に...俺が食さなければーーあっ...
気が付けば手に持ったパンは抜き取られて美里乃はそのパンをかじっていた


お...俺の昼食が、一瞬で美少女の口の中へインされた
美味しく頬張る美里乃を見て透はとっさにとった行動
それは...美里乃が飲んでいたお茶ボトルを飲み干すっと言う野蛮で愚行極まりない行為を考えた
しかし、それはある子により阻止される


『美味しい』っと言いながらゆったりする湯里の姿だった
手に持つのは美里乃が飲んでいたお茶ボトル
自分が持って来ていた水筒をそっちのけなのである
透は仕方がなく立ち上がり、海が見える方角を無言で振り向き眺め始めた


すると、美里乃は何気に透に話す


『いじけないの、あなたが買ったものは私の気力になるんだからありがたく思いなさい』
美里乃...いくら先輩でも許せない行為ですよ?
俺の朝食と昼食が混ざったディナータイムを根こそぎ持っていきやがって...だが、ここは我慢だ!
透は気が抜けたサイダーの様に美里乃に言う


『何処のジャイアンだよ?』
『ジャイアンじゃないもん...嬉しくないの?』
『嬉しくないの』
『えー、私透に何を返せってのよ?』
『んじゃ、手料理で』
『えっ!?』


透は腕を動かし淡々と言い始める


『分かってないなぁ...下手でも料理して貰えるだけで男は嬉しんだぜ?余程の味じゃない限り、女の子から貰える料理はなかなかで胃袋をつかむ意味合いでさ。今後左右する...主婦力の高さと美里乃の美少女に幾度なく男は落ちるはずだ、その性格がなければの話だけどな』
湯里は話を聞きながら弁当を食べながら


『私って主婦力高いのかな?』
『湯里...天然先なければ最高な女の子だぞ』
『ふえっ...!?』
『何を驚いてるんだよ...』
『透くんは...私をそんなふうに見ていたんだ...』


湯里はご飯をたいらげて飲み込んだ
その間もなく美里乃は湯里の胸をまた触り始める


『なになに?湯里って好きなんだ?』
『ちょっと...美里乃ちゃん...!』
『へー、勝手にリア充になったら私がこの...天にも登る手さばきの刑にするわよ!』
『や、やめてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーー!!』


飛んだ昼下がりだ、今日は何も変欠もなくただただ時間が流れた
帰宅すると、自室前のドアに無残無蔵に一枚の紙が...貼ってあった
それを手に取り引き離して部屋の中へ持っていき、机に座り紙に書かれてる文を見た
そこに書かれていた事実に透自身は驚いたのだった



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