女嫌いの俺が女に転生した件。

フーミン

257話 お買い物は大事



 買い物の準備をしていると、サタナも来ることになった。
 エリフォラとイザナギにお留守番させて、アリスの様子を見てもらうことにした。


◆◇◆◇◆


 俺とリグとサタナで街の服屋にやってきた。オシャレな服から実用性のある服まで、色々揃えてある。


「とりあえず、これとこれでOK」


 俺はすぐに黒いコートと黒いフワフワのマフラーを手に取った。


 リグとサタナは意外と迷っているようだが、どんなのを選ぶのだろうか。


「じゃあ僕はこの暖かそうな灰色のセーターと、ネックウォーマーって奴で」


 ああ〜ネックウォーマーあるのか。それも暖かくていいよな……俺もマフラーじゃなくてそっちにするか。


「私もネックウォーマーにしよっと」


 黒いマフラーを元の場所に戻し、黒いネックウォーマーを手に取る。


 さて、リグはイザナギとエリフォラとアリスの分も選ぶつもりみたいだけど、どうするのだろうか。


「とりあえずネックウォーマーは確定でしょ?」
「あ、ああじゃあそれで」


 俺がリグにネックウォーマーを渡す。それだけで両手が塞がっているな。


 後は上着とかだけど、アリスはどうしようか。


「ねぇクロア、これエリフォラに似合いそうじゃない?」
「ん? あ、いいね」


 肩に掛けて身体を温める布のようだが、かなり暖かそうだ。熱を逃がさない素材で出来ているのだろう。


「これの小さいサイズをアリスの分にして、後はサタナと同じ感じのセーターでいいと思うぞ」


 お洒落もクソもない俺のアドバイスを聞いて、リグは服を手に取っていく。
 お洒落なんて必要ない。実用性、今後使っていける服さえ選べば良いのだ。ファッションに関しては昔から変わらないな。


 それからイザナギの分も買って、後は帰るだけだ。


「二人とも何か買いたい物とかあるなら付き合うぞ」


 リグが珍しく買い物に付き合ってくれるようだ。


「じゃあ大きめの荷物入れ欲しいな」
「あっ、僕も! できれば人が一人入れるような」
「そんなに大きいのは無いと思うが、見てみるか」


 三人でリュックやバッグのある場所にやってきた。


 こうして見ると、俺好みの良い感じのリュックがある。どれを買うか迷うな。


「これ確定〜!」


 サタナは真っ先に一番大きいリュックを取った。何を入れるつもりなのだろうか。絶対遊び道具にしか使われないと思う。


「全員分買うのか?」
「ああ。イザナギとエリフォラとアリスはリュック持ってないし、良さそうなのを選んで買おう」


 俺はやはり黒のリュック。前でカチッと止めれる作りになっているリュックで、小さなポケットも多め。皮の素材だし、今後とも長く使えそうだ。


 全員分の荷物入れを買って、旅行の準備の買い物は終わった。


◆◇◆◇◆


 家に帰って、皆に買った物を渡すと喜んでくれた。


 アリスもリビングにやってきて、自分の服やリュックを持って嬉しそうに笑っている。


「旅行楽しみだな」
「無くさないようにな」


 着替えも合わせて、寝室のベッドの横に置いた。


「準備完了!! 旅行当日までのんびりしよう!」
「いえ〜い! 楽しみだね〜!!」


 俺とサタナはベッドに飛び込み、2人でゴロゴロする。
 そこにエリフォラも飛び込んできて、俺達は3人でイチャイチャと戯れあった。
 買い物した日は謎のワクワク感があってテンションが高まるんだよな。


 今日買った服とリュックを使う日が来るのを楽しみに、旅行までの数日間は仕事もせずにのんびりと生活することにした。
 金ならいくらでもあるし、休んでも問題ない。


◆◇◆◇◆


 そしてある日、家にセルフィリアがやってきた。


「準備ができたら行くよ」


 そうして俺達は、バタバタと準備をしていよいよ旅行に向かうのであった。

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