妖精王になるとは言ったが、女になるとは聞いてねぇ!

私氏

<妖精王>とは

俺は妖精に続いてかなり森の奥まで歩みを進めていた
「着きましたー!」
目の前には小さな村(物理的に)があった
「なんだここは?家が全て俺の腕くらいしかないじゃないか」
「そりゃそうですよー私たち妖精の住む所ですよ」
そう言って妖精は笑っていた
「今更だが、お前の名前は?」
俺は目の前の妖精にたずねると
「私の名前はレタっていうんだよー」
そう言うと
「まずは長に会ってもらうよ」
と言った
そのまま進んで言ったので後を追いかけた
すると目の前に少し他の家よりおおきな家が現れた
「ナトリア様ー」
レタは家に向かって呼びかけていた
すると家の中から一匹の妖精が出てきた
「おお!人間ではないか!」
20代後半の容姿をしている妖精がいた
「私の名はナトリアよろしく頼むぞ。えーと…」
「俺はカイムだ。よろしく」
「カイム殿!よろしく頼むぞ」
なんか俺の中の妖精のイメージがことごとく崩れていくんだが
「なぜカイム殿はここに連れてこられたか分るか?」
「俺は強い力が手に入ると聞いて」
それを聞くとナトリアはレタに向かって
「レタ!しっかりと説明しろといってるだろ!」
と怒り始めた
「すいません」
と一言いってレタはしょぼんとしていた
「面目ないカイム殿。私の方からもう一度詳しい内容をお話してもよろしいでしょうか?」
「お、おう」
ナトリアさん怒ったら怖いな。とかも思いつつ答えた
「実は我々妖精族には人間と同じようにいくつもの集落があります。そこを私のような長が統べているのですが、いえども長であり族全てをまとめあげることは不可能なのです。そこで妖精族をまとめあげる王が必要なのです。ここまでは分かって頂けますか?」
なるほどな妖精族は現在バラバラということか
「あぁ分かった」
ナトリアは俺の返事を聞くと話を進めた
「そこでカイム殿に妖精族をまとめあげる王<妖精王>になって欲しいのです」
「なるほどな。って俺が王になるのか!?」
俺は驚いているとレタが
「カイムお願い!貴方に断られると妖精族が崩壊してしまう!」
レタは今にも泣き出しそうな勢いで、訴えかけてきた
(これ以上誰かが悲しむ姿は見たくないな)
「分かったよ。俺が<妖精王>を引き受けよう」
「ありがとう!」
「カイム殿感謝します。でわ契約をお願いします」
と言って、俺の前に1枚の皿を出てきた
「これに貴方の血を入れて頂きます。そしてこの集落にある妖精の聖樹に捧げます」
「分かった」
俺は自分で持っていた剣で親指の腹を切り、皿に血を流し込んだ
「ではそれをこの聖樹の下に撒いてください」
「分かった」
俺は言われた通りに聖樹の下に血を撒いた
すると聖樹が光り始め、やがてひとつの果実を実らせた
「これを食べていただけると契約成立になり、妖精王へと進化致します」
俺はその果実を取り、口にした
次の瞬間、身体中が激痛に襲われた
「あぁぁぁぁ!!」
「契約成立です。しばらく意識が飛びますのでまた後ほど」
ナトリアはそう言うと去っていってしまった
少しして、俺も意識を失った






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