Re異世界転生から始まる良世界攻略

双葉エレン

記憶が蘇る二人

朝日が差し込まない、こういった世界はどうだろうか?
暗い、常闇、暗闇……そういった類だろう
だけど、少しだけ違うとすれば……街明かりや賑わいで夜を感じさせないそう、今まさにそのような感じだ
「変わったな……あんな感じじゃなかったんだけどな……」
やはりスズの言葉が重くのしかかる、それだけじゃない切なさがとてつもなく感じ取れる
私は、何を見てる?街が変わり果てた……ただそれだけしか思えないけど……何かの違和感ばかりが心に突き刺さる
すると、なにやらこちらに気づいた人物がこっちに向かって歩いてくる。
「あんた何もんだ?」
「俺達?ただの民族さ、影の民族って奴さ。分かるだろ?」
「影の……民族!?そうか……お前らがここを奪った奴らか!」
「なっ、でめぇ!何しやがる!」
「お前達が何の目的で、この都市を奪ったのかは知らないけどな。私達の居場所を返してもらうぞ!」
二人は止めに入るが、流石に無理がある
こうなったら最後、止める人なんて誰もいないって思っていた
どっからともなく声が響く、そしてスズの右腕を掴んだ
「お前は!」
「貴様は、やはり特攻系か……そのせいで何度かやられたがこの身に刻まれてる」
「なんだこのオッサン!邪魔だど……け……?」
睨みつけただけで、影の民族の胴体一部を吹き飛ばした
「お前は黙ってろ。」
「ひぃぃぃっ……!」
アヤはこの巨体と削ぎ合わない力を見て口が動かなかった
そしてこちらに気づき少し驚いたかの表情で話す
「貴様……その目、その剣、私を倒したあ奴の……娘か?」
「そうだ、なんであんたが生きてる?あの時殺したはずだ……アレクサンダー!」
アレクサンダーってあの最凶の能力使いで全てを領土に収めていた……人物!?
生で初めて見る、確か……倒されたって聞いていたけど……
「私にもそれが良くわからん。たしかにあれだけの致命傷を受けたが……誰かに呼ばれてここに居る」
「誰かに?」
「あぁ、確かにだ……役目だか使命果たせってこの私に命令などするとはな。」
「ねぇ?貴方が誰に殺されたのかは知らないけど……なんで私たちの前に現れたの?」
「お前は……知らないのか?私を止めようとして殺したのはお前の父親だ。お前達の前に現れた理由は……そこにいる娘……お前に用がある」
指を指した方角は望希だった
推測すると、違う世界で死んだ人はこっちに来ると不死能力として生まれ変わる
つまり、何で死んだかにもよる……タイプとしては空翔は守って死んだ場合は、守護能力が追加されるっと言った具合に変化する……
ただこの子、望希に関してはまだ良くわからない
「アレクサンダー……お前何を企んでる?」
「貴様はこの街を見てなんにも感じないのか?」
「へぇ、あんたに感情ってのがあるのか?」
「あるもないも、貴様には関係ない話だ。さて、娘どうやって死んだか教えろ」
「わ、私は……」
脳内が駆け巡る記憶、砂嵐しか見えない映像に……一部だけ違うのが見える
「えっ……?」
それは……自分が何で死んだかの記憶だった
普通は消えてもおかしくないはずなのに……こんな生々しく残ってる……
「うっ……!わ、私は……殺されたんだ……!」
「何だって……?」
「あの……男に……押し飛ばされて轢かれたんだ!」
「ふむ、だとすれば……あ奴の逆か……守護能力ではなく反逆能力、すべてを無に返すくらいの力を持つ。あ奴の以上の力か。」
「アレクサンダー……ジャッチしてる暇なんてないぞ……」
体中から黒いオーラが放たれて二本の剣を作り出す
衝撃波がいきなり飛ばされて躱す3人
負の感情が爆発してしまい、誰も手を出すことは出来ない
すると、何処からか声が響くーー
「待ってたぜ!手応えを感じるヤツ!」
空を見上げると、鎖が何本か繋がれた男の姿が映る
するとアヤが激しい頭痛に襲われた
記憶が呼び覚まされるように蘇ってくるーー
体をスズに支えてもらいながら呟いた
「淵の罪人……アーガス!」
「淵の罪人……?」
「淵の罪人は、とてつもなく大犯罪を起こしたやつが入る監獄だ。なぜこのような奴が……ここに居るんだ?」
するとアーガスが突っ込んでいく、すると二人の衝突音と爆風が吹き荒れた
「へぇ!今の一撃で消し飛ばねぇのか!面白い……マジでおもしれぇなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
一つ一つの一撃が早くそして衝突音が鳴り響く
だがアヤは、とんでもないことに気づく
「二人を止めなきゃ……」
「な、あれに突っ込むのはむちゃくちゃだぜ!」
「多分、これがやつの計画だとすれば……今戦うべき敵は違う。教祖アルツィブの世界崩壊計画」
「バカを言うな娘!そんな話は……滅んだはずだ」
確かにそのとおりだ、でもおかしな点があって
それは……星屑ホシチアが採掘されていた事
そして魔界を崩壊、北国の雪を溶かし砂漠化、そして今ある……都市の常闇と淵の大罪の戦闘
これら全て百年前の予言書に書かれていた
つまりこ流れで行けば……二人の命どころが世界が危ない
「どうする?」
「ヴィヴィ……大丈夫、まだ時間は間に合う」
「それで私達はどうすれば……?」
「あの馬鹿教祖が来る前に動くしかないわ……」
作戦を考え始める、その光景をアレクサンダーがじーっと眺めていた
「似てるだろ?あいつら二人の顔にさ……」
「ふん、まさか奴が消えてしまったとか信じ難いが……まぁ見れたものがあったからいいとしようか」
そして、アヤが考えた作戦内容は……
教祖の動きを観察、これはアレクサンダーが適任
次に、もしのことを考えれば戦力が必要……これはアイとスズに任せるしかない
すると、私たち2人は眺めるか止めるかの二つだ
「アクターズ作戦開始!」
「なぁ、なんだ……そのアクターズってキャッチフレーズ的な奴は?」
「えへへっ、一度言ってみたかっただけ。」
「悪くないと思う……」
そして各地は動き出す、その時をーー


「貴様が教祖のアルツィブか?」
「ふふふっ……そのとおりぃですぅが?」
「悪いが消えてもらう!」
「ふふふっ……アハハハハハハ!!」
「何がおかしい?この状況で笑ってられるほど甘くないぞ!」
「死ぬのはおまぇなのに、良くやりますぅよねぇ!」
銃声や斬撃音が鳴り響くが、かつて無い力の前に誰もが生きていないーー
ただただその男は、返り血や手についた血を舐めて嘲笑うかのように死体を見下しているーー















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