ナイツオブソードオンライン

双葉エレン

第45話拡張世界と『死』

空斗は、AROの情報収集をしていた
理由は、燈の妙な言い方が原因
だが、反面自分もうすうすだが興味があった。


でもーーもし、あの様なデスゲームだとしたら...っと考えてしまう
それを止めなければならない...が、妙なことにそれらしいことがない。


ただの対人ゲー...か?


現段階ではARでの人気対人ゲーム
『自由度』を追求したアクション等が多彩で、ほぼ現実と変わらない動きはできるが当然生身のアバターなのでVR等の無重力みたいな重力を感じさせない高度ある動きは当然できない。


『げっ...銃餅多くないか...これ』


調べれば、調べるほど...銃の所持数ユーザーが断然的に多いことがわかる
『剣』を使うアバターなんか、極小数って分かるぐらいの数値フラグが目に映る。
ため息しつつ、ノーパスをゆっくりと閉じて、間迎えにあるベットに横たわりゴーグル型の拡張機能を手に取り装着した。


『ゲートオープン・スタート』


ヘルミェン帝国 街頭区 ヴェンガル町


黒いエルフ事、ダークエルフの本拠地
試練をこなさなければ、この帝国傘下の街並みを歩くことさえ許されない


一番最初の時、よく分からなくて
ダークエルフ領土の外れにあるでっかい城に、俺はそこに居た
結局門番と、戦うハメになりあっさり勝ち、その城を攻略してる時に突然進行不可能って表示された。
なんでも、その城には黒い隠された剣が眠っているらしく、その先を踏み入れるのは...まだ誰もいない。


システム的に『進行不可能』っと表示された...つまりなんかのトリガーが必要っと言うわけだ。


賑わいを弾ませる、街並みと人々のあいだをすり抜ける
すると、ある一角にある看板付近に居る一人の少女に目に止まる


『レクト君、来るの遅い!』
『ごめん、ごめん...ちょっと調べごとで時間食ってしまった』
『またそれ〜?最近、何かとそればっかよね。怪しいなぁ〜』


この子は、アリス
改めて紹介しよう現在、親の流れにより付き合う流れになった女の子だ。
NSO...ナイツオブソードオンラインで殺人ギルドの一味の人物でもあり、何かと一人で解決しようと抱え込んだりする部分もある。趣味はコスプレ(世界共通レベル)


『なんもないっス』
『そう?』
その発言と裏腹に、アリスは自身が装備している短剣を抜き取る
レクトはそれを見て、当然な反応を示して言う


『あ、あのー...なんで短剣をぬきとるんですか?』
『だって、嘘ついてるのばればれよ?顔に出てる』
『かなわないなぁ...やっぱり。でも、なんでそう..いかにも噛み殺しそうな顔してんの?』
『お仕置きが必要かと...ね?』
『ま、待てよ?浮気なんてこれっポチもしてないから!だから、頼むから...ね?今の所持金の100G位あげるからさーー。』


交渉結果は惨敗で留めた
意義異論すら認めないキレっキレな軽やかな剣技になす術なし
そして、たまに思う...アリスはドSでは無いが...S系が多少ある事を改めて実感する。
そうしてる間にも、開催前日を迎えた
AROの...序列階級争奪戦


今回は、1部区間を閉鎖した広大なフィールドでの...PvPだ。
序列1万から始まり、勝ち負け数で左右するシステムで...上位プレイヤーを狙う下級チームが数十から最大の数千人が攻め込んでくる
数千は、流石に希なので有り得ない
だが、前回の戦いで二百五十人と新たに現在序列1位になった人が激しい乱戦を繰り広げたらしい。
まぁ、前回は...決まった指定区間のみだった様だが、今回は参加数が見込んでいた以上という訳だ


調べたところはこの程度位だ
あとは開催地が、都市の中心部
歩いて相当くはない場所だ


空斗は、その開催地に足を踏み入れた
無論、とんでもない数の人数が目に止まる。
荒れ果てた廃墟ビルの前に、一人の青年が腕を組み目を細めながら周りを見渡していた
そして、真横には、一人の少女が躊躇いもない眼差しをしつつマイクを手に取りいう


『今回の序列階級戦に参加してくれましてありがとう。現在、東京都は壊滅な被害を受けて遊べる余裕があまりありません。ですが、この旧都市なら関係なく思う存分遊べるので...張り切って暴れてください』



疑問を抱く方もいるだろう、東京都は以前は陸だったが...復旧の目処が立たなければ予算が幾つあっても治せないって言う理由で...海上に移設した


それで、今この街に住んでる人達は
『また、やり直せばいい』っと気丈に頑張る社会人の方々が約100人この地に残った
それで、たまに開催されるこのゲームでのイベントは彼らにとっては息抜き
で学生達は隣接された高校生達だ


とはいえ、...あのデスゲームで生還を果たした人達が大半で残りは海上都市を嫌う人達位だ


『さて、私からは何も言うことは無い...せいぜい負けないでね』


その発言後、瓦礫に向かって飛び降りてどこかへと行ってしまった
隣にいた青年は、落ちているマイクを拾い挙げて話しだす


『今から開催宣言をする、まず初めてのビキナーに向けて説明する。このAROは剣と銃を舞台とされてる...故に団体や特定ユーザーに奇襲とかは許される。だが、反則行為となる相手側のこのメガネ型拡張機を外したりする行為はしては行けない。楽しく遊ぶ上でルールを守って欲しいのと武器購入については...多分画面左上にある自分を表示するカーソルと周りに赤く表示されてる点は敵で黄色は店だ。制限時間は1時間で戦い方は設定にあるPvPとバトルロアイヤルって言うモードがある、PvPに指定されてるユーザーはバトルロアイヤルには参加はできないその逆も不可能ってことを頭に入れといてもらいたい。では、武運を祈る』


その男も、マイクを地面に置いてどこかへと行ってしまった。


周りにいるユーザー達は次々にメガネ型拡張機をつけ始める
空斗も、メガネ型拡張機をつけて
起動させた


目に映るのは、荒れ狂った様な残骸
バトルフィールドだけあり辺りには、実物と同じ壊れた廃墟ビルが聳えたち、瓦礫の残骸は無残務像とあまり変わらない


カサカサが、転がるだけというシンプルな世界に目を点としつつウィンドウを開き装備状況を見る



さて、初期武器...はハンドガンと手榴弾のみか...?


ウィンドウを閉じて、周りを見渡す
すると、目の前から一人の少年が走りながらコチラに向かって銃口を翳す
空斗は、ハンドガンを胸ポケットから取り出して相手から放たれた弾丸の軌道を読みながら躱しつつ空に向かって手榴弾を投げた


空回りをする手榴弾と回避行動で間合いを詰め寄る空斗
そして、少年の眼前に現れて少年は慌てるように発砲するが空斗は勢いを味方につけるようにスライディングしながら少年の股をすり抜ける


空回りする手榴弾が少年の後頭部に差し掛かった瞬時に空斗が握るハンドガンの引き金を引くーー


乾いた鉄音が鳴り響き、手榴弾に弾丸が突き破り爆発する


『これぐらいしか出来ないのか...』って不満げに言う空斗だった


頭上に表示された順位が3000位から1500位に変わった


これが、リアルタイムランキングのシステムか...。早めに終わらせて、あっちに帰って探索しなきゃ思うけどそうもいかないか。


体の重力感はやがて四肢に重みを感じさせ始める。
ひと通り、歩き回ったが...何も無ければ誰も居ない
人一人いるような気配が全くない、そんな道を徘徊するように歩く


やがて頬から落ちる、一滴の汗がこぼれ落ちて路面に弾く...それぐらい暑い
何せ、七月の上旬とう言う見えない時間の速さが月日が流れていた


攻略、サーチ、攻略、サーチ...の繰り返しをしていたこの1ヶ月ちょっとはどうやら肉体的には不適符号がお墨付きの様だ


近くにある自動販売に立ち寄り、一つのジュースを購入、手に取り蓋を開けて飲む。



ふっ...ニートには出来んだろうな...


ある意味人事にボヤく空斗を他所に
現在地からそんな遠くない位置で、銃声音が微かに聞こえる


この場所でも聞こえる銃声音...何人と戦ってるんだ?


ウィンドウを開き、サーチと書かれた項目をフリックした
『サーチ』は、辺りにいるユーザーの位置を把握できる機能で、近ければカーソルの色が赤に変わり
遠ければ水色、間が橙色...っと言った具合に変色する
サーチ範囲は100m範囲以内とされており、半径100m以上は外で表示されない


つまり今の状態でだと100m以内で、戦いが起きてはいないのだがーー


空斗の背後に、痛い程の視線が感じるのが背中越しでもはっきりと明確に感じ取れるようなーー『殺気』だ。



間違いなく、俺は仮想世界では強いが
現実...つまりリアルは身体が思うように動かせない。
空斗自身、危険フラグが脳裏を焼かせるように知らせてくる


だが、あとにも引けない...自分の身を後ろを振り向かせゆっくりと眺めた先にはーー


『ニートさながらな非光遮断する様な身のこなし...。えっ?まじでニート登場したけど...大丈夫なのか?』
『失礼な事、言うなぁ君は...』


ダブタブな上下の服と、持参したのだろうかカメラを両手に持つ一人の男性
自分より体格は2回りほど大きく、そして、隠しきれない顔から汗を流す
そういった人々が、10人ほどそこに居た。


『我々、自宅警備団はとうとう住処をなくしてさ迷った挙句こうしてこの場にいるのだ』
『なら、普通に働け』
『働く?ふっ、こんな面白いイベントに『働け』って飛んだ真面目な奴がいる訳がないだろう』
『それに、ここぞって感じの女の子がいるし...あぁ、シャッターボタンを押したくてたまらない』


言わいる変態だな。
そう解釈をするしかない、自分がなんとも惨めだと思う
事実的に、俺も二次オタのは入口に立っているわけだからだ。


それはさておき、何故彼らが戦場に足を運んだのかは...さっきも言っていたが...家がなくなったからだ
その為にも、『稼いでこい』っと言う親の名言によりこの強い日差しの中で趣旨が違うが『動いてこい』に変化されて彼らは『稼いでる』と誤差錯覚による脳内受理落ちに落ちいた事から...


『非現実的』という言葉が適切にヒットした...つまりいろんな理由を複合的に混ぜれば、『非現実』を見る為という事だ。



うねる暑さは、やがて光を避けてきたオタク立ちに襲いかかる


『暑い...我々の戦いは終わりか?』
『まだ諦めるな、我々にまだ切り札があるであろう』
『この右手に宿る闇(ダーク)を解放すれば...!』
『待て、使うにはあまりにも危険すぎる!』
『ならどうしろと?太陽という光で焼かれている我々には...勝ち目が...』


表心的にいらいらを募らせていた空斗は後ろを振り向きオタク立ちに言う


『あー、うるせぇぞクズども!!』
『く、クズ!?』
『さ、最高な褒め言葉を...』
『頂きました!』
『打たれ上手なのか知らないけどよ、そろそろ敵地に入る...静かにしろ』


空斗は、微妙な表情をしながら敵地を瓦礫影から眺めた。
視界は暑さでうねる路面、逃げ水が揺らぎ人らしい姿が映らない


ピンぼけされたような視線の先には
ハッキリはしてないが一人の女の子と男の様な姿が揺らぎ映る。


なんだ...よく見えないけど...なんか話してるな。


すると、オタク達は突然驚き声を上げ始めた
空斗は、呆れた眼差しで近くにより
『何騒いてるんだ?』っと少々気が抜けたような口調で言う


『あ、あれは...セナちゃん。特定不明の学生で...その腕前は序列の中でも唯一スナイパー系でデス・ガンの異名
を誇る』
『それだけじゃない、序列階級3位...相当強いし...勝てる相手じゃーー』


空斗は、ゆっくりと立ち上がり
歩きだそうとした瞬間、腕を掴まれ
一人のオタクが話しだす


『何しに行く気だ?』
『...先約さ。早く終わらせて仮想に帰るのが目的だ、だから強いやつを叩けば終わる』
『馬鹿だろ、いっとくけどな...あそこにいるもう一人の男。序列1位で来る者を射止める異名すらある...これ聞いたら普通なら無謀にも程があるだろっと思うはずだ』


空斗は、焦ってはいた
冷静さを、忘れかけてはいたが...彼らに言われると歯痒い気分になった


だが、ここで逃すのも惜しい気がするな...。


仕方がなく、深いため息をついて
別なルートを歩き始めた
当然、オタク達は...付いてこようとしたが空斗が足元に銃弾を乱射して言う


『お前らが居ると、思考が鈍る。こっから先は俺が行くからついて来るな』


その言葉がいかに重く捉えたかは、彼らの表情を見ればわかる
戸惑った顔つきに似合うぐらいの汗の量っと言った具合だ。
彼らを立ち去る空斗の後ろ姿に、重なるような夕陽の傾き加減が実に似合う


別のフィールドにて同刻ーー。


『な、なによ...これ...?』


空斗が居る位置から北西に約150メートル離れた場所にてセナが目にした現状に少々言葉を失う。


初めは『ただの序列階級』で楽しんでいた。だけど、今...目にする悲惨な状態に私は...いや、私達はいったい何をしたと言うのよーー?


無残務像に転がる数しれない死体が積み重なるように一つの山が出来ている
その一番上に居る一人の人物に目が止まる。


そして、冷徹な眼差しでこちらを眺め下ろす視線がぶつかる。


『...へぇ、序列3位のセナって君のことかな?』


一言発しただけで身震いするような威圧感が肌に感じ取れた
そして、知らせてくる脳裏の奥底で...この人は危険だ...っとーー。


気だるそうな眼差し、見るからにして大釜1本だけ片手に持ち黒一色の服を身に纏い...そして、赤い瞳と白い髪の毛。普通ならそんな目や髪の色なんてカラコンや髪染め以外見た例はない


それに彼は、コスプレした人とは対象的に殺意が違う。並ならない何かを感じる...ただそれだけだ。


ゆっくりと立ち上がり、大釜を肩にゆっくりと乗せて、ぐいっと口元を上げながらコチラに向かって突進してきた。


セナは、背に持つライフルを手に持ち替えて即座にうち放つ
スコープに映る範囲なら、引き金を何度も引くが...対象があまりにも速すぎて全て外れる。


速すぎる...!ならこれならーー!


足元に隠していた、2丁の色違いの拳銃を引き抜き
腕をクロスにして、撃ったり
開いて垂直に撃ったりもするが...
すべての弾丸は、的外れした


ありえないわ...!?こんなこと...ある訳がーー。


『よう、どうしたァ?そんな、ちんたらした弾丸なんてなァ。俺にはァ効かねぇんだよ!!』


垂直に横走る一閃の大釜の刃ーー
引き裂かれる血肉と胸付近に強い痛みが走り出す
下を向けば、血が地面に向かってこぼれ落ち
口からも血が微かに垂れていた..。


『う、うそ...でしょ...っ?』


揺らぎ始める視界と脳裏にあるはずも無い出来事が空回りして、思考がさらに混乱を極めた


ゆっくりと静かに地面に倒れ込んだセナ...。その行く末を気にすることも無い様な顔つきでボヤく


『ふん、リアルな玩具と実物人物の違いだけでこれかよ...。こんなつまらないショーで誰が満足する、あの世界を生き抜いた奴なら...肩慣らしぐらいになるか。今度こそ...殺してやる』


高野に鳴り響くのは、銃声でもあれば救急車のサイレン。
消してあるはずがない『死』が、この世界でも招く。

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