Re異世界転生から始まる良世界攻略

双葉エレン

#000,5スピンオフor十百香

夏、私達はまだ力を取り戻せた訳では無いーー
あの時、あの場所、私がまだ未熟だったから失った
姿かたちを見せて欲しいーー
願いは、数年後に叶うとは思わなかった
そんな私、魔力をほぼ失って使えないけど
こんな日々がすぎる時間だけがなんだが長くてーー


私、黒羽十百香中学3年
あの日から一年くらい過ぎたけど結局変わらない
魔力は、回復しきれてない……まだこれからだよね?
「なにしてんの?」
「ひゅあぁぁ!?」
振り向けば私の親友の古崎透子が抱きつく
まぁ、いつものことなんだけどね……肘を顔に当てるのが日課かな?
「痛いよ!朝から肘を……」
「ふふふ、抱きつく方が悪いんですよ」
こんなやりとりをして数ヵ月後のある日ーー
「あれ……?」
いつもならいるはずの透子が現れない
不自然とおかしいが重なり合ったので興味本位に自宅まで行く
「透子ーー?」
シーンとしてる……家に誰もいないのかな?
玄関まで行きドアに手をかける
「空いてる……?」
扉を開けて中に入ると
血が引きずられた跡か残っており何者かが荒らされたような感じが目に映るーー
「なに……?何が起きたの……これって」
床に落ちてたのはおそろいのキーホルダー……それを拾い上げた先に見てしまった
「透子の……両親っ……?」
見る形もなかったがあえて床に寝かせて布団をかぶせる
自分は不思議と思った、人が死んでるのに何故落ち着いてるのかと
「透子ちゃんを……探さなきゃ!」
1階を全て探したがやはり見つからないとなれば
薄暗い階段の先の部屋を目指すしかない……
薄暗い階段を1歩ずつ上っていき部屋の前にたどり着く
「透子ちゃん……居るの?」
ガタガタ部屋かな物音がするーー
慌てて部屋のドアを開けると、なにかに襲われてる透子ーー
「何……あの魔物は!?」
今まで見たことがない種類、だが今の十百香では太刀打ちができない
戦うか戦わないかの選択を問われた時窓から声がした
「十百香、ねぇちゃんを待たせるなよ!」
窓ガラスを吹き飛ばし風圧が部屋に入るーー
「やっと見つけたぜ……まさか人間を襲っていたとはな」
「お前らふたり早すぎなんだよ!このかっこいい僕を置いて何事だよ!?」
2人は呆れた顔を浮かべて話を戻す
「おねぇちゃん……何でここに?そして龍太郎さんも……」
「一人忘れてるぞ!」
2人は完全に無視状態で話を続ける
「そこにいる魔物は、どうやら化学出できた人型魔獣だ」
「下手すれば、民間人に被害が及ぶってさっき来たんだが遅かったが……俺達が相手になる」
腕を鳴らして、魔獣の頬にパンチを入れて外にはじき飛ばす
龍太郎は、窓から飛び降りて走り出しその後を慌てながら走る男性ーー
「うっ……私……?」
目を覚ました透子……傷は多少あるが回復魔法で直していく
「はっ……お父さん達は!?」
「悪いけど……」
その言葉の重みを知った透子は泣いてしまうーー
「なくんじゃないお前が守れて誇らしく死んだ父に申し訳ないだろ!」
「だっ……だってぇぇ!」
すると目を尖らせて怒鳴る
「だからなくなって言ってるだろ!死んでいった人達は泣いても報われないんだそれくらい分かれ!」
ぎょっと驚く十百香、何時もなら怒鳴らないで済ませるのに今日は一段と厳しいーー
「……うん」
泣くのをやめたが、なぜか不自然な感じがするーー
「十百香に慰めてもらうもん!」
「なっ!?」
飛びついて離れようとしない透子ーー
離れさせようと必死に引っ張る姉紗理奈
その事件から季節が変わり秋の時突然のお別れ
理由は、両親をなくしたのと親戚に引き取られるとの事
そして今日が最後となる登校と帰校ーー
「おはよ十百香ーー」
いつもどうりに接してくる……気持ちと反転してしまいそうだ
「うん……」
さみしそうな表情を見た透子はチョップを頭に入れる
「いたい!?」
「笑ってもらえなきゃ私自身が引いてしまうよ」
「えっ……それどうゆう意味?」
「さぁー何でしょうね?捕まえてごらん十百香!」
学校に向かって走り出す透子の背中を見て
悲しむんじゃなくて進まなきゃって思ったーー
「まってよ!」
「へへん捕まるかよ!」
こうして彼女を送り出すことが出来た
あれからもう会わなくて一年以上立たったのをまだ実感してないけどーー
またどこか出会えるよねーー?

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