ナイツオブソードオンライン

双葉エレン

第72話《夢の世界》

記憶の破片、詰まり記憶が結晶化して砕け散った証拠ーーー


ジャッチマスターが、『足りてない』っと口にした理由が分かった。
奴は、《魔石》として俺達に奪われた《記憶の破片》を取り返して本来の記憶を呼び覚まそうとしている。
だが、まだ決定的な理由がまだ分からないーーー


なんの為に《記憶の破片》を集めて記憶を呼び起こそうとしてるのか...そこの部分だけが断罪的にも分からない。
顎に手を添え考え始める、その辺を歩き回る、地面にねっ転び転がる、最終的には頭を地面に付けて腕を組みながらのブリッチする。


そして、目を開き叫ぶーー


『わかんねぇよーー!!』


逆さ視界で、シャルネットを視界に捉える。レクトは、そんな体制のまま力なく話す


『謎解きは...ゲームに必要ない』
『謎解きがなきゃ、ゲーム的におかしくならない?これ一応、RPGでしょ...それ消したらただのアクションゲーになり落ちるだけよ』
『それだと、ス〇ブラ見たくなるのか...。んー、格ゲーか...コマンドめんどうだな』
『わがままにしか聞こえない...』


そんな会話をしていると、レクトの索敵スキルが発動する。思わずびっくりして、頭をスライドしながらゆっくりと地面に背をつける。
ゆっくりと起き上がり、敵の人数を確認するーーー



一人?いや、2人、3人...5人か?


レクトは、取り敢えず身が隠れそうな大木に身を潜める。
ガチャガチャっと鉄鎧を鳴らす兵士が、一人の少年を捉えてる姿が視界に入る。オレンジ色の髪をしており、水色の上下を着こなした服装をしていた人物を捉えた。


そして、最後に、赤い短髪の髪の毛で黒い鉄鎧をして黒いマントを靡かせなかせる少女がその兵士の後を付いていくのも見えた。



この世界では、そんな仕様なんて聞いたこともない。とゆうか、拘束するNPCなんて居るはずがない。
この1連の出来事に、レクトは険しい顔つきを浮かべ始める。


何にしても、おかしなものだな
帝国戦記には、追尾で体験ができる
が...これはもはや『体験』ではなく『その後』の『追加体験』みたいなものだな。
普通なら、都市が滅んでない状態から始まるだろ...。何で、滅んだ状態で記憶を失くした人種が俺達が住むダークエルフ領に居たのか...《エクストラクエスト》だとしても、余りにも偶然すぎる。


微かな違和感を抱かせる
レクトは、ひとまずログアウトをする事をシャルネットに伝えて、ウィンドウを開きログアウトボタンをタップする。


視界に映るのは、薄暗い自分の部屋
時計は、午前2時30分を示すーー


頭からメガネ型ギアを取り外し、窓のカーテンを閉め、部屋の電気をつける
スマホを手に取り、画面を打つ
メール項目をタップし、送信相手をセレクト、梨紗を選択しタップして、メール文を打ち、送信する。


ベットから足を下ろし、何気に台所を行き、冷蔵庫を開く
レモン炭酸だけがストックされてる。
呆れながらも、レモン炭酸を手に取り
コップを用意し、そそぎ込む。
たが、これで終わりではない。
そこに、スプーンを用意し、砂糖を適量入れてかき混ぜる。


そう、これは列記とした『サイダー』又の名は『ラムネ』の製法
砂糖が多すぎると、甘すぎてしまうし、逆に少なすぎると、味がしない。
この絶妙加減が、中々難しいのだ
それと、知識として言えば...
ラムネとサイダーの違いは、名前だけで同じ飲み物だそうです。


座学はこれぐらいにしといて...と。


梨紗から返信が来たようだ、スマホの画面を打ち、メールボックスをタップして内容を確認する。


どうやら、異変感を抱いていた様だ
こんな都合よく、行けるはずもない下側の世界に簡単に踏み入れた、普通なら何らかのトリッガーがあるはずだ。
それが、今回は...ジャッチマスターの力で普段は2層へ通じる場所が異空間を介して下側の世界デスヘル高原に通じた訳だ。
そして、もう一つが《人種》が存在している事だ。
この世界では、妖精しか居ない。
それ以外の種は、本来なら該当はしない。いくら独自イベを作ることが出来るとしても、種を作る事なんて出来ない。
二つが、《追尾体験》が《その後追尾体験》っと変わっている事だ。
もはや、趣旨がかわってしまっている
運営が変えたのか、もしくは誰がそうしたのか...推測がたえない。


最後に、《記憶の破片》だ。
恐らく推測だが、これはジャッチマスターの記憶の破片だと思われる。
戦闘技術、失った都市の記憶など何個かに分かれてるに違いないだろう。


全てが蘇りし時、何が起きる...?っと思わないわけには行かない。
しばし考え、そして、ある結論に至る


今考えてもどうしようもないか、明日から頑張るか。


生あくびをしつつ、ベットに横たわり
照明電気を消して眠りにつく。


ねぇーー


誰からの呼びかけが響く


聞こえてるーー?


その呼び掛けに、瞼を開くーー


『えっ?』っと声が先に口から出た
何故ならば、空斗の視界に映るのはーーとある民家と大きな神樹が視界に映っていた。
そして、目の前に幼い赤い髪をした少女が現れて言う


『呼んでいたのに、無視はないよ?』
なんの事かさえよく分からない
ただ、妙なことに自身の視線の高さがあまりにも低い事に気付く。
少女はしかめっ面で『なんか言い返したらどうなのよ?』っと強めの口調で言ってくる。取り敢えず、空斗は『君、俺を知ってるのか...?』っと口にして見た。


すると、少女は当然とした口調で
『知ってるよ?レクトーーでしょ?』っと答えた。
そして、不思議そうな眼差しをしながら『私の...名前分かる...?』っと言ってくる。
変な気分だった、何故俺を知って、何故俺はーー彼女の名を知らないのかーーー。
だから、俺はこういった
『君は誰なんだ?』っとーー。
すると、赤い髪少女は呆れんばかりに
『名前を忘れるって...ぼけてるの?』っと言われてしまう。
当然、ボケてる訳じゃない...列記として正真正銘分からないのだ。
赤い髪の少女は軽くため息をついて
『私は...エンジュよ』っと名を明かす
空斗は、聞いた事が無い名に...出す声が無いが、エンジュは空斗の腕を握り走り出す。つられて一緒に走るハメになる。


『何処に行くんだよ?』
『決まってるじゃない、いつもの場所よ』
『はぁ?わかんねぇよ』
『レクトの記憶がなくても、私の記憶には鮮明にあるんだからね』っと言われるがままに行くと...ある竹林に辿り着く。そして、エンジュは空洞がある大木の中に入り込む。
呆然と佇むレクトは、切り株に静かに座り込む。空を見あげれば、程よい日差しが差し込み、竹林は風に触れて囁く
時間が忘れそうな空間で、少女は太い空洞がある大木から出てくるがーー。


スカートが捲れ上がり、白いパンツが剥き出しだった。
エンジュは、気にもとめずにその体制のまま『なーにその目は...?』って嫌味たらしく言う。


さて、どうしたものか...どう伝えれば良いかっと悩む。
エンジュは、レクトの困る果てた顔つきだが、その視線をを辿ると...
ようやく気づいたのか、赤面に成り果てて、慌てて捲れたスカートを落として座りながら、鋭い眼差しで『見たでしょ?』っと赤面になりつつも冷静を保つエンジュに、レクトは苦笑い。


そんな顔に何かぶつけられ、後ろひっくり返り込む。物を手に取り『いてぇじゃねぇか!』っと叫ぶ。
エンジュは、『その手に持つ剣を早く抜きなさい』っと先程とは違う口調で言う。自身が握る物をよく見れば、一つの片手直剣、ブロードソードみたいな形で、柄を掴み引くと白銀の刃が姿を現す。手入れをしてないような輝きではないーー鏡のように所有者の顔を映し出す。


改めて実感する自身の顔が、幼い子の姿になっていた事...。
エンジュは、似た剣を手に取りゆっくりと立ち上がりながら『行くよ』っと後ろを振り向き竹林へと足を向ける
その背に付いていくレクト、周りは竹が生えて奥に次第に薄暗くなる。


『エンジュ』
『なによ?』
『今から何しに行くんだ...俺達?』
『決まってるじゃない、ある魔物を倒すためよ』
『ある魔物...?』


エンジュの足が止まり、後ろを振り向きレクトに向かって言う。


『忘れたの?私達の友達の...敵をとるためよ。名前はわからないけど、村の人達は...その魔物に怯えているのよ』


友達の敵をとるため...?っと疑惑が浮かぶ。自分の過去にそのような記憶はない、となれば...夢しか考えられない
すると、竹林がざわめくーーー
まるで何かを知らせるように、風が吹く。


そしてーー眼前に現れた獣1匹がその姿を現した。
空斗は思わず、獣の真横をちらっと見てしまう。すると、夢では絶対にないHPバーが出現、その上に《BLACKTIGER》っと浮かび上がる


どうゆう事だ...?夢なら、こんなものは出てこないはずだろ。
これじゃ、まるでーーーゲームの世界じゃないか。


動揺するレクト、それでもエンジュは落ち着いて言う


『レクト分かってるわよね?』
『分かってるも何も...無茶苦茶だよ!俺達の力じゃ歯が立たないぞ』
『なら、この場で逃げるの?』


その一言で、戸惑いつつも空斗は剣を抜き払う。冷や汗を流しながら『逃げる?バカを言うな...俺は君を置いてなんか逃げない!』っと言い放ち、エンジュの隣に立つ。エンジュも、剣を抜き降ろしながら『それでこそ、私が知るレクトだ』っとゆっくりと言う。


ブラックタイガーは、鋭い爪で連撃を振り降ろして来る。
体が小さい為、さほど威力高くない攻撃でも、当たれば一撃で死ぬだろう。
三回目の攻撃に、差し掛かった時に空斗は剣を思いっきり高く振り抜く。
ブラックタイガーは、弾き飛ばされ振り抜いた手を頭上より高く上がる。


『エンジュ今だ!』っと叫ぶ
エンジュは、刀身を黒く染め上げて
衝撃波と共に切り刻む、そして、空斗が高く飛び上がり兜割りする。
ブラックタイガーは吹き飛ばされ、竹林を転がる。


感触の浅さに、レクトは剣を振る
そして、実感する...自分が持つ剣より軽過ぎている事に気付く。


重さが足りないな...軽すぎて相手にダメージが期待出来ないな。


そう思っていたが、今の自分の姿を思い返せばこれぐらいの重さが丁度いいのだろう。レクトがそう思う反面、エンジュの剣技に違和感を感じていた。
さっきの衝撃波を飛ばすスキルは、紛れもなく自分がよく使うスキルで中距離と至近距離に向いている。
その性能を熟知しているのか、あの距離感で衝撃波と同時に斬撃を加えるスキルは自分の流派スキルに近さを感じられた。
エンジュは、軽くため息をついて
『逃げたのかな...?』っと呟く。


だが、レクトの索敵スキルだと反応がある。まだこの近くに一体居るっと画面内にあるMAPに記される。


『......』
『レクトどうしたの?』
『あ、いや、何でもない』
『そう?』
『うん...』


妙なことに、敵が示す赤い点がMAPの上に表示されるが、赤い点滅が消えたり、点いたりの繰り返しをしている。
普通なら消えたり、点いたりはしない
赤い点が動くだけだ...。異変に気づいて間もなくの事だ


視線を感じ取る、ゾワリと何かに背中を強く射抜かれたような感覚に晒され
レクトは、恐る恐る背後を振り向くとーーー。


四肢が筋肉質で、顔が狼みたいなモンスターが赤い二つの眼差しを光らせ、こちらを獲物を狩るような視線を飛ばしていた。
《KingWolf》っと名前が表示され、名前にカラー加工されていた。
名前にレットカラーが加工されており、適わない相手を意味していた
敵レベルが自分より高ければ高いほど名前に赤くなる様に、低ければ低いほど水色になる。


とてもない気迫の前に、レクトは冷や汗を滲ませた奥歯をこする
すると、エンジュは唐突にスキルをぶっぱなすーーー


『バカ!スキルを使うな!』っと言うレクトの声も儚く、エンジュはスキルカウンターを喰らい吹き飛ばされる。
レクトは舌打ちをして、剣を構える


スキルカウンター耐性がある...
迂闊に使えば、反射的にキャンセルされる。通常攻撃で...時間を稼いでエンジュを退避させるしかない。



キングウルフは、レクトに向かって突進。回避するレクトは、回転しながら膝裏を切りつける。切った部分は赤くなるが深みがないかすり傷みたいな小さい切り込み。
レクトは、唇を噛み締めて更に切りつける。だが、全然期待通りの切り込みが全く入らない。


駄目だ、こんな武器じゃ...適わない


そして、キングウルフからの連続攻撃を回避しする。


逃げ回るだけが限界か...っと視線をエンジュに向けるとーー
よろけながらも、エンジュは武器を構えてスキルフェクトを光らせる。


大丈夫よ、1度くらいの失敗で...
私は...敵を取るために来たんだからーー
エンジュはレクトの方を見る
かなり慌てた顔つきをしていた


いやよ、このまま、引き下がりたくはない。また、私だけが守られるなんて絶対に嫌だよーーー!!


それに反応するように、エンジュにターゲットカーソルが飛ぶーー


まずいーーあのバカ!!


レクトは、咄嗟に地面を蹴飛ばし走り出す。そして、エンジュに向かって振り落とされる長々とした爪の攻撃を背中に直撃し、庇いながらエンジュを抱き締めたまま地面を転がる。


画面が赤く点滅するレクト、エンジュは立ち上がり心配そうな顔つきで見下ろしながら話す。


『なんで庇ったのよ...?』
『殺すわけには行かなかった』
『どうして...?』
『俺は、何度も目の前で仲間を失った...だから、見殺しなんて出来ない』
『私また、守られた...何でよ?どうして...っ』


エンジュの目から二滴の雫が頬を伝わり落ちる。そして、レクトはエンジュの頭に手を伸ばして撫でる


『わりぃな...お前にまた抱え込ませて...』っと笑い顔をしながら言うと、エンジュは泣き崩れながら『やめてよっ...最後の会話みたいじゃ...ない...っ!』っと泣きながら言うーー。


どっからかアラーム音声が流れる
そして、理解するレクトは言う


『お別れだ...エンジュ』
『待ってよ...、ねぇ...っ。私を...置いてかないで...よ...』
『また会えるよ...きっとね...』
『やめてよ!そんな言葉をーーーっ』


手先から淡い光を放ちながら、自分が空高く消え去る...そんな気がした。眩く目の前が強い光に包まれるーーー


そして、次開けた時は...見覚えがある部屋の風景が目に飛び込んでくる。当然、何故か空斗の目から何故か涙の雫がベットの上に落ちた。
何故だろうか?悲しくはないのに涙が出る...

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