ナイツオブソードオンライン

双葉エレン

第69話《特定アイテム》

『貴様...何故戻ってこれた?』


ジャッチ・マスターの謎の問いかけに、レクトは疑問を抱く


距離からして、あのデスヘル高原からこの場所まで2,5キロある。
さほど距離はなく、歩けば大体30分か45分位だろう。そんな道筋を驚く程なのだろうか?っと疑問を持ちながらも、緩やかな声で答える


『そりや、歩いて来たんだ』
『歩いた...だと?寝ぼけてるのか、それとも死に際を見すぎておかしくなったのか?』
『なんでそーなる?歩いたんだ、真面目にな』
『あの道筋を簡単になど...有り得ぬ』


レクトは、口を尖らせながらシャルネットに話し始める


『ジャッチ・マスターって記憶すらやばくないっすか〜?』
『いいえ、十数年前から来たなら...納得するよ?』
『タイムマシンにジェット機付けて、異空間を爆走してこの時代に来って思えば納得できそう』
『それって、空間暴走族に匹敵するからやめてね?簡略的にそうゆう表現されると...なんて答えれば...』
『わかりやすく、簡潔に、それが、ポリシーだバカヤロー』
『なら、十年前にジャ〇アン一人で帝国軍に奮闘した映画版。友情の為なら今まで取り上げた玩具の原石まで採掘しに行くよ友のためなら死ぬ気で勇姿を見せてやる。ってやつに近いかな、サブタイトルが長いけど、アレはかっこよかった』
『えっ?それ、ド〇え〇んの映画の最新作のタイトル!?ふざけんなよ、俺は電撃文庫系のアニメしか見てねぇよ!』
シャルネットは、軽く溜息をつきながら言う


『ともかく、ジャッチ・マスターは...私と同様...初期に近いデータを元に動いてるってことがわかったでしょ?』


シャルネットや、ジャッチ・マスターの存在は...過去の人物。
データ的に、開発当初レベルだとすれば、今と異なるのは分かる。
ただ問題となるのは、更新されてない部分だ、何の意味合いがあってしてないのか...そこら辺は不明のままだ。


青年はスリープモードに切り替わり、白目向いたまま動かない
ジャッチ・マスターは、何かを探すように滅んだ街並みを歩き回る
レクトは石畳の壁に背をつけ、しばし考える。謎が多い点がある、一つ目は
ジャッチ・マスターの能力が一定以下のステータス、基本戦闘向けNPCはクエストを受けた人のレベルより二つか三つ高い。だから、基本ステータスは高めに設定されてるはずだが、今回はそれ以下だ。ソロで倒したとしても消して倒すことすら叶わないステータスだ。二つ目は、肉親の会話に食いついてくる。何ならかのキーワードを意味してるのか...、それとも、ただ思い出に浸ってるだけなのか?分からない部分だ。三つ目は...この死都に来た事だ
滅んだ場所になんの用があるのか?追尾体験だとすれば...ここで何らかかが明かされるに違いないだろう(推測)。


レクトは目をつぶり、頭を書きながら再び目を開けて呟く。


謎ばっかだな...脳裏が焼け焦げそうだ
とはいえ、それが解決すれば...報酬もそれなりなんだろうな...。


ジャッチ・マスターは、腕を組みながら『特定アイテムが足りないな。もう一度、出直して来るんだな』っと言ったので来た道を戻る流れになった。


再び、《デスヘル高原》に踏み入る
正気が枯れ果てた木を、レクトは背中にある青い剣を抜き取り軽く降る。
ズシンっと音を鳴らし、一つの大木が出来上がり、再び背中の鞘に収めて座る。


空を見上げつつ、アリス達はどうしてるのだろうかと思い考えるーー。


ナビゲーションでもあるシャルネットは、頭の髪の毛に戻ったまま出てこない。つまり、寝てしまっている。


はぁ...ログもないし、何してんだろうなーーー?


レクトがそう思い吹けている最中で、少女2名、アリスとアヤは...レクト達がいる《デスヘル高原》から北側にある街に訪れていた。


街頭区デッド・フォール
転移門と素朴な街並みだけが佇む
ちょっとだけ、聞き込みをしたところ


『天と地が、まだ《領域》がない頃
妖精とは異なる種族が存在していた。天は二種族だけでは、世界の規律が持たなければ、理も守れないっと言う理由で第3の種が...羽も無き人間だったらしい』っとなかなか歯ごたえがある情報に少々興味を抱く。


ただ、街の名前が《デッド・フォール》つまり、死の滝を意味する
なんの意味でつけたのか、分からないがとてつもなくやばいって事は分かる
ーーっとアヤはそう思うが、アリスは決定的に違っていた。


羽が生えてる、しかも...見慣れない悪魔系ファッションに、目を踊らせる
しかもだ、NPCの悪魔から服を略奪...いや剥ぎ取ろうとしている


アヤが何度言っても、聞く耳を持たない...諦めモードでもある。
目を光らせるのも分からなくはない、普段着ない服装やダガーベルトとか、なかなかマニアックな服の着こなしを見ていると、一瞬『あ、夏コミだっけ?』っと一周まわってしまう理由だ。


で、ですが...私は負けませんよ!
誘惑には...絶対に!


アヤの決意を無意味にされた行動者がもう一人写る。
ビルガドールだ、普段は男装、一見男と思えてしまうが、今回は何故が...獲物を狙う様な鷹の目のように鋭く尖らせて獲物を狙う姿は...もう鷹にしか見えない!


とは言うものの、壁から通り過ぎるNPCを血目で目で追うだけだ。
疼く体を抑えている右手が、壁に食い込み削れている...。


そこに、アリスが肩を叩き頷いた。
二人は見つめ、そして、通り過ぎるNPCに飛びつくーー。


その二人の眼差しは、獲物を狩るハンターにしか見えない。
ハンティングする気満々なのだ!


そこに、アヤは、魔法を唱えてみえないシールドをNPCに展開、バンッバン!!っとぶつかる衝撃音が二つなる。ズルズルと力なく、地面にゆっくりと落ちる二人に駆け寄る、アヤは話す。


『何してるんですか、敵をハンティングするのは分かりますけど、NPCをハンティングするってどうゆうことしか?』
『私達の得物は...NPC(奴ら)だ』
『NPCと書いて、奴らって読むのはやめてください。いつから獲物化したんですか?』
『あの可愛いゴスロリに近い服装を目の当たりにしたら...獲物化した』
『買えばいいんじゃないですか?売ってると思いますけど?』
『いや、NPCが来ている服を剥ぎ取りその体温を生身ではないが感じ取る...狩った感じが実感できるでしょ?』
『いつから、ここはモ〇ハンになったんですか!!』
『あー、分かるよ。それが一番実感できるよね?アリたわ』
『アリじゃないですよ!なんで共感しちゃってるんですか!?』
『削ぎ剥ぎ、明日のために生きる...そう、私達の宿敵を倒すために...倒す』
『間違ってるけど、あってる部分もありますね...』
『その為にも、ハンティングを特定部位だけ剥ぎ取れる様になれば...』
『ハンティング極めてどうする気ですか?』
『ハンティングは、ハンティングする為に、ハンティングがある』
『意味がわかりませんよ』
『そう、ハンティング戦士になるため今日も...狩るぞNPCを!』
『ハンティング戦士って何ですか!?てゆうか、狩らないで下さいぃぃぃぃーーーー!!』


こんな会話が、数時間にわたり続いた
その更に数時間後、目的を思い出して
《デッド・フォール》を離れた


切り裂かれた大地からは、マグマがうねるようにグツグツと音を鳴らす
歩いているだけで、気力が持っていかれる。


《グランドゼロ火山》ーーー
そう、彼女達はこの過酷な場所に飛ばされた...っと言う訳じゃなくまさかの、逃げた行く末がこの場所だった
転送されて、目の前にいた角をはやして筋肉質を感じられる猛獣1匹。
しかも、マグマから出てきて否や
秒間もなく、いきなり攻撃を仕掛けてきたのだ。


この下側の世界特有のモンスターのようだ、戦うにしてもまず、応戦するレベルが足りて無かった。


つまり、逃げるしかないという事だ


逃げれば逃げるほど、暑さを増して
洞窟に入れば入るほど、暑さは酷暑レベルまで到達。
それで、現在は...来た道を戻っている状態だ


村で聞いた話だと、確かこの地方にはある召喚獣が潜んでいるって聞いたけど...まさかアレがそれって感じも否定出来ないわ。


冷静さをアリスは、何としても維持する。その時ーーー



眩い赤い閃光がバッと光り、消えたと思えば、空中から1匹のモンスターが落ちて来てズンっと重苦しい音を鳴らして着地して雄叫びをあげる。


『で、出ましたよ?』
『うん、倒さなきゃ...ね』
『アレは...イフリートって書いてないか?』
『火焔の召喚獣イフリートですよね』
『あぁ、大地を荒らして業火で焼け野原に返した神...それがイフリート』



腰元から一本の短剣を抜き取り構え始めるアリス。アヤも同じく細剣を抜き取り構えるーー


敵意カーソルコアが、アリスに飛ぶ


『くるよ!水属性スキルを重視して!』
『分かりました!』


ズンズンズンっと大地を揺さぶりながら走り出す
ビルガードルは、拳を地面に突く
そこから地面は凍りつき、一気に足元はアイスバー化する。
だが、氷は溶け始め無意味にイフリートの足元を蒸発する


火焔の腕を振り抜き、アリスに拳を突き出す...が、アヤに腕を弾かれる
大きく反り返るイフリートに、アリスは飛び上がり水属性スキルを連発に叩き込むーー


青白い閃光がバチバチと鳴り響き、イフリートを追い込み、同時に『スイッチ』っと声が響く。
続けて、アヤが水属性スキルを放つ
青いフェクトに染め上げて、ウィークポイントに叩き落とす。


二人は着地するが、イフリートのHPバーはかすれ傷程度。
HPは一本バーしかなく、減らないのがおかしいと思えてくる。

          

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