楽しむ異世界生活

フーミン

21話 騒動後

「レムさん!大丈夫かい!?」


校内を案内してくれたカナ先輩が、話を聞きつけたのか汗を垂らしながら、部屋に入ってきた。


「一応大丈夫ですよ。使い魔のネロが助けてくれました」
「ほっ……良かった。
 それにしてもあのソルナント君が、まさか転生者で襲ってくるとはね……。
 執事服を着た人が色々と話してくれたよ。あの人は知り合い?」


執事服という事はネロだな。


「はい、ネロです」
「ん? ネロは猫じゃなかったっけ?」
「ネロは魔族猫で、人に化けることができるみたいです」
「そうなのか……凄いな。
一先ずレムさんが無事で良かったよ。大事な後輩だからね」


後輩思いの先輩。こういう人がモテるのだろう。
 先輩は俺に気を使って、背中を優しく撫でながら話をしてくれている。
 ソルナントは職員の方で処罰を与えるようだ。2度とレムに関わることはないらしい。


「先輩が来てくれて、少し落ち着きました。ありがとうございます」
「お礼を言うなら、そこにいるネロにね」


気がつくと、横に猫型のネロが横になっていた。


「ネロ。助けてくれてありがとう」
「レムを守るのが役目だからね」


ネロは、守って当然といった素振りだ。
 尻尾が揺れていることから、褒められて嬉しかったのだろう。隠せないぞ。
 しばらくして、職員達が何人かやってきて俺の精神状態を確かめにきた。何の問題もないという事で、しばらくは部屋でゆっくりして授業はでなくて良いそうだ。


「あの。この部屋は1人部屋になるんですか?」
「いや、新入生が来たらこの部屋に入れようと思う。勿論、今回のようなことが起こらないように女の子をね」


学園に来た時、最初にあったダークエルフの先生は、俺の強く握られて手形が残っている足首に医療魔法をかける。


それから、まだ俺と喋ったことのない職員と自己紹介をして、アキヒト先生と俺だけが部屋に残った。


「全く、気をつけろって言ったよな?」
「んなこと言われても、いままで気づかなかったんだしさ……」
「まっ、大事なもん奪われなくて良かったな」
「はいはい」


アキヒトとは同じ転生者同士、心を開いて話すことができた。


「まあ今回は俺のガードが薄かったってのもあるな」
「そうだな。いまも俺が襲おうと思えば襲えるんだぜ?」
「その場合、あんたは社会的に死ぬだろうけどな。
 俺はアキヒトを信用してるんだ」


じゃなけりゃ、こうやって前世での口調を他人に使うことはない。
 アキヒトは、レインとネロ同様に心を開いている。


「そんじゃ、職員も忙しいんでな。
 部屋でゆっくりしてると良い。またな」
「ああ、またな」


アキヒトが部屋から出ていったのを確認すると、ネロに抱きつく。


「あぁ〜ありがとう! そしてモフモフ!」


ネロのお腹に頬を擦り付ける。
 やはり猫の体は良い。骨格といい筋肉といい、尻尾も耳も全てが良い。


「苦しい……」


そういいつつも、受け入れてくれるネロは最高の使い魔だ。
 はぁ…その綺麗な体。俺も猫になりたかったな。


『猫に変身しようと思えばできますよ?』


なっ!何!? それは誠か!?


『はい。魔物や魔族猫なんかは無理ですが、一般的な動物には化けることができます』


……そんな魔法があるとは。
 俺はいままで無駄な時間を過ごしていたようだ。
 猫に化ければ、自らが大好きな猫の体を自分で好きにできる。
 さらには美少女にモフモフしてもらったり、美少女にモフモフしてもらったり……。


「レイン! いますぐその魔法を使いたい!」
『では、化けたい対象をイメージしながら《変身》と念じてください』
「へ〜ん…しんっ!!」


《変身スキルを獲得しました》

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