ラノベ厨の異世界戦記

ノベルバユーザー251204

冴島浩介

月明かりが高層ビルを照らし、人々が眠りについた頃。そんなビルの一室にひとりの男がいた。

「はぁ、今日も終電かよ、、いやっ!このままじゃ社内で寝袋か、、死にてぇ」

登場最初のセリフでまさかの死にてぇと言いよるこの男、名前は冴島浩介という。本作の主人公なので彼のプロフィールを紹介しよう。

冴島浩介33歳、中肉中背、高さのある方鼻、目も大きく奥二重、身だしなみも整っており一般的にはイケメンに近い部類に属する。話も上手く彼女も途切れたことがなく社交的、おおよそラノベの主人公とは言えないスペックを誇っている。
そんな浩介だか2点か欠点があった。。

プルルルル、プルルルル!

浩介の右ポケットのスマホから着信音が流れた。

「ん??電話?誰だこんな時間に」

煩わしく思いながらもポケットからスマホを取り出し画面を見た浩介は顔を顰めた。

「有紗か、、、めんどくせぇ。」

そう呟くと迷わず切ボタンを押す。
直後
プルルルル!プルルルル!!プルルルル!再度鳴り響く着信音。浩介の顰めっ面は深みを増し続ける。その間も鳴り響く着信音。

「ちっ!取りゃいいんだろ!取りゃ!」

そう悪態をつき通話ボタンを押すとスピーカーから甲高い女性の声が響き渡る。

「ちょっと浩介!!何電話切ってんのよ!!てか、今日記念日でウチに来て祝おうって話だったじゃない!!どう言うことよ!ってか今どこ?!」

「職場」

素っ気なく返す浩介に有紗の声はさらにトーンが上がる

「職場!?あんたの職場からウチまでもう終電間に合わないじゃないの!何?!今日は必ず帰るし、残業もしないですぐ帰るって言ってたじゃない!!連絡もないから心配だったけど、てっきりサプライズかと思って今まで待ってたのに!!私はバカか!!」

「、、、」

「黙ってないでなんとか言いなさいよ!!」

「せぇ、、」

「何?!何ていったの!」

「めんどくせぇ、、、」
浩介のその呟きは有紗の事を思いやる雰囲気もなく、ただただ疲れきっていた。

「めんどくせぇ?!めんどくせぇって何よ!!」

そんこ浩介の言葉でさらにポルテージが上がる有紗。続けて文句を言おうとしたその時

「お前めんどくせぇからもういいわ」
「ちょっ!どういっ」
ブツッ

有紗の言葉の途中で電話を切り、そのまま電源を落とす浩介。

「本当めんどくせぇ」

そう浩介の2つの欠点とは
「愛がわからない」「めんどくさがり屋」

だったのだ。

ここで少し語弊の訂正をしておこう。

愛がわからないと言ったが、浩介にだって人を好きになる事は普通にある。彼女ができる度にドキドキもするし、性欲も普通にある。ただ、なまじスペックが良いため相手から告白をされれば大抵付き合って見るかと言う風に流され続けてきた。
彼女が途切れる事はないが、自分から告白する事はなく全て相手からの告白で付き合っている。もちろん付き合ってる際はキチンと彼氏をしているし、本人は至って真面目だ。しかし、自分から告白をする必要がないと言うか、そう言う女性に巡り合えてなく、熱しやすく冷めやすい人間というのがしっくりくるかもせれない。

「めんどくせぇけど、まぁその内なんとかなるだろ」

そう呟くと終わる予定のない仕事に取り掛かる浩介であった。

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