楽しむ異世界生活

フーミン

29話 温泉

部屋に戻って、ケルミアちゃんに沢山甘えられた。
 俺がいないとダメなようで、明日からは一緒に行動するか。
 ベッドに入って横になると、ケルミアも同じベッドに入ってきた。


「今日くらい良いでしょ?」


そういって抱きついてくるケルミアちゃんは、最高に可愛い。
 頭を撫でながら、眠りについた。


次の日から、ケルミアちゃんと一緒に授業を受けることにした。
 いつもはそれぞれ受けたい授業の場所に言っていたのだが、今日は俺の方についてきた。
 俺が真剣に授業を受けている間、周りのヤンキーに怯えながら俺の真似をするケルミアちゃんは、とても微笑ましかった。
 授業が終わってから、温泉に行くことにした。
 学園内には、温泉が2箇所存在していて、3日に1回使えるようになる。


俺がケルミアちゃんの体を洗ってあげている光景を、温泉に来ていた他の女子生徒も微笑ましく見ていた。
 前まで裏番長として怯えられていた俺が、小さな子供のお世話をしているのだ、ギャップに惚れる男も多かった。
 ケルミアちゃんと一緒に風呂に入って、美しい女体を眺める。中身は男だが、女として生きていく為には、仕方の無いことだ。


「レムお姉ちゃん。目が怖いよ?」
「ん? そんなことないよ〜。ケルミアちゃん、あそこの女の人、良いお尻してると思わない?」
「レムお姉ちゃんは、お尻が好きなの?」
「お尻だけじゃない。女の子の体全てが好きなんだよ。ケルミアちゃんも、分かるようになるといいね」


自分でも小さな女の子に何を教えてるんだ。と思ったよ。
 俺とケルミアちゃんで、温泉に浸かっている女の子達の体を眺めて話していた時だ。
 「キャー」という悲鳴が響き渡る。覗きか?
 しかし、女湯が開放される日は、男湯は使用禁止になっている。
 悲鳴がした方に裸のまま駆け寄ると、授業で習った魔物。ガーゴイル達が女子生徒を捕まえたり、中には背中から血を流して倒れてる女子生徒もいた。
 俺は初めて魔物を目の前で見た。その姿は恐ろしく、恐怖心すら感じる。
 だが、この恐怖心は魔物が発する精神魔法の1つと習っている。
 恐怖に震えながら、なんとかケルミアちゃんを守ろうとガーゴイルに背を向ける。
 ケルミアちゃんは、俺の体に包まれて守られている。
 ケルミアちゃんだけは守らないと。という感情で一杯になる。
 目を瞑っても、周りの女子生徒の悲鳴。ガーゴイル達の鳴き声が、嫌というほど聞こえてくる。
 逃げたい、逃げたら命は助かる。でも、体が動かないのだ。


『レム様! レム様! うぅ、精神状態が不安定で、私には何も! ネロ! レム様を助けて!』
『まずい。精神状態が不安定で、レムの魔力が暴れてる。
 僕がそっちに行くには指輪に魔力が通ってないと行けない』


レインとネロも、何も出来ずに焦っているようだ。


 ついに、女子生徒の悲鳴も聞こえなくなり。レムの耳には、ガーゴイルの鳴き声と足音。
 レムの周りにはガーゴイルが集まっていた。
 なぜ殺さない。一体何をしてるんだ。
 レムは恐怖しながらも、目を開いて目の前の光景を理解しようと脳をフル回転させる。
 しかし、あまりの突然の出来事に頭の中が真っ白になってしまっている。
 ガーゴイル達は、レムを囲むように集まって、ニヤニヤと笑っている。
 レムは、死を覚悟した。死が身近に迫っている事実を理解した瞬間。意識を手放した。


ーーー


?「なぜ魔王軍がここに!」


1人の男が森を探索していた時、上空にガーゴイルを群れを見つけた。
 ガーゴイル達が向かっている方向はウォーデンスブル学園。
 男はガーゴイル達を追うように走り出す。
 その男が持つ光のような剣が、より一層輝きを増している。


ーーー


その日、ウォーデンスブル学園では、ガーゴイルによる女子生徒の大量虐殺という事件が起きた。

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