魔王LIFE
52話 「殺します!」「ダメ!」
その後、ミシェルにも会ったが鏡は持ってないようだ。
ㅤつまり知らない人物が鏡を持っているという事になる。国民達が持っているのか、それとも鳥に盗まれたか。
ㅤどちらにしろ見つけるのは困難だ。何か悪い事が起きなければ良いのだが……。
ㅤ一先ず、俺は地球の騒ぎが収まるのを待つしかない。
「ルッ、ルト様!!」
「ど、どうしたの?」
凄く焦った様子でリアンがやってきた。冷静に話を聞くと。
「ゴロゴロしてる場合じゃありません! 何か大きな……不思議な力で浮遊する魔物がこちらに迫ってきています! この前のヒコーキなんかとは違う形です! 凶器も持っています!」
「凶器!? つ、連れていって!」
リアンにその魔物が見える場所まで転移して貰い、すぐに辺りを見渡す。
ㅤこちらに近づいてきているのはヘリコプターだった。それも3体の。
「ま……マズい……」
「まずい!? やっぱりあの魔物は危険なんですか!?」
「このまま近づいてくると、結界の中に侵入する事になる。地上全体に私達の存在がバレる」
「今すぐ殺します!」
「ダメッ!」
もし殺してしまったら俺達は悪者という扱いになる。地上にとって害のない者達というように印象付けないとダメだ。
「じゃ、じゃあどうするんですか? ……この大地をまとめて転移させるなんて、今のルト様じゃできませんし……」
「サハルなら……」
「サハル様は地上で美味しい物を食べてくると……」
くそっ……肝心な時にいないな。となると……どうにかしてあのヘリを止める……。
「リアン。幻影魔法は覚えてるよね?」
「はい。ルト様とデートする為に」
「黒くて丸い幻影を結界の外に出して。なるべく目立つように大きく」
「分かりました……」
これでビックリして帰ってくれないだろうか……。
ㅤヘリの真横に、2倍の大きさはある球体が現れた。少しグラッと揺れた後、中にいる人物がカメラを向けた。
ㅤやはりこれだけでは帰らないか。
「同じような球体を増やして。囲むように」
「は、はい……」
ㅤそうして、ヘリの周りには巨大な球体がフワフワと浮かんだ。流石のメディアもこれにはビビっただろうか……。
ㅤしかし、そのままヘリは結界へと進んできた。球体に害が無いと思ったのだろう……。
ㅤ結界に入るまで、残り10mもない。早くなんとなして止めないと……あの無法なメディアめ……。
「こうなったら無理矢理止めるしかないね」
「どうするんですか?」
「あのヘリには……心臓みたいな大事な部分があるの。魔力で干渉して動きを止める」
「それだと……死ぬのでは……?」
「私が助ける」
助ける方法は考えてない。
ㅤヘリコプターの大体ここら辺だという動力部分全体に魔力を送った。すると、一気に機体が急降下。このままだと海に落下する。転移させるにも、今の俺は触れている物体しか転移させることが出来ない。
ㅤ自らをヘリの機体に転移させる。
「お、お前は宇宙人か!」
「死ぬぅぅ〜!!!」
ヘリの中は混乱状態。
「私達は貴方達の味方です」
それだけ伝えて、ヘリを適当なビルの屋上に転移させた。
ㅤ姿は見られたが、これ以外に手はなかった。最善を尽くせただろう。カメラは海に落ちている。証拠は残らない。
「ふぅ……」
「大丈夫でした?」
「証拠も消して、無事に地上に送り届けたよ」
即座に考えたとはいえ、それなりに良い印象を与えれたのではないだろうか。
ㅤしかし、これでメディアが寄ってこないとは限らない。今後どうやって対処していくか問題になるな。
「リアン。サハルが帰ってきたら私の部屋に来るように伝えて」
「分かりました。では今から部屋に戻るのですか?」
「うん、色々と考えなくちゃいけないからね」
「では失礼します」
リアンが転移したのを見て、俺も自分の部屋に転移した。
「忙しくなるなぁ……」
面倒な状況に頭を抱えた。
ㅤつまり知らない人物が鏡を持っているという事になる。国民達が持っているのか、それとも鳥に盗まれたか。
ㅤどちらにしろ見つけるのは困難だ。何か悪い事が起きなければ良いのだが……。
ㅤ一先ず、俺は地球の騒ぎが収まるのを待つしかない。
「ルッ、ルト様!!」
「ど、どうしたの?」
凄く焦った様子でリアンがやってきた。冷静に話を聞くと。
「ゴロゴロしてる場合じゃありません! 何か大きな……不思議な力で浮遊する魔物がこちらに迫ってきています! この前のヒコーキなんかとは違う形です! 凶器も持っています!」
「凶器!? つ、連れていって!」
リアンにその魔物が見える場所まで転移して貰い、すぐに辺りを見渡す。
ㅤこちらに近づいてきているのはヘリコプターだった。それも3体の。
「ま……マズい……」
「まずい!? やっぱりあの魔物は危険なんですか!?」
「このまま近づいてくると、結界の中に侵入する事になる。地上全体に私達の存在がバレる」
「今すぐ殺します!」
「ダメッ!」
もし殺してしまったら俺達は悪者という扱いになる。地上にとって害のない者達というように印象付けないとダメだ。
「じゃ、じゃあどうするんですか? ……この大地をまとめて転移させるなんて、今のルト様じゃできませんし……」
「サハルなら……」
「サハル様は地上で美味しい物を食べてくると……」
くそっ……肝心な時にいないな。となると……どうにかしてあのヘリを止める……。
「リアン。幻影魔法は覚えてるよね?」
「はい。ルト様とデートする為に」
「黒くて丸い幻影を結界の外に出して。なるべく目立つように大きく」
「分かりました……」
これでビックリして帰ってくれないだろうか……。
ㅤヘリの真横に、2倍の大きさはある球体が現れた。少しグラッと揺れた後、中にいる人物がカメラを向けた。
ㅤやはりこれだけでは帰らないか。
「同じような球体を増やして。囲むように」
「は、はい……」
ㅤそうして、ヘリの周りには巨大な球体がフワフワと浮かんだ。流石のメディアもこれにはビビっただろうか……。
ㅤしかし、そのままヘリは結界へと進んできた。球体に害が無いと思ったのだろう……。
ㅤ結界に入るまで、残り10mもない。早くなんとなして止めないと……あの無法なメディアめ……。
「こうなったら無理矢理止めるしかないね」
「どうするんですか?」
「あのヘリには……心臓みたいな大事な部分があるの。魔力で干渉して動きを止める」
「それだと……死ぬのでは……?」
「私が助ける」
助ける方法は考えてない。
ㅤヘリコプターの大体ここら辺だという動力部分全体に魔力を送った。すると、一気に機体が急降下。このままだと海に落下する。転移させるにも、今の俺は触れている物体しか転移させることが出来ない。
ㅤ自らをヘリの機体に転移させる。
「お、お前は宇宙人か!」
「死ぬぅぅ〜!!!」
ヘリの中は混乱状態。
「私達は貴方達の味方です」
それだけ伝えて、ヘリを適当なビルの屋上に転移させた。
ㅤ姿は見られたが、これ以外に手はなかった。最善を尽くせただろう。カメラは海に落ちている。証拠は残らない。
「ふぅ……」
「大丈夫でした?」
「証拠も消して、無事に地上に送り届けたよ」
即座に考えたとはいえ、それなりに良い印象を与えれたのではないだろうか。
ㅤしかし、これでメディアが寄ってこないとは限らない。今後どうやって対処していくか問題になるな。
「リアン。サハルが帰ってきたら私の部屋に来るように伝えて」
「分かりました。では今から部屋に戻るのですか?」
「うん、色々と考えなくちゃいけないからね」
「では失礼します」
リアンが転移したのを見て、俺も自分の部屋に転移した。
「忙しくなるなぁ……」
面倒な状況に頭を抱えた。
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