ラノベ厨の異世界戦記

ノベルバユーザー251204

道中

「町までの案内、よろしく頼むよ」

色々葛藤して案内をお願いした浩介。そんな浩介の葛藤を知らない卵は

「私に任せてくださいまし!」

と身体をふるふると震わせながら言うのであった。

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卵を先頭に歩く三人。

後ろから見るともうペンギンの足に卵が付いている感じで、歩くたびフリフリしていて意外にも癒される浩介とフェリス。
(フェリスさんや、あ、あんがい可愛いな卵。、、クレーマーだが)

(そうですね、、こんなキュートな生物さすが異世界です。、、、まぁクレーマーですが)

念話で話す二人だが、突然卵が足を止め振り返り二人に話しかけてきた。

「申し訳ございません。まだ自己紹介しておりませんでしたわね。ここで会ったのも何かの縁、私、セシル・ヴィ・レジストと申します。訳あって旅をしています。」

せっかく一緒するのだから自己紹介をとクレーマー卵ことセシルが言い出し自己紹介がはじまった。
まぁ自己紹介自体は浩介も賛成だが、なんだが嫌な予感がしていた。

(物凄い嫌な感じがする、、クレーマー卵、訳ありって数あるラノベでもこんな展開なかなかないぞ。、、、、はぁ俺ってイレギュラーな展開に弱いんだなぁ)

と自分の欠点を新たに見つけた浩介。
そんな浩介だったがセシルの紹介は続く。

その道中お二人の声が聞こえてきて、聞いてみたら町までの行き方で揉めてるではありませんか、私も町まで戻ろうと思っていたので助けになるかと思いお声をかけさせて頂きました。
セシルとお呼びくださいまし。よろしくお願い致します。」

と、卵の癖に上手く話をまとめてくるセシル。訳あって旅に出ている卵、、気になる浩介だがここで踏み込んでしまうと確実に絡められると思い、スルーする事にした。

「おう!俺は冴島浩介でこっちがフェリス、旅の途中なんだが道に迷ってしまって本当に助かった。短い間だけとよろしく頼むよ」

(よしっ!さりげなく短い間って入れて町まででさよなら感をアピールできたぞ!フェリス!!)

セシルにバレない様にセシルにサムズアップする浩介

(さすがですっ!浩介さん!!)

とサムズアップで返すフェリス。

そんな二人の事など露知らずセシルはしゃべり続けている。とその時!!

ガザ!!
ガザザサ!!

と近くの草むらで音がしたと思ったら何かが飛び出してきた!!

「なんだっ!何があった!」

浩介は嬉しそうにそう言い、飛び出た先を見てみるとそこには

「スライムだぁ!!!っ!」
「スライムだぁ!!!っ!」

何故かハモる浩介とフェリス

異世界に来て初めての魔物、しかもテンプレのスライム、ラノベ厨の浩介が興奮しないわけがない。

初めて生で見るスライムは水たまりがそのまま立体になったような形状をしていてプルプルしていた。

「テンプレスライムじゃないか!!フェリス!ステータス調べも兼ねて倒しに行くぞっ!!」

「はいっ!」

スライムに向かって飛び出す浩介。武器は何もないがスライムなので取り敢えず素手で殴れば何とかなるだろうと考えていた。

「おぉぉぉぉっ!」
浩介の拳がスライムに届く!!

ブチャっっ!!

拳の当たった部分が凹みスライムが四散した。四散したスライムにはそれ以後動く事が無い。

「、、、、やった!やったぞ!!フェリス!!初めてスライム倒したぞ!!、、、ってフェリス??」

大はしゃぎでフェリスを見る浩介。てっきりフェリスも喜んでくれていると思っていたが何だか青い顔押している。その視線の先を辿ると、、、四散したスライムがかかったセシル、いやクレーマー卵がいた。

「、、、上等じゃわれぇぇ!ゴミ虫が何しよる!!」

その後セシルが元に戻るまで物凄く時間がかかったのは言うまでもない。



そんなこんなでスライムとクレーマー対応が終わった浩介達。敵を倒すとレベルアップが定番だが、浩介に何ら変化は起きていなかった。

「スライム倒したがレベルアップ感が全くないけど、、、フェリス!ステータスの確認をお願いしてもいいか」

「はいっ!」

ステータス表示!!

冴島浩介
レベル1
HP:12
MP:7
力:5
速:4
知:4
運:4

スキル
【#我が王道__浩介の物語__#】:レベル1/5
#唯我独尊__俺のラノベ美学__#:300/1000

速読
念話(フェリスに限る)

称号
転移者
ラノベマスター
めんどくさがり屋
???

「変わりないな、、スライム一匹じゃレベルは上がらないと、、ドラクエも3体くらい倒さないと上がらないしそんなものか、、、ん?#唯我独尊__俺のラノベ美学__#:300/1000になってるな。敵を倒すと上がるのか、それとも条件が、、」

「んーわかりませんねぇ」

残念がる二人。

「まっ上がらないものは仕方ない、そのうち上がるだろう」

と楽観的な浩介だった。

スライムを倒してから数刻、それから魔物が襲ってくることも無く、三人は町への道を歩いていた。

「お二人様。そろそろ町が近いですわ」

どうやらもうすぐ町に着くようだ。

「セシルさんセシルさん」

「町に入る際、セシルさんは大丈夫何でしょうか??」

「大丈夫とは??」

「いえ、言いにくいのですが町って人が沢山居ますよね??魔物?のセシルさんが入ると色々問題がおこるんじゃ、、」

その問いにセシルは納得したのか

「あぁ確かにそうですね。でも大丈夫です。今回ご案内する町は私共魔物の町ですから」

そういうと先頭を歩き出したのだった。

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