楽しむ異世界生活

フーミン

35話 森の探検

次の日の朝からは、ケルミアに叩き起こされて森の中を探検することになった。
 よく小さい頃、レインと一緒に探検してたのを思い出すな。


『ええ、あの頃もレム様は可愛かったですよね』


そんな事は聞いてない。
 俺はケルミアについていって、森の中で俺がまだ行ったところのない場所へ向かう。
 昔は俺は戦闘能力は無かったから、遠くに行かないようにしていたが、今の俺はそれなりに強い。
 ケルミアの好きな場所に行かせることができる。


「レムお姉ちゃん! 池があるよ〜!!」


ケルミアがピョンピョンと跳ねて、俺を呼ぶ様子は随分と可愛い。


「今行くよ〜」


この池は、昔俺が行こうとしたけど結局行けないでいた場所だな。
 この世界の池は、魔力が含まれていて、傷を癒したりしてくれる池もあるらしい。
 俺は家から持ってきた小さなビンに、池の水を入れる。


「何してるの?」
「この池の水は、傷を癒してくれる効果があるんだよ。
 医療魔法が使えなくても、怪我した場所に水をかけると治るんだ」
「へぇ〜なんでも知ってるんだね」
「授業で習ったことだからね」


こういう水に、更に改良を加えた物は店で売られることもあるらしい。
 飲んでも効果はあるらしいが、傷につけた方が効果的だ。
 俺は習った知識を活かせるように、役に立つ薬草やキノコを持ってきた籠の中に入れる。


「レムお姉ちゃん! 洞窟みたいなのがあるよ!」
「っ! 危ないから入ったらダメだよ!」


洞窟には魔物が潜んでいることがある。レインはこの近辺に魔物はいないと言っているが、念の為だ。


「ねぇ〜……楽しいことしようよ」
「そう言われても……。この近くには何もないからねぇ」
「じゃあ洞窟に探検に行こうよ。レムお姉ちゃんがいるなら大丈夫でしょ?」
「まあ……そうだけど」


このままケルミアに、暇をさせるわけにはいけないし。少しくらいなら大丈夫だろう。
 洞窟の中は暗くて何も見えない状態だった。
 指先に、魔力を集中させて光をイメージする。


《魔法スキル:光属性を獲得しました》


魔素濃度が高いのか、すぐに魔法を発動する事ができた。
 洞窟は魔素濃度が高い代わりに、魔素によって突然変異した魔物が多い。この洞窟が大丈夫なら良いんだけどな。
 ケルミアは、あれほど行きたいといっていたのに、いざ中に入ると怯えて俺の服を掴んでいる。


「帰る?」
「帰らない」


今のところ、魔物の気配は感じられないので、どんどん奥に進んでいく。
 洞窟の中は、鉱石等があったので、採れそうな物は取って籠の中に入れた。
 さらに奥に進むと、行き止まりだった。


「なぁ〜んだ……つまんないの」
「まあまあ。魔物がいなくて良かったじゃん」
「いた方が楽しかったけど〜…」
「そう言わずに、帰るよ」


結局、元きた道を引き返して森の中に出る。
 深く深呼吸をして、美味しい空気を吸うケルミアも真似して深呼吸をする。
 ピョンとした犬耳が、ピクピクと動いて実に可愛らしい。


「何か聞こえなかった?」
「ん? 特に何も聞こえなかったけど、何が聞こえたの?」
「ん〜……あっちの方から叫び声が……」


あっちは家とは反対の方だろう。
 これ以上家から離れるのも良くないが、叫び声となると気になるな。


「きゃっ!」


ケルミアを抱えて、自身の出せる最高速度で叫び声のしたという方向へ向かう。


「あ、もう少しあっち」


ケルミアに支持されながら、木々を避けつつ走っていくと、人の声が聞こえてきた。
 一体何が起きているのだろうか、

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