ゼロから始める異世界救済

ゲーマー黒の剣士

7話 決裂

「思ったんだけど、お姫様の部屋って、食堂から結構近いんだな」
「……」
「…ん?どうした?」
「…あの、私にも一応名前があるので、ずっと『お姫様』と言われるのはちょっと…」
(…そういえば、俺って彼女と王女様とお姫様って呼び方しかしてなかったっけ?)
「あぁ、悪い悪い。シェレールさん」
「呼び捨てで構いませんよ。これからよろしくお願いします。和人さん」
と言ってシェレールが手を差し出してきた。
「了解だ。よろしくな、シェレール」
俺はそう言って彼女の手を握った。
そんな事をしていると…
「あ、和人くーん!」
「お、雪篠か」
「私もいるわよ」
「美琴も一緒か。食堂に行くのか?」
「うん。和人君も一緒に行かない?もちろん王女様も一緒に」
「シェレールでいいですよ。それでは、ご一緒させていただきますね」
「それじゃ、遅れるといけないし行くか」
「そうね 。さっさと行きましょ」
さっそく3人が仲良くなった所で、俺達は食堂に向かうことにした。
「それで?話って一体なんの話だったわけ?」
「…えっと、お二人は……」
「もちろん知ってるわよ。ステータスの件なら、私達は既に見てる」
「そうだったんですね。ならよかったです」
「…そう言えば、俺のステータスは見せたけど、見せてもらった事はなかったっけ?」
「確かにそうだね。あとで見てみる?」
「そうするよ。今見ると遅れちゃうし」
「2人共、着いたわよ」
雪篠とステータスについて話していると、いつの間にか食堂に着いていた。
いい臭いがした為、さっそく扉を開けて中に入った。
中に入ると、縦長の机に沢山の料理が並んでいた。
「うわぁ…!すごーい!」
「恐ろしい数ね…食べきれるのかしら…」
「確かに凄い数だな。まぁ、食べきれなくもないが…」
(と言うか、王国がピンチなのにこんな贅沢していいのか?まず、こんな量の食料を何処で手に入れたんだ?)
「とりあえず、何処かに座りましょうか」
とシェレールが言ったので、俺達は適当な所に座った。
暫く待っていると、修とその取り巻き、他の奴等が入ってきた。
一瞬だけ修と目が合ったが、不機嫌そうに目を逸らした。
「何あいつ…嫌な感じ」
「ほっとけ。絡まれるとろくな事にならん」
なんて会話をしていると…
「お待たせしました。これより、皆様の歓迎会を行いたいと思います。冷めないうちに、お召し上がりください」
と言われたので、さっそく食べることにした。
俺が手に取ったのは、日本で言うローストビーフだ。赤い肉に濃厚なタレが付いていて、食欲をそそる臭いがする。
「いただきます」
パクっ
「これは…」
(う…旨い!)
口の中に入れた瞬間、肉とタレの香りで口の中が満たされ、噛めば噛むほど肉汁と旨味が溢れてくる。
「ん~♪おいしい!こんなの初めて食べた!」
「どうやったらこんなにおいしく出来るんだろ…あとでレシピ教えてもらおうかな…」
なんて言いながら食べ進めていると、いつの間にか、沢山あった料理が無くなっていた。
食べ物の力って恐ろしいな。
「ふぅ、食べたな~」
「そうだね~。結構食べちゃった…」
「はぁ…また痩せないと…」
「そうですね。運動しなきゃ…」
なんて言っていると…
「これで、歓迎会を兼ねた夕食は終わりとなります。消灯の時間には鐘が鳴りますので、それまではご自由にお過ごしください」
さて…これからどうするかな。
…そう言えば、雪篠にステータス見せてもらう約束してたな。丁度いいし見せてもらうk
「和人」
「……なんの様だ。修」
「考え直せ」
「…は?」
「忘れたなんて言わせないぞ」
「……はぁ、あれか…言っておくが、俺の意志は変わらないぞ」
「ふざけるな!」
と言って、修が俺の胸倉を掴んできた。
「な、なんだ?」
「修と和人が喧嘩してるぞ!」
「だ、誰か止めた方がいいんじゃ…」
そして案の定、周囲がざわつき始めた。
「誰かが助けを求めていて、それを助けるのは人として当然の事だろ!しかも、食事や寝床まで提供してもらってるのに、それが恩人に対しての礼儀か!」
「そんなの知るか。そもそも、いきなり異世界に召喚されて、いきなり救ってくださいとか、挙げ句のはて魔王を倒さないと元の世界に帰れない?身勝手にも程がある。大勢の人間の人生をぶち壊したんだ。これぐらい当たり前だろ」
「ッ!お前…!」
「ちょっと!2人共止めなさいよ!」
「そうだよ!こんな所で争う必要なんてないよ!2人共落ち着こう?ね?」
「2人こそ、目を覚ませ!こんな奴の言葉を信じるな!」
「修の言う通りだ!」
「2人共、目を覚まして!」
はぁ…ようやく収まるかと思ったのに…面倒くさい奴だな…取り巻き共も邪魔だし…
「目を、覚ます?」
「あぁ、そうだ!」
「…それ違うよ」
「…え?」
「私はね、修君。自分の意思で和人君側に付いてるの。和人君が正しいと思ったから、そうしてるの」
「なっ…」
「私もよ。和人の方が正しいと思ったから、和人の方に付いた。それだけ」
「ッ!?」
どうやら、二人の言葉は効果抜群らしい。
「と言うことだ。大人しく引いてもらいたいんだが、文句はないな?」
「…ちっ。調子に乗るのよ和人。勇者の俺に歯向かうとどうなるか、教えてやる!」
そう言って修は、腰に下げていた長剣に手をかけた。






















「ゼロから始める異世界救済」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「ファンタジー」の人気作品

コメント

コメントを書く