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アルカンシエルの少女

ルーシ

プロローグ

 「ハァハァ……」

 獣達がざわめく夜の森に、風の如き速さで駆け抜ける少女とそれを追うフードを被った3人の魔術師の男が居た。

 少女の息は上がっているものの、速度は全く落ちず、自然の障害物を利用して巧みにフード男達の攻撃を躱している。

 後少し進めば森を抜けられ、この森を抜ければ目的地である村へと着く。

 そこに着くまでなんとしてでも捕まるわけにはいかない。

 あの村で再び彼に会うまで、私は必ず生き延びる。

 生き延びなければ、彼に償いが出来ない。そんなの絶対に嫌だ。

 森の出口が見えかかった頃、私は首にぶら下がった木製の笛を短く連続して3回吹いた。

 男達は、その笛に気づいていないのか、もしくは無視しているのか、警戒した様子もなく呪文を唱え、少女を攻撃する。

 男達が放った呪文が少女に当たる瞬間、木の上から巨大が何かが現れ、その呪文を掻き消した。

 呪文の衝撃により舞い上がった砂煙が消え、煙の向こうから黒い翼を持ち、額の角が特徴的なこの森の主である黒竜が、咆哮と共に姿を現す。

 少女が鳴らしたのは「幻獣の笛」と呼ばれる神器の一つで、人や魔物を劇的に活性化させる笛だ。吹き方によって人か魔物か選択できる。

 この世界の魔物は、そのエリアで1番強い魔物を「主」として従い、その主は決められたエリアを守る役目が与えられる。

 そして、「主」認定された魔物はそのエリアから外に出ることが出来なくなる。

 少女は森を出るタイミングを見計らって笛を鳴らし、眠っていたこの森の主たる黒竜を叩き起したのだ。

 「グォォォォォォォォッッッッッ!!!」

黒竜は呪文で攻撃してきた男達をターゲットにし、身が竦むような咆哮を上げ、木をなぎ倒しながら突進していった。

 男達は堪らず逃げ出し、少女はその隙に全速力で森を抜け、目的地である村へと向かった。

 















 

 


 


 


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