とある能力者と無力者の消失記憶

双葉エレン

第6話謎の声

晴れて新学期が幕を開けた訳だが...
どう言うことなのか、自分自身よく分からない状態に直面していた
何と教室の半分以上席ががら空きな状態だ
背後に隠れて先生に当てられない様に隠れる所が丸見えなのである
「はい、この問題をな...あー、寝たふりすんなよ...バレバレなんだからな」
「くそっ、俺のボッチ専用スキルが使えないなんて...あまりだ...」
「んな事言ってもな、在籍の半分以上は全てニートになっちまったんだからしょうがないだろ?」
「こんな、厳しい絵図らでよく言えるよ...」
「シュールもたまにいいだろ?」
画面が固定された気分だ...動かない
たしかに、全校生徒の半分以上は誰も出席してない
唯一、動けてる...いや出席してる人は...俺含めて5、6人だろう
シャープペンをくるくると回す空、その姿を隣にいる蜜柑が眺めていた
「ん?蜜柑、暇そうだな?」
「えっ?違います!」
「ふふふ、淡い青春か...だが授業には手を抜かないぞ...って事でこれ答えろ?」
なんて書いてるかわかんない数式だ
これは多分能力の数式?
そのよくわからない数式を普通にスラスラと書いていく蜜柑...
「はい、先生これでいいですか?」
「うん、だが...なんだ最後に書いてる字...?」
「アイス食べたいです」
「意味わかんねぇの書くなよ...」
ただの数字が無数に書いてるのにしか過ぎない字が...アイス食べたいだと?
チャイムが鳴り響いたのと同時に先生は教室を後にした
「なぁ、蜜柑...さっきの一体?」
「なんとなくかな?」
なんとなくで、あんな古い字を書くとか...
でもなんか引っかかるんだよな...あの字が...
考え始めていた空に、何処と無く声が聞こえた。
今君にしか出来ない...いや、君じゃなきゃ出来ない事があるーー
慌てて後ろを振り返ったが、誰もいなかった
「どうしたの?」
「いや、何でもない...」
さっきの声は...空耳だった割には...ちゃんとした声だったな...
結局この日は、何もわからず寮に帰った


部屋に入り、ただひたすら天井と同じ事を考えていた
「んー...?」
やっぱしわかんないな...、どう言うことなのか?
考えれば考える程、深くなっていく
すると、眼前に誰かの顔が見える
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?」
「やぁ、後輩くんげんきにしてたか?」
「健全なる男子の部屋に無断で入っていいと思ってんのかぁぁぁぁ!?」
「なに?美少女歓迎?照れるなおい!」
「何勘違いしちゃってんの!別に褒めてないからな!」
どうやら部屋の前で呼んでいたらしい
反応がないから、いろんな意味を含めた感じで部屋へ侵入したみたいだが...
顔つきが素でやばい...全く笑ってない
そして期待を裏切られたような目線が痛い
彩理沙先輩のあとを付いていくと...
ある部屋の前に立ち止まる
「さて、コンピューター室に何が隠されてるんだろうね?」
「おい、まさか犯罪をさせようとして無いだろうな?」
「ちっちっ、甘いねぇ後輩くんは名前のように空っぽかな?」
「あー、先輩にいじめられたー。僕明日から部屋にとじこもってやるー。そしていうんだ、先輩にいじめられたってー(棒読み)」
中立座りをした空に、そのまま下を向いた
彩理沙には弱点がある、それは...彼みたいな行動を起こすと...
「な、なんで泣いてるの?あー、悪かったから...後でなにかおごってあげるからね?だから泣かないでぇぇぇぇぇぇぇ!」
ちょろい、マジでこれに弱いのか...
なんでこんな素晴らしい手帳があるなんて...誰だこれを捨てたヤツ?
これは、昼休みの事だった
何もなく、特にすることもないからゴミ箱を眺めていた
なんか愛着が湧いたのと半分は...人にはいえない欲望だ
そして、三日目の朝...何黒いノートを見つける。
手に取り、中を開くとなにやらびっしり書かれた生徒の弱点が記載されていた
そして、タイトルが...黒歴史書と赤く書かれていた
いや、デ〇ノートを拾っちゃったよどうしようって思ったが違う意味のノートを拾った
訳だ...でもこれ先あれば...笑いが止まらない


「大丈夫ですよ...」
「そう、ならいいんだけど...さっ入りましょう」
コンピューター室、それはこよなく愛する空間だ
そして、機械音...有無悪くないな
あとはメインのパソコンーーー!
先輩が先に中に入ったが何故が足が止る
「あれ?」
「先輩、どうしたんですか?」
なんと、パソコンが一台だけしか無かった
予想外の出来事で二人は戸惑った
「し、調べるの...先にやってよ後輩くん?」
「なっ、俺にやらせるんですか?」
「こ、ここの入口を見張るから...」
とっさにパソコン室の外に出る彩理沙
コケた様だが相当動揺していたみたいだ
取り合えず、調べるだけ調べたーー
「んー...意味わかんねぇ...」
ページを飛び回る空、そしてあるページが目に付くーー
「ん?これって...ここの高校に纏わる歴史か?」
そのサイトにクリックした
すると、目を疑う情報がぎっしりと書かれていた...その中である能力で全校生徒がすべてやる気を消失させてることが判明ーー
さらに探ると、約一年前...ある生徒の能力が爆発的に目覚めて制御が効かなくなった
その為に、生徒達の気力...つまりやる気とか言う目に見えない心理的な力を抜き取りその能力者に与えることにより維持されてきた
って一体どうゆう意味だ?
「後輩くん?」
「先輩...とんでもない情報見ちゃった。」
空が見てるサイトの文章を眺めながら呟く
「...この高校に纏わる話、なるほど道理で一年前の生徒が辞めていったり転校したり、ニートになったりしたのか...これは特大ネタだね。」
そして最後に書かれていたロゴマークが目に留まる
このロゴは、国が指定するマークだ
「なるほど、国の機密情報だね...バレたら確かにやばそうだね」
無言で席を立ち上がり、コンピューター室を出ようとした
「待つんだ、まさかだけど...止めるのか?」
「校内に貼り回られたその機材を、破壊すれば...奴は出てくる」
「は、破壊するってどこにあるか分かんないよね?だとしたらーー」
彩理沙の口を手で鬱ぐ
そして、空はある事をつぶやく
それを聞いた彩理沙も頷いた
ある秘策を考えていた空、それは一体...?

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