魔王LIFE
60話 これで良いのだ
そんな騒動の後、テレビでは俺の顔写真付きで報道されていた。
ㅤ結果、チュイッターのフォロワー10万人。海外の人にも人気らしく、英語で話しかけられたりする。
ㅤちょっと外を出歩けば、人に囲まれて写真を撮られる。それがすぐに拡散されて更にフォロワーが増える、というかなり大変な状況だ。
ㅤ散歩すら出来なくなった俺は、サハルの元に行って鏡の修復状況を見に来た。
「どう〜?」
「あ、ルト。一応修復は出来たんだ」
「何か問題発生?」
「いや、何も問題は無いけど。出来れば性能を上げたいと思ってね」
性能を? どういう事だろうか。
「どうやら、鏡に入れられる魔力は無限らしい。魔力がある間、その鏡を使って世界間を行き来できるゲートになる。
ㅤ魔力が尽きると鏡が割れる。修復されるまでは魔物を生み出すゲートになる。
ㅤそんな感じだね」
かなり調べたみたいだな。
ㅤという事は、最初から鏡を修復していれば帰れたって事か。今回の騒動も俺達のせいじゃねぇか。
「それで……性能を上げるっていうのはどういう事?」
「単純だよ。壊れないようにして、触れるだけで世界を移動できるようにするんだ」
「……出来るの?」
「頑張ってみるよ」
じゃあ邪魔しない方が良さそうだな。
「頑張って」
「ありがとう」
何の予定も無くなった俺。昔までは何も無い日常が一番好きだ、なんて言ってたが……何かする事が決まってないと暇で詰まらないな。
ㅤミシェル、リベルト、チヒロは地上の魔物達を討伐。リアンは俺の代わりに大量の取材を受けてるし……サハルは修復。
「……フェンディア! ……はダメか」
アイツなら適当に遊んでるだろう、と思ったが秋葉原でオタク達と遊んでるだった。
「何しよっかなぁ〜……」
しばらく暇になるな。
ーーーーー
自室のベッドの上で、異様な体勢で寝転がっているのは俺だ。
ㅤ暇すぎて、自分の体がどこまで柔らかいのか試していたら気持ち良い体勢が見つかったので、その状態で静止している。
「あぁ〜〜……」
暇すぎて変な声を上げる始末。
「……ルト、何してるんだい?」
「ふぇぇっ!? 居たのっ!?」
サハルの声が聞こえて、急いで体勢を戻す。
「今来たばかりだけど…………まあいいや。鏡、完成したよ」
「そ、そうなんだ」
恥ずかしい。俺、王女なのに、あんな格好、恥ずかしい。
「完成した〜といっても、まだ試してないんだけどね」
「じゃあ試してみる?」
俺とサハルで試してみよう。もしあっちの世界で壊れたとしても、サハルがいれば修復できる。
「よし、じゃあ行くよ」
起き上がってサハルと一緒に鏡を覗き込む。
ㅤ眩しい光によって何も見えなくなる。
「……お、終わった?」
「鏡は壊れてないね。外の様子を確認してみよう」
窓の外を確認する。
「あれ……地球のまんまだね。失敗かな?」
「いや……上を見てご覧」
空を見上げると、巨大な惑星がすぐ側に迫っていた。
「えぇっ!? ぶ、ぶつかるって!」
「どうやら魔力が多すぎて地球ごと転移したみたいだ。つまり……今この状況を打開するには、ルトの技能だ。
ㅤこの世界なら使えるんだろう?」
え……地球だから使えない……いやでもあの惑星は……あぁ〜分からん!
「え、えぇ〜い! ままよ!」
とにかく、地球に迫ってくる惑星を止めるようにイメージした。
「と……止まった……」
危うく惑星一つ消し飛ばすところだった……。
「ってことは……ここは元の世界なんだね……」
技能《世界の神》が使える。本当に地球ごと転移したようだ。
「……と、とりあえず! 地球に外部から魔力が入らないように結界張るよ!」
今の俺にしかできない技だ。地球全体に透明の結界を張った。
ㅤついでに空に浮かぶ惑星の位置を遠くにやった。
「とりあえず……これで転移だけで元の世界に戻れるようになった。という事だね」
「さっきの惑星……誰も見てないよね……」
「一瞬だし大丈夫」
しかし……地球が丸ごと別の宇宙に来たわけで、太陽の位置。1日の長さ、気温、季節、全てに置いて変わる……いや、俺が普通にすれば良いのか。
「なぁ〜んだ。この世界に来たんだし、もう何も心配いらないじゃん」
「そうだね」
《世界の神》が使えるようになった今、アキの言っていた4年後の悲劇は大丈夫そうだ……多分。
「ルト様大変です!」
「な、何っ!?」
「雑誌記者の方達が、本人を出せ! と怒っています!」
な、なんだビックリさせやがって。
「分かった。今行くよ」
俺の能力も元に戻った事だし、何か問題があってもすぐに解決できる。
ㅤ何も心配する必要は無いな。
ㅤ結果、チュイッターのフォロワー10万人。海外の人にも人気らしく、英語で話しかけられたりする。
ㅤちょっと外を出歩けば、人に囲まれて写真を撮られる。それがすぐに拡散されて更にフォロワーが増える、というかなり大変な状況だ。
ㅤ散歩すら出来なくなった俺は、サハルの元に行って鏡の修復状況を見に来た。
「どう〜?」
「あ、ルト。一応修復は出来たんだ」
「何か問題発生?」
「いや、何も問題は無いけど。出来れば性能を上げたいと思ってね」
性能を? どういう事だろうか。
「どうやら、鏡に入れられる魔力は無限らしい。魔力がある間、その鏡を使って世界間を行き来できるゲートになる。
ㅤ魔力が尽きると鏡が割れる。修復されるまでは魔物を生み出すゲートになる。
ㅤそんな感じだね」
かなり調べたみたいだな。
ㅤという事は、最初から鏡を修復していれば帰れたって事か。今回の騒動も俺達のせいじゃねぇか。
「それで……性能を上げるっていうのはどういう事?」
「単純だよ。壊れないようにして、触れるだけで世界を移動できるようにするんだ」
「……出来るの?」
「頑張ってみるよ」
じゃあ邪魔しない方が良さそうだな。
「頑張って」
「ありがとう」
何の予定も無くなった俺。昔までは何も無い日常が一番好きだ、なんて言ってたが……何かする事が決まってないと暇で詰まらないな。
ㅤミシェル、リベルト、チヒロは地上の魔物達を討伐。リアンは俺の代わりに大量の取材を受けてるし……サハルは修復。
「……フェンディア! ……はダメか」
アイツなら適当に遊んでるだろう、と思ったが秋葉原でオタク達と遊んでるだった。
「何しよっかなぁ〜……」
しばらく暇になるな。
ーーーーー
自室のベッドの上で、異様な体勢で寝転がっているのは俺だ。
ㅤ暇すぎて、自分の体がどこまで柔らかいのか試していたら気持ち良い体勢が見つかったので、その状態で静止している。
「あぁ〜〜……」
暇すぎて変な声を上げる始末。
「……ルト、何してるんだい?」
「ふぇぇっ!? 居たのっ!?」
サハルの声が聞こえて、急いで体勢を戻す。
「今来たばかりだけど…………まあいいや。鏡、完成したよ」
「そ、そうなんだ」
恥ずかしい。俺、王女なのに、あんな格好、恥ずかしい。
「完成した〜といっても、まだ試してないんだけどね」
「じゃあ試してみる?」
俺とサハルで試してみよう。もしあっちの世界で壊れたとしても、サハルがいれば修復できる。
「よし、じゃあ行くよ」
起き上がってサハルと一緒に鏡を覗き込む。
ㅤ眩しい光によって何も見えなくなる。
「……お、終わった?」
「鏡は壊れてないね。外の様子を確認してみよう」
窓の外を確認する。
「あれ……地球のまんまだね。失敗かな?」
「いや……上を見てご覧」
空を見上げると、巨大な惑星がすぐ側に迫っていた。
「えぇっ!? ぶ、ぶつかるって!」
「どうやら魔力が多すぎて地球ごと転移したみたいだ。つまり……今この状況を打開するには、ルトの技能だ。
ㅤこの世界なら使えるんだろう?」
え……地球だから使えない……いやでもあの惑星は……あぁ〜分からん!
「え、えぇ〜い! ままよ!」
とにかく、地球に迫ってくる惑星を止めるようにイメージした。
「と……止まった……」
危うく惑星一つ消し飛ばすところだった……。
「ってことは……ここは元の世界なんだね……」
技能《世界の神》が使える。本当に地球ごと転移したようだ。
「……と、とりあえず! 地球に外部から魔力が入らないように結界張るよ!」
今の俺にしかできない技だ。地球全体に透明の結界を張った。
ㅤついでに空に浮かぶ惑星の位置を遠くにやった。
「とりあえず……これで転移だけで元の世界に戻れるようになった。という事だね」
「さっきの惑星……誰も見てないよね……」
「一瞬だし大丈夫」
しかし……地球が丸ごと別の宇宙に来たわけで、太陽の位置。1日の長さ、気温、季節、全てに置いて変わる……いや、俺が普通にすれば良いのか。
「なぁ〜んだ。この世界に来たんだし、もう何も心配いらないじゃん」
「そうだね」
《世界の神》が使えるようになった今、アキの言っていた4年後の悲劇は大丈夫そうだ……多分。
「ルト様大変です!」
「な、何っ!?」
「雑誌記者の方達が、本人を出せ! と怒っています!」
な、なんだビックリさせやがって。
「分かった。今行くよ」
俺の能力も元に戻った事だし、何か問題があってもすぐに解決できる。
ㅤ何も心配する必要は無いな。
コメント