楽しむ異世界生活

フーミン

3話 知識集め

 まだしっかりと森の中を歩いたことがない俺は、家が見える範囲で散歩する事にした。
 森の中は、小さな虫や小動物。綺麗な花や毒々しいキノコなどがあった。
 そして気になった物を見てると、レインが詳しく教えてくれるのだ。
 例えば、すぐそこに生えている茶色いキノコ。


『このキノコは畑の肥料に使われるのが一般的ですね。食べることもできますが、味はほとんどありません』


このように、どんどん知識が入ってくる。
 散歩しているだけで勉強ができるのだ。
 

「そういえば、この近くに魔物はいないの?」


魔物というのは、魔素によって突然変異した動物。
 魔法を使ってくるものもいれば、身体強化で突進してくる魔物もいる。


『この近くに魔物らしき反応はありませんね』
「つまんないね〜」
『小動物に無理矢理魔素を入れて魔物化させる事もできますが。どうします?』


とんでもない事を言うもんだ。
 魔物を作りだすってなると、もはや魔王じゃないか。


「流石にそれは駄目だよ。あくまでも平和に行こう。それで、この近くに池とかはあるかな?」
『池ですね。え〜っと……今向いてる方が東で、ここから南の方へ真っ直ぐ行くと大きな池がありますよ。ですが、家から離れてしまいますので……』
「そうだねぇ〜……親に許可を貰わないとね」


とりあえず、家に戻ることにした。
 家に帰ると、すでに父も帰ってきてるようだ。


「おぉレム。どこに行ってたんだ?」
「ちょっと近くの森を探検に。ほとんど離れていないから大丈夫だったよ」
「そうかそうか。実はな、近々街に行くことになったんだが、レムも来るか?」


街? 確かに行ってみたい気はあるが、距離や移動方法による。
 流石に時間がかかるようじゃ暇だし、その時間があるなら森を探索していたい。


「ここから街は遠いの?」
「遠いと言われれば遠いが、半日で付く。街から馬車が来てくれるからそれに乗って向かう。どうだ?」


半日くらいなら大丈夫か。


「じゃあ行く。それで街に何をしに行くの?」
「実はな、父さんこう見えてもA級冒険者なんだ。レムに負けたが…………おっといかん。
 冒険者が集まる酒場があってな、昔の知り合いと久しぶりにあって、そこでパーティをすることになったんだ。
 ついでにレムを紹介しようと思ってな」
「……僕、人と会うの苦手なんだけど……」


俺は極度の人見知り。前世ではネットのSNSばかりやってたから人と会って話すのは大の苦手だ。


「まあ良いじゃないか。街についたらレムの好きなもの買ってやるよ」
「!! 分かった!」


その言葉、絶対に忘れないぞ。
 いつまでも親にもらった木刀振り回してちゃ格好付かないからな。
  街へは明日、朝早くから出発するらしい。
 夜は魔物が現れやすいようで、ほとんど明るい時じゃないと馬車は使えないそうだ。
 俺は自室へと戻って、ベッドに横になる。


『随分と嬉しそうですね』
「そりゃ、初めての街だからね」


明日まで時間があるし、念の為自分を守るための魔法を覚えようか。
 手を前に突き出し魔力を集中させる。
 次に、空気中に大きな盾があるのをイメージする。
 すると、だんだん前の空間が歪んで白くなり、シールドが完成した。


《防御スキルを獲得しました》


試しに、もう片方の手で火の玉を作成し、シールドに向けて飛ばす。
 飛ばす時もイメージするだけでできた。
 火の玉がシールドに当たると、弾けるように火の玉が消滅し、シールドを発動している手に少しだけ負荷がかかった。


「意外とできるもんなんだな」
『流石レム様です』


更に他の魔法も試す。
 最近は魔力の耐性がついたのか、魔力を集中させても負荷はあまり感じなくなった。
 木刀を持って、魔力を集中させる。


「! うおぉ」


手のひらから魔力が抜ける感覚がしたので、急いで止めた。


『物質には魔力を通さないと魔素を集めることができません。魔力は消えることはありませんが、体の魔力と物質の魔力に分かれます』


なるほど。
 もう一度木刀に魔力を流し込み、魔力が移動する感覚を体験する。


《魔力伝達を獲得しました》


そこから、剣に炎が纏うイメージをする。
 だんだんと、剣が赤くなり……
 ボォッ という音と共に燃え尽きた。
 しまった。という感情が湧いたが、どうせ明日街で剣を買ってもらうんだ。良いだろう。
 そして眠くなった、俺はベッドに横になり、眠りについた。

「楽しむ異世界生活」を読んでいる人はこの作品も読んでいます

「恋愛」の人気作品

コメント

コメントを書く