女嫌いの俺が女に転生した件。
236話 早起きしてする事ないと時間の無駄
昨日の夜はドキドキしていて眠れるか分からなかったが、アリスの寝顔を観ると不思議と眠気がやってくる。そのまま気持ちよく夢の世界に入れた、
久しぶりに熟睡できたのではないだろうか。パッチリと目を覚ました俺は、地下から一階に行って外を見る確認する。
家の外は、まだ人通りが少ない。つまり朝だ。
「〜〜〜〜っっっ……っと」
大きく背伸びと欠伸をして、身体に酸素を取り入れる。
朝早くにこんなテンションが高いのは良い事だ。
一先ず水分補給にお茶を飲んで、トイレを済ませて地下のアリスの寝室に戻る。
「クロアおはよう」
「っ! お、おはよう。眠れたか?」
眠そうな目で、横になったままこちらを見つめるアリスに声をかける。
「眠れたけど眠い……クロア、まだ寝よ?」
「ん、あぁ〜……じゃあアリスが寝るまで一緒に寝るよ」
俺はもう意識は覚醒してるし、アリスが寝るまでなら一緒に寝てあげてもいいかな。
一緒の布団の中に入って、アリスの頭を撫でる。
「……クロアは、どうして私に優しいの?」
突然そんな質問をされた。
どうして……アリスは記憶が無いから、前までの関係とかは知らないんだよな……。
「……前にね、アリスと似てる女の子がいたんだ」
「私と?」
「ああ。だから、その子に似てるアリスを守りたいって思った。……まあ、あんまりにそっくりだから、たまにアリスにはまだ言ってないような事を言ってしまいそうだけどな」
俺は敢えて、死んでしまったアリスを"その子"と呼んでアリスに教えた。アリスに、自分が一度死んだ。とは思わせたくないからだ。
「アリスはどうしてここに来ることになったか分かる?」
「えっと……あれ、どうしてだろう」
ん? イザナギが適当に話し合わせてくれてないのか?
「どうしてここに来たのか分からない。でも、私の居場所はここだって思う……どうして?」
「どうしてだろうね。でも、アリスの居場所はここだよ」
寝る間にお互いに色んな事を話して、アリスが眠るのを待った。
◆◇◆◇◆
「……寝たか」
少し前くらいに、急に何も喋らなくなっていて、顔を見れば寝ていた。
よし、起きてリグ達のところに行くか。
アリスを起こさないように布団から抜けだし、2階の寝室に向かう。
まだ皆寝てる。俺が起きるの早すぎたか? でもまあ、チャンスだ。
寝ているリグの横に潜って、そのまま目を閉じる。
寝よう。
◆◇◆◇◆
「お〜いクロア〜。いつまで寝てるんだ〜?」
「……んっ? あ、おはよう」
リグに身体を揺すられて目を覚ます。
いつまで寝てるんだはこっちのセリフだ。皆が起きてこないから二度寝しただけで……まあ、寝てたのは事実か。
「今日は仕事行かないのか?」
「何やら、クロアが大好きなアリスが来たらしいし? 無視して仕事に行くなんてできないよな?」
「そうだよ。全く……僕だけじゃなく、色んな人を好きにさせるなんてクロアは罪だね」
うっ……罪って言葉には若干のトラウマが……。
「で、エリフォラはまだ寝てるのか?」
「起こさなかったら夜まで寝るだろうな。おい、エリフォラ」
「んむぅ〜〜……」
ヨダレ垂らしながら寝てる……どれだけ寝るの好きなんだ。
「クロア、起こしてくれ」
「仕方ないなぁ……エリフォラ、おはよう」
「ん〜? ……クロアさぁ〜ん……おはよぉ……」
俺が声をかけると、うっすらと目を開いて起きた。
「凄いな。クロアが声をかければ1発だ」
「僕達いつも力づくで起こしてたからね。クロア便利」
皆起きたことだし、そろそろ朝食にしたいな。早起きしてお腹空いた。
「よし朝食にしよう。クロア、アリス連れてくることってできるか? 地下にいるんだろ?」
「来るかな〜……連れてこれるか分からないけど、一応呼んでくる。準備してて」
「ああ」
2階から地下へ……こんなに階段を上り下りしていたら足の筋肉がつくだろうな。
アリスは目を覚まして、本棚にある童話の本を読んでいた。
「朝ご飯にするけど、アリスも食べるでしょ。行こう」
「……ここで食べるのは?」
やっぱり前のアリスと変わらず、面倒くさがり屋だ。
「皆アリスと話したがってるよ。行かない?」
「……分かった。クロアがそこまで言うなら行く」
よし、前の同じく俺がお願いすれば聞いてくれる。
俺はアリスを連れて、皆が待つリビングに向かった。
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