クリームソーダ的恋愛事情。

アビコさん。

2章。1



結局のところ、どう行動を起こすか考えることに疲れ、とりあえず風呂場で歯でも磨くことにした。


ボクは、なにかに行き詰まったり、なんとなく手持ち無沙汰になると歯を磨きたくなる。気持ちがリフレッシュされるのだ。
これは、タバコを吸う、代用なのかもれしない。
普通の男たちは、こういう時には、とりあえずタバコに火を灯すのだと思う。
そうして時間をゆっくりと感じ、思慮の世界へと入り込んでいき、口先から昇る煙に未来を憂うのだろう。
なんともワイルドであり、かっこいい。


だが、残念なことにタバコを吸う習慣の無い、ボクは歯磨きという至って健康極まりない行為におちつく。
良いことであるが、なんだか情けなくも感じる。




あまり歯磨き粉を多く使用することが好きでないボクは、ブラシの毛先に少しだけチューブからひねり出した。


磨きながら、今日の予定を思い出す。
そういえば今日から、学校であった。


ボクは、20代半ばになっているにも関わらず、いまだ学生を続けている。
高校を卒業したあと、しばらくフラフラと過ごしていたために、大学への入学が他のものよりも、3年ほど遅れていた。
そのフラフラしていた期間、何をやっていたかと言えばアルバイトをして、音楽を聴いて、映画を観て、あとは図書館に通って本を読んでいるだけだった。
基本的に一人で過ごしていた。
特に学びたいことがあったわけで無かったので、周囲のものが何となく進学するからと大学へ行くのと同じように、行くのが嫌だった。
明確な理由なく行動するなんて、主体性がないと子供じみたことを考えていた。
今思えば、そんなこと言わずにさっさと進学しておけば良かったと感じる。


突如、大学へ行くことを決めたボクは、2,3ヶ月ばかり勉強に取り組み、どうにか"そこそこ"の大学へと潜り込め、現在に至る。
そうやってどうにか大学生になれたにも関わらず、再び意欲を失う。
本が好きだからという理由のみで文学部を選んだのだが、特に学校講師になりたいわけでもなく、研究者となりたいわけでもない。
しいて言うなれば、図書館で働きたいと思う。
だが、図書館で働くには、司書の資格を取る必要がある。
しかし、それを取るための講義を受講しているわけでもないので、別にもういいかなと考えている。
基本的に、何に対しても無気力であり、どうでもいいと思ってい生きている節がある。


その考えが、今のこの状況をも生み出しているいるのだろう。









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