Re異世界転生から始まる良世界攻略

双葉エレン

否定した過去、拒み続けた力

『こっから先には行かせないよ』
『何故僕を止める?』
『状況が理解出来ないままのたれ死んで、誰が喜ぶんだ?』
『それは確かにそうだ、でもこれ以上何が出来るって言うんだ?』
 

過去の自分自身の姿が一つの、記憶を見せられる
そこに映るのは、魔物から逃げ回ってる所だった
そして、過去の自分自身の姿が話す


『これ何の場面か分かるか?』
『幼き日、魔物に追われて逃げ回っていたけど石につまづき...左足と右腕だけが...食われた』
『うん、その通りだ...だがお前は何かを否定してる』
『その後...左足と右腕に擬似的なアームを取り付けられた...それと何の関係が?』


過去の自分自身の姿が再びある映像を見せる。
何処かの、民家の話だ...この時魔物を駆除する為に民家に住む少女の護衛だった


『...これは?』
『覚えてないって、嘘はつくなよ?』


この時、少女は庭で遊んでいる
そのタイミングで魔物が現れて少女を喰らおうとしていた
その時だった、無意識の内に彼から放たれた右腕の弾放が魔物とその少女を貫いた
そして気付く頃には、血が跳ねた庭と魔物が無残に切り殺された死体が転がっていた


『やめろ...僕は悪くない...!』
『そうやって否定し続けるんだ?過去やった事からは逃げられやしない』
『やめろ!』
『逃げてんのか?自分の過去から?』
『やめおぉぉぉぉぉぉ!!』


フリーダムは、過去の自分自身の姿に殴りかかろうとしたが姿が消えて自分自身床に転がった


『無駄だよ、僕には実体がない。』
『......』
『そんな怖い顔しないでよ。僕は僕を思って教えてるだけだ』
『何の真似だよ...!』
『いい加減認めなよ...自分の過去。犯した過ちは紛れもなく残り続ける、だから力を封印してる』
『...!?』
それがなきゃ、この先どうやって戦い続ける?力に恐れてあの日を境に使おうともしなくなった、何にそんなに怯える?何にそんなに拒む?』
『そ、それは...』
『認めろ苦痛も、そうすればまだ違う先がある...後悔したならそれを忘れるくらい後悔しないよう楽しめばいい。過去に怯えるくらいなら、今度はそうしないだから挑む...それがたとえ周りが否定しようともお前しかない道だ...だから拒むんじゃない、挑み自分の非を認め苦痛を楽しめ』
『...まさか、自分自身に説教されるとは思ってなかったけど...なんか軽くなった』


そして、フリーダムに強く光り出す右腕と左足...
後悔じゃない、恐れでもない、強さって結局自分の非を認めなきゃ...先が無いのか
つまりまだやれる力はあるって事か。
否定と後悔を続けたせいで、先が無いとばかり思っていた...


『やれば出来るじゃん僕、さぁ戻るんだ』
『あぁ、今度こそ...叩きのめしてくる』


たどった道を、戻り始めるフリーダム
その後継を眺めていた過去の自分自身


素直に認められる力はあるのに、なんで否定して拒むかのように認めなかったんだろうな...
でもこれで、全ての力が放たれるーー


.........


巨人レベルの魔物がフリーダムを踏み潰そうとした時だったーー
魔物の巨大な足の半分が切り落とされた
体制を崩して地面に倒れた


よし、久々の起動だが...威力的に問題ない。
さて、掃除の時間だーー!


折れた骨を一瞬にして治したフリーダム
黒き腕が光る、握る拳と構える足
そして、回復する巨人レベルの魔物を待ち
立ち上がった魔物ーー


『一撃で仕留めてやるよ...』


フリーダムは、左足を強く蹴りつけて走り出す
巨人レベルの魔物は、それ相当の速さで攻撃するがフリーダムはすべてをかわすーー
驚異的なスピードで、巨人レベルの魔物の真下まで近づき地面を両足でつき高く飛び上がり、右手を握りそのまま突っ込み巨人レベルの魔物の斜めに貫いた
大きな衝撃音が鳴り響き、巨人レベルの魔物は真ん中に丸い穴を開けて倒れ込んだ


『朽ち果てな...』


覚醒したフリーダムの力は驚異的な物だった。ライナ達はまだ苦戦中の待ったか中だった







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