Re異世界転生から始まる良世界攻略

双葉エレン

元いた時間へ

視点は戻り、三回ほど時を戻されたフリーダム...そして目の前に現れたのは空翔の娘の姿ではなく《時戻し》の精霊本体だった
フリーダムは、いくら立ち向かっても歯が全く立たない...それぐらい強い
コイツ...強い、強過ぎるくらいにムカつく奴だーー


『息の根を上げてやがるな?こんなもんかお前さんの強さって奴』
『......っ!』
『しょうもないヤツだな...力の差がまだわからねぇのかーー?』


時戻しの精霊は、一瞬にして時間を止めてフリーダムを横切って歩いて呟く


『『刻』と『時間』は違いがある、今のお前じゃそれすら敵わない。敵の戦力すら見極められないうちは...どうあがいても勝てねぇ、なぁお前は何の為に戦ってるーー?』


指を鳴らし、時間の流れが動き始める
フリーダムは、そのまま壁に激突してしまう
まただ、また...『時間』が止められた
時間が止まってるのに、何故奴の声だけははっきりと聞こえるんだ...?
それは置いといてだ、何故動く事すら出来ない?
これじゃ唯もてあばれてるにだけ...力の差ってこんなにも遠いのかーー?
手を握りしめて奴がいる方角を見つめ直す
まだだ、まだ使うタイミングじゃない...
こいつが油断した隙を狙うーー
フリーダムは、体を起こして再び立ち上がる


『問の答え聞かせてもらおうか?』
『『何の為に戦ってる』?悪いけど、この世界を正すために戦ってる。僕一人じゃない、五人の力で戦ってるんだ。』
『なるほど、だがお前はどう感じてる?』
『何がだ...?』
『お前だけ、三回ほど『時間』をずらされた。つまり、元いた時間はーー』


フリーダムは、剣を彼に向けて投げ飛ばした


『だからどうした?負けるっと、でも言いたいのか?』
『ーーいや、失言するつもりは無いが...これだけは言おうか。この三回飛ばされた『時間』とは元いた時間の流れが異なる、つまりお前がいた時間は...最悪な状況に変わった。』
『...何が目的だ?』
『お前の、死を認めないやつが俺を突き動かす...本来ならお前は...あの場所で死ぬ定めだったはずだ。しかし、死ぬなって言う意思が強すぎた、奴はお前の愛人か?』
『...愛人とは違う、仲間だ!』
『くくっ...』
『何がおかしい?』
『お前、面白い...よしその眼差しに引かれた。『時間』変えそうではないか、だが死ぬ定めは変えられやしない...良いな?』
『元いた時間に返してもらえるのは有難いが...その前にお前は一体何を考えていた?』


一番不信点と言えばこの発言に尽きる
突然元いた時間に返すとか、一体何を企んでいるんだ...?
彼は、腕を組み少しだけ視線を殺した


『何も考えちゃいない(棒読み)』
『...は?』
『考えるだけ無駄、結果なんてやりきってから出るものであって考える行為こそはアマチュアだ』


この人何言ってんだ...?


『あー、元いた時間返すからあとは頑張れや。』


説明面倒臭いからって丸投げ...!?
目の前が、強く光り出すーー


............


視界が、白から少しづつ薄れてきてまたあの風景に戻されたーー
今度こそ、戻されたみたいだね...
すると、洞窟の深部で何やら激しい騒音が響きわたるのが聞こえる


『な、なんだ...?』
 

そしてこの地響き、何が大きな魔物の様な強くて鈍い音が響きわたる
なっ、なんだこの...音...?
今までの非じゃない音だ...なんでこの洞窟にそんな魔物が潜んでるんだ...?
すると、いきなり音が止まり静まり返る
そして、フリーダムは凍りついた...強い視線が背中を突き刺す
恐る恐る後ろを振り返るとーー
今までの非じゃないクラスのデカさを誇る魔物がフリーダムを見下ろしていた


じょ、冗談じゃないよね...?
あんな巨人レベルの魔物をどう戦えば..?


すると、いきなり魔物は手でフリーダムをなぎ払らった
べきべきと音をたてながら壁に向かって強くて叩き込められた


な、なんだ...今の一撃...?
重過ぎて、速い...そして痛い...
骨が何本か...折れたのかな...?
体が動かせないーー


フリーダムは、意識すら飛びかけた時だったーー
誰かの声が聞こえ始める、しかもかなり聞き覚えがある声だ
だけど、ごめん...目の前が真っ暗だ...


『フリーダム...!?』
『ライナ...?』


この気配は...フリーダムだ。
だけど変だ...魔力が消えつつある...


『ライナ危ない!』 


ライナは、ギリギリのところで敵からの攻撃をかわす


『大した自信ですね...刃すら持たないのによく足掻きますね』
『くっ...!』
『ライナ...この気配は...』
『うん、アリス...フリーダムが帰って来たけど...』
『このままじゃ、死ぬぞアイツ...!』
『ミミは...魔力尽きて使えない。』
『だからといってこいつを目を離したら...やばい』


謎の男が、少女達を襲う...
見たこともない剣技で、圧倒し続ける
逃げるの事さえ愚かな状態だーー


意識が遠のく中で、フリーダムは光りが射さないよくわからない場所を歩いてる
その道筋には、自分の過去を示すようなログ的な物が流れてる
しかし、その道筋の先にいたのは...過去の自分自身の姿だったーー





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