魔法の世界で、砲が轟く
第五十二話 新型戦車Z5
皆が譲の死から乗り越えようとしていたとき、兵器敞から連絡が入った。
ついに次期戦車ができあがったとの報告であった。真一やグデーリアン達はさっそく兵器の試験テストを行うベラリン郊外の兵器試験場へと向かう。
そこには四号戦車とパンターを足して2で割ったような戦車があった。
砲塔は四号戦車の砲塔を一回り大きくしたような砲塔があり、75㎜砲が突き出している。 車体はパンターに近い形で若干後部が広くなっているような形だ。
「大きい!」
今までZ4戦車のような小さいサイズの戦車を使ってきたジーマン軍の将官達にとってはそれは怪物のような戦車と言えたであろう。四号戦車を見たときでさえ、大きいとといった人達だ。当然の反応と言えた。
戦車の性能に関する資料が配られ、簡単な新型戦車の説明が始まった。
「こちらの戦車は真一度の達から提供されたスペックと同性能の戦車として開発設計を行いました。詳しくはお手元の資料をご参照ください。エンジンに関しては馬力が今までの物よりも強力な物が求められたので、新たな物を設計いたしました。開発期間が短く、エンジン自体が大きくなってしましましたが、今後の改良に合わせて小型化を試みていきたいと思っております」
設計陣の代表者が簡単な戦車の説明を行う。
「ここまでで何か質問はありますか?」
すると一人のジーマン軍の将官が手を上げた。
襟元には少将を示す階級章と補給科を示す弾が交差した紋章が見える。
「ではそこの方」
「はい。私は統合司令部の陸軍補給科の科長を務めますロストと申します。この戦車に関してですが、従来の戦車とエンジンが異なるとのことでしたが、部品に関しては互換性があるのでしょうか? また整備の仕方などに大きな変化はありますか?」
彼の所属するジーマン陸軍の補給科は、その名の通り補給をするだけの部隊ではない。補給から物資の輸送経路、整備など軍隊の縁の下の力持ちの存在であった。ゆえにそのトップには優秀な人間が据えられることが多く、過去には多くの将軍を排出している。ロストも将来を有望視される人物の一人であった。
「はい。互換性はありますが、何せ、従来よりかなり大馬力のエンジンにせねばならなかったので、新規の部品も多く導入しました。なので、整備マニュアルなどを作って配布いたしますので、詳細はそちらをご覧ください。また整備の仕方は大きくは変わっておりません。従来の物と大体は一緒と考えていただいて結構です。ただ、先ほど申しましたとおり、新しい部品もありますのでそこに関しては少し変わっております」
「分かりました。ありがとうございます」
「他には?」
そう言っていくつかの質問に順々に答えていった。
大きく言えば、従来の戦車から何が変わっているのかという点の疑問点が大きく寄せられた。この問題は真一隊が開発の段階で指示を出しており、従来の物から無理して設計を変えたりはしないようにと伝えてあったために大きな問題は無く終わった。
そしてついに戦車の実際の試験テストが始まった。
といっても今回の戦車は現場での一刻も早い運用が求められたために、試験もほとんど兵器敞で終わらせてあり、実質は軍の高官に戦車の能力を見せるパフォーマンスの要素が大きかった。
その開発に一役買ったのが、四号戦車であったりする。実は開発期間があまりにも短く、悩んだ兵器敞の方が真一達に頼んで、四号戦車を調査させてもらったのだ。そのために砲頭部などは今までに無いほど大きな砲塔を積んだためにかなり四号戦車が意識されて作られている。
まず、砲撃の試験だ。
60ミリの鉄板を用意し、傾斜を30度つけて砲撃を行っていく。
結果は2000mから打ち抜くという極めて優秀な結果であった。
続いて走行試験であるが、これはエンジンが新型のせいでかなり心配されていたが、整備しやすいようにと大きめに作ったエンジンが予想以上に冷却機能が効き、焼き付けなどの心配も無く快調であった。
また装甲に関しても敵の主要な攻撃魔法の電撃魔法や火炎魔法は、前面装甲に関しては特に被害を与えることはなく、側面や後部装甲では角度によって貫通することが確認された。また、従来の戦車よりエンジン部が大型化していることから魔法による被弾炎上の可能性が高くなり、これの対策が講じられる必要性があると判断された。
しかし、全体的な性能は従来の物よりも格段に上がっており、戦果が期待される。
これらの試験の結果からこの戦車は、即決で量産が決定しすぐに生産ラインが稼働した。
こうしてジーマン軍は新たな牙を手に入れたのであった。
「真一、新しい戦車は成功だったな!」
守が真一に嬉しそうに話しかける。
「ああ。これでジーマンは新たな戦車を手に入れた。これで俺たちの部隊への重圧も減らすことができる」
これらの戦車は真一達の部隊の配備する四号戦車と同じかむしろ優秀な性能と言えた。ゆえにこれらを指揮する将官や運用する戦車兵さえ育てば、ジーマンは真一達にのみ頼らずにすむことになる。これは同時に真一達への負担の軽減にも繋がることであった。
こうして完成した戦車はZ5戦車と名付けられ、国内に大々的な発表を行った。
この戦車を手に入れた陸軍は、いよいよ魔王領に攻め込まんと従来から考えられていた侵攻作戦をさらに改良し、戦車を利用した新たな侵攻作戦を立て始める。
ついにジーマンと魔国との戦争は、いよいよ中盤戦へと入ろうとしていた。
ついに次期戦車ができあがったとの報告であった。真一やグデーリアン達はさっそく兵器の試験テストを行うベラリン郊外の兵器試験場へと向かう。
そこには四号戦車とパンターを足して2で割ったような戦車があった。
砲塔は四号戦車の砲塔を一回り大きくしたような砲塔があり、75㎜砲が突き出している。 車体はパンターに近い形で若干後部が広くなっているような形だ。
「大きい!」
今までZ4戦車のような小さいサイズの戦車を使ってきたジーマン軍の将官達にとってはそれは怪物のような戦車と言えたであろう。四号戦車を見たときでさえ、大きいとといった人達だ。当然の反応と言えた。
戦車の性能に関する資料が配られ、簡単な新型戦車の説明が始まった。
「こちらの戦車は真一度の達から提供されたスペックと同性能の戦車として開発設計を行いました。詳しくはお手元の資料をご参照ください。エンジンに関しては馬力が今までの物よりも強力な物が求められたので、新たな物を設計いたしました。開発期間が短く、エンジン自体が大きくなってしましましたが、今後の改良に合わせて小型化を試みていきたいと思っております」
設計陣の代表者が簡単な戦車の説明を行う。
「ここまでで何か質問はありますか?」
すると一人のジーマン軍の将官が手を上げた。
襟元には少将を示す階級章と補給科を示す弾が交差した紋章が見える。
「ではそこの方」
「はい。私は統合司令部の陸軍補給科の科長を務めますロストと申します。この戦車に関してですが、従来の戦車とエンジンが異なるとのことでしたが、部品に関しては互換性があるのでしょうか? また整備の仕方などに大きな変化はありますか?」
彼の所属するジーマン陸軍の補給科は、その名の通り補給をするだけの部隊ではない。補給から物資の輸送経路、整備など軍隊の縁の下の力持ちの存在であった。ゆえにそのトップには優秀な人間が据えられることが多く、過去には多くの将軍を排出している。ロストも将来を有望視される人物の一人であった。
「はい。互換性はありますが、何せ、従来よりかなり大馬力のエンジンにせねばならなかったので、新規の部品も多く導入しました。なので、整備マニュアルなどを作って配布いたしますので、詳細はそちらをご覧ください。また整備の仕方は大きくは変わっておりません。従来の物と大体は一緒と考えていただいて結構です。ただ、先ほど申しましたとおり、新しい部品もありますのでそこに関しては少し変わっております」
「分かりました。ありがとうございます」
「他には?」
そう言っていくつかの質問に順々に答えていった。
大きく言えば、従来の戦車から何が変わっているのかという点の疑問点が大きく寄せられた。この問題は真一隊が開発の段階で指示を出しており、従来の物から無理して設計を変えたりはしないようにと伝えてあったために大きな問題は無く終わった。
そしてついに戦車の実際の試験テストが始まった。
といっても今回の戦車は現場での一刻も早い運用が求められたために、試験もほとんど兵器敞で終わらせてあり、実質は軍の高官に戦車の能力を見せるパフォーマンスの要素が大きかった。
その開発に一役買ったのが、四号戦車であったりする。実は開発期間があまりにも短く、悩んだ兵器敞の方が真一達に頼んで、四号戦車を調査させてもらったのだ。そのために砲頭部などは今までに無いほど大きな砲塔を積んだためにかなり四号戦車が意識されて作られている。
まず、砲撃の試験だ。
60ミリの鉄板を用意し、傾斜を30度つけて砲撃を行っていく。
結果は2000mから打ち抜くという極めて優秀な結果であった。
続いて走行試験であるが、これはエンジンが新型のせいでかなり心配されていたが、整備しやすいようにと大きめに作ったエンジンが予想以上に冷却機能が効き、焼き付けなどの心配も無く快調であった。
また装甲に関しても敵の主要な攻撃魔法の電撃魔法や火炎魔法は、前面装甲に関しては特に被害を与えることはなく、側面や後部装甲では角度によって貫通することが確認された。また、従来の戦車よりエンジン部が大型化していることから魔法による被弾炎上の可能性が高くなり、これの対策が講じられる必要性があると判断された。
しかし、全体的な性能は従来の物よりも格段に上がっており、戦果が期待される。
これらの試験の結果からこの戦車は、即決で量産が決定しすぐに生産ラインが稼働した。
こうしてジーマン軍は新たな牙を手に入れたのであった。
「真一、新しい戦車は成功だったな!」
守が真一に嬉しそうに話しかける。
「ああ。これでジーマンは新たな戦車を手に入れた。これで俺たちの部隊への重圧も減らすことができる」
これらの戦車は真一達の部隊の配備する四号戦車と同じかむしろ優秀な性能と言えた。ゆえにこれらを指揮する将官や運用する戦車兵さえ育てば、ジーマンは真一達にのみ頼らずにすむことになる。これは同時に真一達への負担の軽減にも繋がることであった。
こうして完成した戦車はZ5戦車と名付けられ、国内に大々的な発表を行った。
この戦車を手に入れた陸軍は、いよいよ魔王領に攻め込まんと従来から考えられていた侵攻作戦をさらに改良し、戦車を利用した新たな侵攻作戦を立て始める。
ついにジーマンと魔国との戦争は、いよいよ中盤戦へと入ろうとしていた。
コメント