紫陽花の咲く庭で

ラテリ

秀才だとわからない問題-1-

筋肉祭が終わった。
残念だけど、
切くんは仁くんに負けちゃった。
来年は・・・って言ってたけど、
私はきっといない。
苦笑いしか出来なかった。
そんな顔見て、切くん、
どう思ったのかな。

「準備、始めるよ!」

そんなことを考えながら、
部室で読書してると、
彩がバンッって扉を開けて入ってきた。
真紀ちゃんもびっくりしてる。

「え?準備ってなんの?」
「星祭りの」

あ。そっか。そんな時季か。
この間、筋肉祭だと思ったらもう。
早いなぁ。

「星祭りって何ですか?」
「文化祭みたいなものだよ」

真紀ちゃんは初めて。

「そうですか・・・」

あ、めんどくさそうな顔してる。

「でも、早くない?
まだ、学年の出し物も
決まってないし・・・」

真紀ちゃんが知らなかったってことは、
1年生には説明もされてない
ってことになる。

「まだ、そんな話も出てないです」
「2年生も!」
「2人とも甘い!」

バンッと机を叩く彩。
机の上に持ってたプリントを広げる。

「なに?それ?」
「カレンダー。いい?いまがここ。
で、星祭りがここ」

日付を指さして説明する彩。
それを見る私と真紀ちゃん。

「文芸部としての出し物と
学年ごとの出し物。
2つ準備する必要があるわけ」
「そうだね」
「学年ごとはすぐ動くのが難しいとして、
文芸部は3人。今日からでも動ける!」

たしかに、彩がやるよって
言えばすぐ動ける。ゆるーい部活動だし。

「この辺りから学年の出し物の準備が
本格的に始まるって考えると、
今日からでも早くないはず!」

彩がカレンダーの日付をなぞりながら
力説してる。でも、彩の言うとおり、
そろそろ動き出さないとまずそう。

「・・・それで、
文芸部は何するんですか?」
「部誌を出すよ。
読書感想文やオススメ本を
紹介する内容の。
普段の活動を何らかの形で
発表しないといけないから」
「運動部は筋肉祭で、
文化部は星祭りで
やるんだよ。真紀ちゃん」

去年もそうだった。で、直前に
すごいバタバタした気がする。

「去年は・・・厳しかったんだっけ?」
「そう。当日の朝に完成した・・・」

ああ!そうだった。朝、3年生の
先輩たちとホキチスカチャカチャ
したんだった。

「去年はあたしも必死で
時間気にしてなくて
ああなったけど、今年は
余裕もっていくよ!」

2年生の文芸部部員が
いなかったのもあって、
初めての星祭りだった私たちは
3年生についていくしかなくて。
ちょっと、動くのが遅かったかなぁって。
でも、今年は彩が仕切ってくれるから、
去年の再来はなさそう。
頭も要領もいいし。

「と、いう訳だから、読書感想文1つと
オススメ本紹介1つ、書いてね!」

そう言いながら、席につく彩。

「あ、締め切りはこの辺で!」
「はーい」

どうしようかな。今読んでる本で
まとめちゃおうかな。

「・・・前から疑問だったんですが」
「なにが?真紀ちゃん」
「彩先輩ってすごく頭いいですよね」

うむ。テストは100点が当たり前。
2年生のまとめ役で信頼度も高い。

「それがどうかした?」

彩は椅子に寄りかかりながら
真紀ちゃんを見る。鼻にシャーペンを
乗っけてるから作家に見える。

「いえ・・・
どうしてこの学校にいるのかなって。
この学校って、不登校とか、
勉強遅れがちな人が
多いので・・・私含めて」
「私も遅れてる!すごく!」

なんで来たかは知ってるけど。
それは私が話すことじゃない・・・。

「まぁ、たしかにそう思うよね。
聞きたいなら話すけど」
「知りたいです」

珍しく詮索する真紀ちゃん。
彩も別にいいんだ・・・って、そんな
隠すような話じゃないか。

「じゃ、はなそっか。あたしが
この学校に来た理由」

彩は早速、話し始めた。

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