楽しむ異世界生活
49話 眠りのレム
レインとネロが、ソルナントに攻撃を仕掛ける。剣術の達人の魔術の達人二人が、同時に戦ってもソルナントは全然効いていない。
全ての魔力を使用して、身体強化をしているようだ。
俺も大天使化した状態で、脳内に残っているレインによってリミッターを解除してもらった。
「ぐっっ……」
全身の身体能力も、魔法の発動も全てにおいて強化されたみたいだが、体に対する負担が大きすぎる。
俺に操れるのか?
3人係でソルナントへと攻撃を仕掛ける。
なんとか俺の攻撃は通っているようだが、レインとネロはダメージを食らっていて、体力切れでやられるかもしれない。
なんとかリミッターをかけて、体の負荷ををゼロにしながら戦っていた。
ソルナントの体も、だんだん壊れつつある。そんな時だった。
レインとネロが後ろへと飛ばされて、ソルナントの攻撃が俺へと集中した。
「ぐっ……このままだと……」
「レム様…すみません…………」
このままだと、体に負担がかけられ続けて、俺の体も壊れてしまう。
そうなる前に、なんとかソルナントを倒さないといけない。
だが、流石運命を操る能力だ。俺の攻撃をたまたま防いでる。たまたま攻撃を与えてる。
そういう偶然が重なって、圧倒的に俺が押されている。
このままだと耐久戦になってしまい、二人とも体が壊れてしまう。
どちらかと言うと、ソルナントの方が押している。
俺の体も、ソルナントの体も、壊れていっている。
俺は剣を持っている右手が、うまく動かない。
「ぐっ……がっはっ…………」
ソルナントの左手が、俺の右手の骨を折った。
ソルナントの方が有利に見えるが、ソルナントの体はまともに動かない状態だ。
しかし、運命を操る能力に操られて、魔力で無理やり動かされている状態だ。
『レム様! 逃げた方が良いです!
このまま戦っていては負けてしまいます!!』
『逃げるためにリミッターをかけてしまったら、ソルナントの運命を操る能力によって殺されてしまう。
どうせなら互いにソルナントを殺してから死んだ方が良いだろ?』
『ダメですッ!! レム様だけはどうか助からないと! ダメなんです!!』
《レインによる強制操作が開始しました》
『おっ、おいっ!! お前っ!!』
『大丈夫です。ソルナントを殺して……レム様が生きれば良いのでしょう…?
私はレム様の命令に従います……ですが。レム様の体に負担がかかりますが良いんですね?』
確かに、俺の体の方が魔力量も多いし、レインなら完璧に扱えるだろう。
『頼むぞ……。俺が生きて、ソルナントを殺す。
それさえできるなら、俺はどうなったって良い』
『レム様……。それ以外に手はないのです……、レム様の体が壊れてしまっても、良いのですね?』
『ああ……任せる』
そうして、レインによる操作によってソルナントとの戦闘が始まった。
ーーー
真っ暗に染まった森の中。荒れ果てた地にソルナントと俺は横になって倒れていた。
ソルナントも俺も、なんとか息をしている。
『ソルナントは、このまま放っておいたら死にます。
いまから最後の魔力を使用して、宿屋へと転移します。良いですか?』
『ああ。頼む』
次の瞬間。俺の意識は無くなった。
ーーー
宿屋の一室に、レムの体が横たわっている。
もう、10年ほど経っているだろう。俺、アキヒトはレムの生還を祈って、ずっと部屋にいる。
10年前。レムはとある依頼で、あの転生者ソルナントに襲われた。
その戦闘によって、東の森は全て腐敗し、ソルナントが死亡。レムの体は栄養も取らずに酸素を取るだけだ。
「レム姉、行ってきます」
23歳になったケルミアは、レムに祈りをささげて、今日も冒険者の仕事を続けている。
25歳のレムの近くには、丸くなった黒猫がずっと横になっている。
こいつも、レムの帰りを待っているんだろうな。
レムの体は、生きるために必要な栄養を、魔素によって生み出すことによって、なんとか生きている。
だが、体も顔もやせ細っていて、髪は真っ白になっている。
「レム。転生者としてお前に会ってから、楽しかったよな。
お前が学園から出ていって、俺も冒険者として生活していたんだ。……はぁ」
この話、毎日してるな。
今日はレム、起きるのかな。
全ての魔力を使用して、身体強化をしているようだ。
俺も大天使化した状態で、脳内に残っているレインによってリミッターを解除してもらった。
「ぐっっ……」
全身の身体能力も、魔法の発動も全てにおいて強化されたみたいだが、体に対する負担が大きすぎる。
俺に操れるのか?
3人係でソルナントへと攻撃を仕掛ける。
なんとか俺の攻撃は通っているようだが、レインとネロはダメージを食らっていて、体力切れでやられるかもしれない。
なんとかリミッターをかけて、体の負荷ををゼロにしながら戦っていた。
ソルナントの体も、だんだん壊れつつある。そんな時だった。
レインとネロが後ろへと飛ばされて、ソルナントの攻撃が俺へと集中した。
「ぐっ……このままだと……」
「レム様…すみません…………」
このままだと、体に負担がかけられ続けて、俺の体も壊れてしまう。
そうなる前に、なんとかソルナントを倒さないといけない。
だが、流石運命を操る能力だ。俺の攻撃をたまたま防いでる。たまたま攻撃を与えてる。
そういう偶然が重なって、圧倒的に俺が押されている。
このままだと耐久戦になってしまい、二人とも体が壊れてしまう。
どちらかと言うと、ソルナントの方が押している。
俺の体も、ソルナントの体も、壊れていっている。
俺は剣を持っている右手が、うまく動かない。
「ぐっ……がっはっ…………」
ソルナントの左手が、俺の右手の骨を折った。
ソルナントの方が有利に見えるが、ソルナントの体はまともに動かない状態だ。
しかし、運命を操る能力に操られて、魔力で無理やり動かされている状態だ。
『レム様! 逃げた方が良いです!
このまま戦っていては負けてしまいます!!』
『逃げるためにリミッターをかけてしまったら、ソルナントの運命を操る能力によって殺されてしまう。
どうせなら互いにソルナントを殺してから死んだ方が良いだろ?』
『ダメですッ!! レム様だけはどうか助からないと! ダメなんです!!』
《レインによる強制操作が開始しました》
『おっ、おいっ!! お前っ!!』
『大丈夫です。ソルナントを殺して……レム様が生きれば良いのでしょう…?
私はレム様の命令に従います……ですが。レム様の体に負担がかかりますが良いんですね?』
確かに、俺の体の方が魔力量も多いし、レインなら完璧に扱えるだろう。
『頼むぞ……。俺が生きて、ソルナントを殺す。
それさえできるなら、俺はどうなったって良い』
『レム様……。それ以外に手はないのです……、レム様の体が壊れてしまっても、良いのですね?』
『ああ……任せる』
そうして、レインによる操作によってソルナントとの戦闘が始まった。
ーーー
真っ暗に染まった森の中。荒れ果てた地にソルナントと俺は横になって倒れていた。
ソルナントも俺も、なんとか息をしている。
『ソルナントは、このまま放っておいたら死にます。
いまから最後の魔力を使用して、宿屋へと転移します。良いですか?』
『ああ。頼む』
次の瞬間。俺の意識は無くなった。
ーーー
宿屋の一室に、レムの体が横たわっている。
もう、10年ほど経っているだろう。俺、アキヒトはレムの生還を祈って、ずっと部屋にいる。
10年前。レムはとある依頼で、あの転生者ソルナントに襲われた。
その戦闘によって、東の森は全て腐敗し、ソルナントが死亡。レムの体は栄養も取らずに酸素を取るだけだ。
「レム姉、行ってきます」
23歳になったケルミアは、レムに祈りをささげて、今日も冒険者の仕事を続けている。
25歳のレムの近くには、丸くなった黒猫がずっと横になっている。
こいつも、レムの帰りを待っているんだろうな。
レムの体は、生きるために必要な栄養を、魔素によって生み出すことによって、なんとか生きている。
だが、体も顔もやせ細っていて、髪は真っ白になっている。
「レム。転生者としてお前に会ってから、楽しかったよな。
お前が学園から出ていって、俺も冒険者として生活していたんだ。……はぁ」
この話、毎日してるな。
今日はレム、起きるのかな。
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