ナイツオブソードオンライン

双葉エレン

第61話共闘

歩く音がこだまする、反響音だけが単調に響き渡るーー


薄暗い地下水道、生乾きの服のジメジメ感は気持ち悪さを覚える
マンホールと空いた穴に、複数の鉄製のグリップが間感覚でコンクリに埋め込まれていた。
それを手に掴み、カンカンっと言う軽やかな鉄音を鳴らしてマンホールの蓋を手で押してズラして、僅かな隙間から頭を出して周りの景色を見る。


見覚えがある民家、整備されたアスファルト、ちょっとした用水路。間違いなく自信が住む自宅付近の場所の様だ、ゆっくりとマンホールをズラして体を外に出す。


久しく浴びる太陽に、多少目を眩ませた。数分後、眩んだ視界は元に戻り
マンホールの蓋を丸い鉄製の淵に嵌める。


ゆっくりと立ち上がり、自宅のドアを引くーー
目に飛び込んできたのは、何故か広々とした空間、アリもしない機材が何台も置かれ、目の前にデカいモニターがあった。


そして、白衣きた一人の青年...坂田が姿を表して言う。


『勝手に作らせてもらった、後で費用を払うが...その前に部屋はどこに消えたんだ?って顔してるな』
ある設計図の紙を取り出して、空斗に向けて差し出した
その紙を受け取り眺める空斗に坂田は話し出す
『お前の部屋は...見ての通り異空間ぐらいな感じで留めている。てゆうか、そのもの自体を残して左右にある壁をぶち抜いた。恥ずかしいかもしれんが...気にするな』
『気にするな...?いやいや、それ絶対に無理だって!個人的な自室がアウェイ見たいに綺麗に破壊されたんだぞ。それにな、こんな巨大なモニターを頭上に置かれたら寝れねぇだろうが!』
『目覚まし代わりだろ、大差な違いはない。両サイドにパソコン室が付いたと思えばいい』


そうゆう問題じゃない!っと内心突っ込む。しばらくして、壁がない自室と呼べるかすら分からない状態だが...パソコンのキーボードの音がシンプルに鳴り響く。


『暇か?』
『暇すぎるな...』
『外に行ってこい、それまでに完成させる』
『何をだ...?』
『対抗するソフトさ』


空斗は、部屋を抜け出て外に出る
暇そうに街並みをぶらぶらと回る
どこもかしこも、店を閉じてる
見るところがなく、ただ街を歩く


蝉の鳴き声だけが、響き渡る...
逃げ水(陽炎)がゆらゆらとアスファルトを揺らがせる。
炎天下で、蒸し暑い熱風が吹き付け
空斗の額から汗を滲ませる


暑いだけ暑いな...何もないし...


家電販売店の前を歩くと、映し出される映像が目に止まる。
自分と似てる姿をした凶悪そうな顔付きをして、次々に街並みを破壊する
勿論、応戦している部隊すら、蟻如く消し吹き飛ばされている。


その手から飛ばされるビームは、空斗が丁度いる目の前を横切り、轟音を馳せる。
真っ二つに、なった家電販売店はバチバチと電気をショートさせる音が鳴る


そして、砂煙の先から姿を現す...
自分の以前使っていたアバターの姿に明らかに似ている。
だが、顔つきは半分闇みたいに黒く覆われており口元は笑ってる様にぐいっと上げている。


いきなり向こうから出向いてくれるなんてな...。


空斗は透から貰った電子バルスを手に取り起動させる。
ブラック・ソードが姿を現し、構えをとる...間もなく、手早い速さで吹き飛ばされた。


高層ビルに強く体を打ち付け、引き摺られるようにズルズルと落ちる
一瞬遠のきかけた意識は、再び戻る
体をゆっくりと起こした。


冗談じゃない...なんだあの速さ...
アリス以上じゃないか...?
手がどこにあって、気づいたら空を飛んでいた。
さすが俺のアカウントだな...鼻で笑えないくらい強いな


空斗は、武器を構え直した
建物を破壊して、瓦礫が空から落ちる間から黒い戦士は突っ込んでくる


振り抜く空斗の一撃と黒い戦士の黒い刀が衝突ーー


爆心が起きたような衝撃を周囲に馳せて轟音が鳴り響かせる


その数秒後、一直線に線を放つ煙が上がる。空斗は、衝撃に耐えられなくゴミクズの様に後方に吹き飛ばされた
無数の壁に激突したせいか、意識がなく、空斗は力なくガクっと下を向き気絶する。


そんな事をお構い無しに、黒い戦士は気絶する空斗に目掛けて突き進む
そして、黒い戦士は空斗に刀を振り抜く。


『ちょっと勝手にしなれると僕的に困るんだけど?』


白衣来た男の姿、紛れもなく国枝透だった。黒い戦士の刀を指で掴みその行動を抑えていた。
そして、視線は完全に国枝透に向けられる、狂った笑がゆっくりと見せつけてくる。


『楽しいかい?僕のキャラを横取りしてさ。はっきりいって、同じキャラは二人もいらないんだよ...失せろ』


透は、右拳を突き出した、腹部に的中
黒い戦士は、口から黒い何かを吐き散らしてよろけた。


『ふむ、耐久性高いか...今の結構本気だったんだけど、結構傷付くよ僕...』


ズンっと地面に殴り込む黒い戦士、それを躱したが、地面から吹き上がる黒い紐が透に目掛けて飛ぶ。
『まっずい、これは物凄くまずいね...でもーー』


ズバッと刻まれる様に黒い紐は切り落とされる、ブラック・ソードを光らせる空斗が立っていた。


黒い戦士は、ニカッと笑みを浮かべて
黒い武器を作り上げて構える
空斗は、険しい顔で透に言う


『透、許した訳じゃないが...この状況からすれば一時共闘しないか?』
『名案だね...その話は今回ばかり乗せさせてもらうよ?』
『いや、俺も混ぜろ...』


家屋の屋根を粉砕して、地面に突き刺さる1本の槍ーー
空いた穴から、顔を覗かせる一人の白い髪の青年...坂田だ。
そっから飛び降りて、槍を抜き取り二人の顔を眺めつつ言う


『モニター越しじゃ、無意味だ。研究者が戦場に出るなら俺も出なきゃ筋が通らん。俺も参戦する』
『助かる...』
『ふん、君が僕の技術を擬似的に作った人かい?』
『あぁ、気に入らなかったか?』
『いや、後で話を聞かせてもらいたいね...生きていたらね』


3人は再び黒い戦士に視線を向ける
そして、武器を構えて走り出す


前方に空斗が走り、剣を振り抜く
黒い戦士は、左右の刀を振り回す
隙を突いて空斗は、黒い戦士の2本の刀を弾き飛ばす


『スイッチ!』
坂田が、空斗の背中から飛び上がり
槍を投げ飛ばし、壁際に突き刺す
『頼むぞ...!』
空斗に向かって走る透、そして飛び上がり剣の刃を踏みつけて、空斗が振り抜くのと同時に背から飛びながら、黒い戦士の頭上から殴り飛ばす。


しかし、白い煙だけが黒い戦士から流れただけで、突き刺された槍を抜き取り、空斗に向かって投げ飛ばす。


その槍を空斗は、弾く瞬間...その影から凶悪な笑みを浮かべる黒い戦士と振り抜かれた黒い刀を間に受け止めてしまう。


吹き飛ばされた、空斗を坂田は険しい顔を崩さず...歯をこすらせる
飛ばさるはた槍は天井に突き刺さる


『チッ...デタラメって思って居たが...計算外だなこいつは...!』
『再現してる、この動きは...彼の動きそのままだ』
『そうだとすれば、ちとやばいな』
『やばいってもんじゃないさ、絶命させるまでやり続けるさ...』
『人類終わりってか...?笑わせてくれるな...所詮データの癖によ』


二人は、黒い戦士に立ち向かう...
その頃、空斗は...傷口が深いせいか
立ち上がる力もない、腹部を触れば真っ赤に染まる手のひらを眺める


クソだな...こんな状態じゃ...動けねぇな...。


体が重い石を置かれたような重さ
天井は既になく、青空か見える
蝉は遠くで微かに鳴き、周りからは戦闘音が鳴り響く。


まいったな...これで終わりかーー?


『終わらない』っと言う問いかけ
顔を横に向けば...ある少女が姿表していた。


『君は...死なせない』
『だ、誰だ...お前は?』
『...この世界も、随分と変わった。後戻りができないほど...』
『......?』
『君の体を一時的に止血するわよ。次こそ決めて...それが私の願いだからーー』


立ち上がって勝って。


空斗は体の痛さを消えていったのを感じた。目をぱちぱちと瞬きして体を起こした。


さっきの夢か?だったら...怖っ...


だが、自分の傷口を眺めると...血が見えない何かを通って傷口に戻っていた
夢でなかった...。
とりあえず立ち上がり、電子バルスを握り起動する。
ブーン...っと音がなりブラック・ソードが現れた。


託された命か...なら挑むしかないか
あの黒い戦士って奴を...倒す!

「ナイツオブソードオンライン」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く