魔王LIFE
6話 魔王の国の発展計画
現在、少しでも生活しやすくする為に国を作ることにした。
ㅤといっても魔の森の土地を広く使う訳では無い。地下に魔法で広い空間を作り、そこに魔物や魔族の住む国を作る。
ㅤドワーフ達の鍛冶屋も、移動することにした。
ㅤ俺が地下にかなり広い空間を作り、天井が落ちてこないように鉄を生み出した。
ㅤ地下は階層ごとに違う区間にしたい為、地下1階は商店街に。地下2階を配下の住む場所。魔の森の植物は魔素さえあれば育つとリアンが言っていたので、配下達で勝手に食糧は集められるだろう。
ㅤしかし、かなり広い空間に穴を開けたためか、1階の建物を生成している時に倒れてしまった。
ㅤ目を覚ますと、自分の部屋のベッドに寝ていた。リアンが運んでくれたのだろう。
「ルト様、現在配下達が魔の森の木を使って建物を建てています」
「何っ!? あいつら建築できるのか?」
「ドワーフが設計図を書いて、力のある者達で建築しています」
そうか……俺も脳内にある建物のパターンが無くなってきていた頃だ。
「あいつら……役に立つな」
「ルト様の役に立つ為です。ルト様は指示を出してくだされば、皆その通りに動いてくれます」
気持ちいいな。寝てるだけで発展する魔物の国か。
「そうか、じゃあ何か書く物を持ってきてくれ。
ㅤお…私なりにこれからの目標を考えてみる」
「分かりました。すぐに持ってまいります」
女の魔王らしく、一人称を『私』に変えてみたが恥ずかしいな。
ーーー
「持ってまいりました」
ドタドタと廊下を走る音が聞こえたかと思ったら、いつの間にか部屋の中にリアンがいた。
「これは……?」
「紙と魚の血でございます」
魚の血がインク代わり……?
「血を付ける物は?」
「すみません……倉庫には何も見つかりませんでした」
「あぁじゃあ木の枝で良いから持ってきて」
「あ、木の枝ならここに」
と、ポケットから歯型のついた木の枝が出てきた。
「……これで遊んでたのか?」
「っ……お恥ずかしながら」
顔を赤く染められても困るんだが。まあいいか。前世の俺だったら喜んで舐めてただろう。
「じゃあ私は集中する。仲間達の様子を見ててくれ」
「分かりました」
さてと……これからの目標だ。
ㅤどんどん白い紙が赤く染まっていく。するべき事を見つけ、それを達成する為の目標を書き出しているだけ。それだけで俺は充実感を満たせた。
ーーー
コンコン「ルト様、夜食の時間です」
「おっ……もうそんな時間か」
いつの間にか外は暗くなっていた。
ㅤ俺の城が出来てから初めての夜食。ちゃんと出来ているのだろうか。
「失礼します。魔の森で集めたキノコのスープと、人間の村から奪った家畜の肉を焼いたものです」
「おぉ見た目は悪くないな」
しっかりとした木の器に美味しそうなスープと良い焼き加減の肉。
「箸は?」
「箸……?」
あぁそうか、異世界には箸ってのが無いのか。今度ドワーフ達に作成を頼もう。
「手で食べるのか?」
「はい。スープは飲むようにして、お肉は手で持って。もし手を汚すのが嫌でしたら私が口移しでー」
「いや手で食べる」
早速スープを口につける。材料やらは分からないが、かなり美味しいな。あいにく食レポなんて学んでない為美味しいしか言えない。でも、これは前世のシチューに負けず劣らずの美味さだ。
「これ、誰が作ったんだ?」
「私と女ヴァンパイア、味覚の鋭い人猫族と一緒に作りました。お口に合いましたか?」
リアンが心配そうな顔で見てきた。
「かなり美味いぞ。明日もこれを作ってくれ」
「っ! ありがとうございます」
そして肉だが……こっちはただ焼いただけみたいだな。
「何の肉か分かるか?」
「ダークエルフ達が持ってきた肉なので……私には分かりません」
「そうか。次から何の肉か伝えるように言っといてくれ」
「分かりました」
料理方法なんか俺が知ったこっちゃない。とりあえず塩っぽいもんが見つかったら考えよう。
ㅤ肉を一口噛む……か、噛む。
「固いな」
「申し訳ありませんっ!!」
「いやいいよいいよ。これから勉強していけばきっと上手くいく」
「そ、そうでしょうか」
「そうだそうだ。頑張れ」
俺は肉をスープに浸して食べることにした。
ㅤこうすれば少し柔らかくなるからな。
「ほ、ほぉ……そんな食べ方が……」
「明日の料理、スープに肉入れてもいいぞ」
「分かりました! すぐに伝えてきます」
リアンが良い事を知った。というような顔で走り去っていった。
ㅤ完食した器をテーブルの横に寄せて、目標が書かれた紙を見つめる。
「ふふふふ……明日仲間達に魔の森の警備を頼もう、といっても滅多に人はこないんだがな。でもこんなに目立つ城が突然現れたんだ。警戒はした方が良い」
人間と争うつもりは無い。ならべく有効的に、あわよくば同盟国になり貿易など出来れば完璧だ。
ㅤ俺は1度人間達の街に言って、俺達の国に役に立ちそうな物を見つけよう。スパイみたいなもんだな。
「よ〜し。今日の俺頑張った!」
軽く体を伸ばして、目標の書いてある紙を壁に貼り付けた。
「やっぱ、何か夢があった方が人生楽しいよな」
これからの人生に夢を膨らませながら、ベッドで横になってゴロゴロ。
ㅤ魔王って楽勝だな。
……そう思っていた時期が私にもありました。
ㅤといっても魔の森の土地を広く使う訳では無い。地下に魔法で広い空間を作り、そこに魔物や魔族の住む国を作る。
ㅤドワーフ達の鍛冶屋も、移動することにした。
ㅤ俺が地下にかなり広い空間を作り、天井が落ちてこないように鉄を生み出した。
ㅤ地下は階層ごとに違う区間にしたい為、地下1階は商店街に。地下2階を配下の住む場所。魔の森の植物は魔素さえあれば育つとリアンが言っていたので、配下達で勝手に食糧は集められるだろう。
ㅤしかし、かなり広い空間に穴を開けたためか、1階の建物を生成している時に倒れてしまった。
ㅤ目を覚ますと、自分の部屋のベッドに寝ていた。リアンが運んでくれたのだろう。
「ルト様、現在配下達が魔の森の木を使って建物を建てています」
「何っ!? あいつら建築できるのか?」
「ドワーフが設計図を書いて、力のある者達で建築しています」
そうか……俺も脳内にある建物のパターンが無くなってきていた頃だ。
「あいつら……役に立つな」
「ルト様の役に立つ為です。ルト様は指示を出してくだされば、皆その通りに動いてくれます」
気持ちいいな。寝てるだけで発展する魔物の国か。
「そうか、じゃあ何か書く物を持ってきてくれ。
ㅤお…私なりにこれからの目標を考えてみる」
「分かりました。すぐに持ってまいります」
女の魔王らしく、一人称を『私』に変えてみたが恥ずかしいな。
ーーー
「持ってまいりました」
ドタドタと廊下を走る音が聞こえたかと思ったら、いつの間にか部屋の中にリアンがいた。
「これは……?」
「紙と魚の血でございます」
魚の血がインク代わり……?
「血を付ける物は?」
「すみません……倉庫には何も見つかりませんでした」
「あぁじゃあ木の枝で良いから持ってきて」
「あ、木の枝ならここに」
と、ポケットから歯型のついた木の枝が出てきた。
「……これで遊んでたのか?」
「っ……お恥ずかしながら」
顔を赤く染められても困るんだが。まあいいか。前世の俺だったら喜んで舐めてただろう。
「じゃあ私は集中する。仲間達の様子を見ててくれ」
「分かりました」
さてと……これからの目標だ。
ㅤどんどん白い紙が赤く染まっていく。するべき事を見つけ、それを達成する為の目標を書き出しているだけ。それだけで俺は充実感を満たせた。
ーーー
コンコン「ルト様、夜食の時間です」
「おっ……もうそんな時間か」
いつの間にか外は暗くなっていた。
ㅤ俺の城が出来てから初めての夜食。ちゃんと出来ているのだろうか。
「失礼します。魔の森で集めたキノコのスープと、人間の村から奪った家畜の肉を焼いたものです」
「おぉ見た目は悪くないな」
しっかりとした木の器に美味しそうなスープと良い焼き加減の肉。
「箸は?」
「箸……?」
あぁそうか、異世界には箸ってのが無いのか。今度ドワーフ達に作成を頼もう。
「手で食べるのか?」
「はい。スープは飲むようにして、お肉は手で持って。もし手を汚すのが嫌でしたら私が口移しでー」
「いや手で食べる」
早速スープを口につける。材料やらは分からないが、かなり美味しいな。あいにく食レポなんて学んでない為美味しいしか言えない。でも、これは前世のシチューに負けず劣らずの美味さだ。
「これ、誰が作ったんだ?」
「私と女ヴァンパイア、味覚の鋭い人猫族と一緒に作りました。お口に合いましたか?」
リアンが心配そうな顔で見てきた。
「かなり美味いぞ。明日もこれを作ってくれ」
「っ! ありがとうございます」
そして肉だが……こっちはただ焼いただけみたいだな。
「何の肉か分かるか?」
「ダークエルフ達が持ってきた肉なので……私には分かりません」
「そうか。次から何の肉か伝えるように言っといてくれ」
「分かりました」
料理方法なんか俺が知ったこっちゃない。とりあえず塩っぽいもんが見つかったら考えよう。
ㅤ肉を一口噛む……か、噛む。
「固いな」
「申し訳ありませんっ!!」
「いやいいよいいよ。これから勉強していけばきっと上手くいく」
「そ、そうでしょうか」
「そうだそうだ。頑張れ」
俺は肉をスープに浸して食べることにした。
ㅤこうすれば少し柔らかくなるからな。
「ほ、ほぉ……そんな食べ方が……」
「明日の料理、スープに肉入れてもいいぞ」
「分かりました! すぐに伝えてきます」
リアンが良い事を知った。というような顔で走り去っていった。
ㅤ完食した器をテーブルの横に寄せて、目標が書かれた紙を見つめる。
「ふふふふ……明日仲間達に魔の森の警備を頼もう、といっても滅多に人はこないんだがな。でもこんなに目立つ城が突然現れたんだ。警戒はした方が良い」
人間と争うつもりは無い。ならべく有効的に、あわよくば同盟国になり貿易など出来れば完璧だ。
ㅤ俺は1度人間達の街に言って、俺達の国に役に立ちそうな物を見つけよう。スパイみたいなもんだな。
「よ〜し。今日の俺頑張った!」
軽く体を伸ばして、目標の書いてある紙を壁に貼り付けた。
「やっぱ、何か夢があった方が人生楽しいよな」
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