ナイツオブソードオンライン

双葉エレン

第60話地下水道と宿敵

ピチョン、ピチョンっと滴が鳴り落ちる。よく分からないこの場所を、軋む体を無にして歩み出す


サラサラと川のせせらぎを耳にする
その方角へと歩く、目に飛び込む下水道と下水の臭いが鼻に突き抜けて刺激する


下水地下、こんな場所に誰が運んだんだ...?


疑問視するのもあるが、それは置いとき...。取り敢えず人を探す事にした
下水道を、歩く...躊躇なく襲いかかる傷口が傷み腹部を抑えながら壁に手を当てる。


ぐっ...これくらいで...。


道無き道を歩き、薄暗い下水道内を見渡す...。そして、壁影から人らしい影を見つけて声をかける。


『...ちょっといいか?俺を運んだ人を見かけーーなっ?!』


その壁影にいた人は、力無く立ったまま絶命していた。
そのあまりの異様な死に方に絶句する


何が起きてるんだ...?
しかもこの人、心部に何かを撃たれて貫かれているみたいだな
となれば...アフターライフオンラインのユーザーの生き残りがまだいるのか?


空斗は、視界を絶命した人の眺めていた方角を見る。
すると、どっからとも無く乾いた鉄音が鳴り空斗の足元に被弾する。


『...!誰だっ!!』


当然帰ってくる声なしだ
無音で、先が薄暗く視界で弾道を予測するのは...不利な状態だ
指を噛むような思いで、一歩ずつ下がる、すると、背後からも何かが掠れてどっかに被弾した。 空斗は即座に今の状況を理解する


前と後ろからの攻撃、完全に挟まれたな...。このままで居れば、風穴二つ空くのは間違いがない


空斗は目に飛び込んできた下水道の流れる水をチラッと見るーー
空斗と下水道の流れる水までの距離はおよそ10mあるかないか位だ。


一か八か...


一歩、横にズレる
射程が切り替わる音が鳴る
さらに一歩、所定位置に戻る
射程が切り替わる音が鳴る
空斗は両手を頭上より高く上げて
息を深く吸い吐く、そして、大車輪を行う。


見事に、その回転で手や足の僅かな間をすり抜けて行く弾丸ーー。


そして、決め手に側転を果たして下水道の流れる水の中に飛び込む。
その直後に、水中目掛けて散弾する様に無数の弾丸が撃ち込まれる。


撃ち込まれる散弾は、水を穴を空けるように螺旋状に回転するーー
だか、失速して回転を徐々に落としやがて失速、静止画のように止まる。


弾丸は水圧には弱い...
いくら打ち込もうとしても...ここまでは届かない。
だけど、俺の息止めは...1分が限界だ。それまでに駄作を考えなきゃな


口に含まれている酸素を出来るだけ抜かないように心掛ける。


水底は大体10mぐらいの深さだろう
そんな底を、ゆっくりとかき分けるように歩き泳ぐ空斗ーー


使える物は...ないか...。
このまま地上に戻れば、乱れ打ちを喰らうし...逆にこのままいれば酸素をすべて吐き出して肺を小さくして一定の時間抜け出る為に他の場所を探すか...
空斗は、頭を振り思考を正す
駄目だ、肺に空気がなくなれば浮き上がることが出来なくなる!
それこそピンチだ、他にあるはずだ...他に!!


少しずつ息が苦しくなり、心臓の鼓動がやけに脳に響き渡る感じがした


そろそろ限界だな...


水面を見上げる空斗、こちらを覗いている人影がぼんやりと映し出す。
再び顔を戻し、どうするかと悩む...と足元になにか硬いものを踏みつけた
何かと思い、泥に塗れながら一つの錆び付いたライフル銃を手に取る
トリガーを落とし、弾丸数を確認する
金色に輝く弾が6個収めてあった。


これを見てニヤリと笑をこぼす空斗、
息を止めて30秒が経過していた。


残り29秒、浮きそうな枝を探す
残り15秒、銃口を下に向けて位置を確認する。
残り8秒、口から一気に空気を吐く
残り3秒、銃の引き金に手を添える
残り2秒、ライフル銃の波動と木の浮遊力で一気に海面に上る。
残り1秒、水柱を上げて水面から抜け出るのと同時に、標的となる敵に発砲
水柱が壁となりそれを突き抜けて、一直線に放たれた弾丸は見事にヒットする。


水柱が消えたの同時に、空斗は下水道のコンクリに加工された場所に重力を感じつつ着地を果たす。


『はっ...はっ...』っと息をあげる声
空斗は、肩に錆び付いたライフル銃を乗せてその被弾させた人元に向かう
当たりどころは、太腿で赤い血液が流れていた。そんな敵を、無表情な眼差しで空斗は言う


『...助けてやってもいいが代わりに、教えてくれないか?この地下水道で何をやっているのか。』
『けっ...助けなんがいらねぇよ...。見てわかるだろ、上が戦場なら危なかしいって思った奴が、こんな場所でも殺し合う。逃げ場なんかねぇ...スパイラルがスパイラルを生み出す悲劇、そう望んでるやつが多いって事だ』
『......』
『だが、おまえには...感じられないな。殺意も陰気な顔も、なぜこの場所にいることさえもな』
『それはどうゆう事だ!?』
『それはなーー』


パンッと言う乾いた鉄音、その人の額には弾丸によって穴が空いた
垂れ流れて血はドロっとゆっくりと顔を流れ落ちるーー


『お、おい!?』
空斗は、その人の肩を揺らすが
力無くただ揺らされているだけの人形みたいだった。
そう、絶命した瞬間だったーー


『答えを教えるとは...情けないね』っと後ろから声が飛ぶ。
だが、おかしな事にその声は...一度どっかで聞き覚えがある。
それも、嫌になるほど脳裏に焼き付いた声と...その顔だ。


冷や汗を流れ始める、そして、睨むような視線をしながら後ろをゆっくりと振り向くーー。


『国枝透...何で場所に居るんだ!』


見た姿は、紛れも無く人を馬鹿にしたような顔つきで前髪を左側に垂らし、髪留めで止めた後ろ髪。
青黒いラインを線が入ったバトルコート、その上に白い白衣を羽織る。
右手に持つ白銀に光る銃口から白い煙が舞い上がる、硝煙の臭いが微かに鼻腔に届けられる。


『愚問だね?僕は、優秀な優秀な力を使っただけに過ぎないよ』
『優秀な力...まさか』
『実に感がいい、私が言った『レットプレイヤーと繋がりがある』っと警察官の聴取で言ったはずだがね。いやはや、こんな盛大に面白い事態に私が参加しないってどうかね?』
『まだ殺したりないのか...?』
『どうかなァ?だが、こうしてる間にも...君のアバターが暴走するよ』
『俺のアバター...?』
『その理解力が欠けてる部分はマイナスだよ。君さ、以前そう、ナイツオブソードオンラインで、僕を倒したのはわかるよね?』
『まぁ、微かに...』
『あのとき、君ってあっさりユニークスキルを僕に奪われて完全な死を迎えるはずだった。』
『だった...?どうゆう意味...だ?』
いつものふざけ顔をせずに突然真顔になり話す
『君が突然何かにまとわりつくように、死を揉み消して蘇った。しかもだ、準管理者アカウントだ...僕と対等な権限を持つ。君が、死に対して拒絶した...その証明を表した形だ。ゴーストと言う形のウイルスを喰らいそれを力に変えて、僕以上の力でねじ伏せた。当然、僕のアカウントは使えなくなってね...あの世界に外部から侵入した上君に一本取られたよ』
『それでアンタこの場所に来た理由と関係あんのかよ?』


胸内ポケットから、タバコ箱を取り出して、一緒に入れていたライターで火を点灯させて口にくわえたタバコの先に火をつけて吸うーー


『無論だ、僕は僕の力で...デスゲームを作り楽しみたい。だが、そんな時に...君のアカウントはMRの力でこの世界に姿を現して、意味不明な機械に打ち勝ったと思いきや、暴走するし...私の出番を噛み殺しに来てるのか?』っとタバコを吐きながら空斗に視線を流す
白い煙に巻かれて、空斗は咳払いをする。
再びタバコを吸いながら
『分かるかね?君は自らとんでもない事をしたんだ。だから、責任ある僕が呼ばれる訳だ...』っと吐きながらタバコをこちらに差し向ける。
空斗は、差し向けるタバコを手に取り地面に落とし踏みつける。


『それが理由なら、お前は一体何のために...あの世界でデスゲームをしたかったんだ?』
国枝は、微かに鼻で笑いながら
『見たかったんだ、絶望、恐怖、悲哀、憎しみ、妬み、強み、弱み...。あの世界じゃないと、その顔が本当に見れない。ゲームなんて所詮ゲーム、楽しむ物であって、楽しまない物でもある。本当の意味って実際に合わないと軽く終わらせてしまう、言葉じゃその恐怖価値観なんて分かりやしない。なら、味合わせてやれば...その言葉も意味もすべて分かち合える。それを知らしめたかった。だが、君には驚かされる...システムを拒絶してアカウントすら作ってしまった。私には無い発想と意志の強さを思い知った、それが今回招いた出来事...私に責任がある』


後ろを振り向き、下水道を歩き出す
空斗は、その後ろを眺めるだけに留まる。


『そうそう、君には時間を稼いでもらわなきゃね...』


そう言いながら、何かを足元に投げ飛ばす国枝。くるくると回転して空斗の足元にぶつかる


『それを持て、私が開発した電子バルスだ。仮想世界の武器を変換して実物に出来る機械だ、さぁ...私はもうひと仕事があるでは...』


それを手に取り、握りしめると...仮想世界にあった自身の剣が姿を現す。


ブラックソードか...。


黒曜石見たく黒く光り輝く刀身
それを手首でクルリと回転して背中に収めようとしたが...なんか違和感を感じて肩から腕を落とした。


左の肩に錆び付いたライフル銃と右手にブラックソードを握りしめる


うーん、なんかしっくり来ないな
双剣だからか...?
左右に剣かないとな...まぁ、代わりに銃身だけど...いいか。


空斗は、下水道を来た道を

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