妖精王になるとは言ったが、女になるとは聞いてねぇ!

私氏

ヒメナの復活

俺たちは教室で明日のクエストについて話していた
「明日から俺たちの初クエストだ!気合い入れてくぞお前ら!」
ナシオは明日のクエストが楽しみなようだ
「しっかりと陣形を組んで行けば何とかなるはずだな」
正直俺は不安と楽しみが入り交じったなんとも言えない感情になっていた
ヒメナの件が頭から離れない
そんな俺の表情を見たのかミライナが
「大丈夫だよ。あんなイレギュラーはそうそう起きることじゃないって」
と励ましてくれた
「あぁそうだよな」
なるべくあのことは忘れて目の前のことに集中しよう
俺が明日の陣形について考えていると
「おーお前らここにいたか」
アン先生が教室に入ってきた
「どうしましたか?明日のことでなにかありましたか」
「そーゆう訳じゃないんだが、まぁ入ってこい」
アン先生が入口に向かって呼びかけると、
「失礼します」
と聞き覚えのある声が聞こえて来た
「ヒメナちゃん!!」
ミライナがヒメナの元へ駆けていった
「身体の方は大丈夫なの?」
「大丈夫です。ご心配お掛けしました」
「いいんだよ!大丈夫で何よりだよ!」
そんな会話をしていた
俺はヒメナの回復を喜んだ
「あの後どうなったんだよ?」
ナシオはあの後の顛末が気になっていたようだ。確かに俺が逃げるために犠牲になった。
「あの後私は何とか止めようとはしたんですが力の差が圧倒的過ぎてやられてしまい、気を失ってしまいました」
ホワイトウルフはかなりの強敵だ。俺たち全員で戦っても5分と持たないだろう
「まぁ、そこで私が救出して来たってわけさ」
アン先生が結末を教えてくれた
「私はその時に腕1本持っていかれてしまいまして」
そう言って右手のドレスグローブを外すとそこから金属の義手が見えた
「私傀儡師なので何とかこの形で落ち着きました」
そう言いながら俺たちに笑いかけてきた
俺はその笑顔を見て、この件を引きずっては行けないと思い
「明日から俺たちの初クエストだけど、ヒメナも参加するよな!」
とヒメナに聞いた
「頑張ります」
と、返事が帰ってきた





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