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智沙美の冒険～百姫の主の物語～

ノベルバユーザー255728

プロローグ

　その日、世界が燃えた。少なくとも、彼女の世界が燃えていた。

「パパ―――！！ママ――――！！おにいちゃーーん！！」

　ミサイルや、焼夷弾が降りしきる中、一人の少女は、火の海となった街を歩いている。家族の名前を大声で叫びながら。しかし、その声に反応する者はいない。

「優香ちゃーーん！！神木くーーん！！桜―――！！」

　少女は叫び続ける。しかし、帰ってくる声はなかった。

　とある国が、無差別にはなった核爆弾、その数１００。最新鋭の技術により、先進国の大都市を焼き払った。その宣戦布告を受け、各国はその国を圧倒的な武力で応戦した。しかしながら、その国の軍事力は高く、各国の戦力を押し返した。
　その国の名は、『よみがえりし伝説の都・アトランティス』。かつて、海底に沈んだとされた王国は、現代の技術をはるかに超える文明を持ち、現代によみがえった。最初は、各国と友好的な関係を築いていたが、それらをふいにする形で戦争を始めた。

　そしてここ、日本のある街も、戦禍に飲まれ、一人の少女を残してすべての人間、生物は息絶えてしまった。そして、その少女も、焼夷弾の直撃を受けて死んでしまった。

「ああ、今度の世界は、平和な世界がいいな...」

　それが、少女が残した、最期の言葉だった。

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