女嫌いの俺が女に転生した件。
150話 はじめてのぼうけん
ギルドマスターがペコペコと頭を下げながら俺達4人を元の部屋まで送ってくれた。
「おい、あいつらギルマスの部屋から来たぞ」
「何者なんだ?」
「エロい奴いるな」
「エロいなぁ〜……」
男のほとんどはサタナに注目している。
「ここで裸になったら気持ち良いだろうなぁ……」
「やめとけよ? その身体、一応私が基礎になってんだから」
周りを見渡すと、壁に着いた掲示板に貼ってある紙を取って受け付けに持ってきたり。外から……肉や皮の様な物を持ってきている人もいる。
「リグ、これからどうするんだ?」
「基本的にギルドの方針は危険な魔物から街を守る事で、人の依頼を受けるのはあまりしなくてもいいが……金稼ぎには持ってこいだ。でもまぁ、今の俺達はそれなりに金は持ってるし、自由に魔物狩りするか」
自由に魔物狩り……ついに俺は魔物を狩る日がやってきたのか。い、一応剣は持ってるけど、盾とか必要ないよな?
「支給品の鎧、貰いに行こう」
「どこにある?」
「受け付けに頼めば貰えるよ」
ーーーーー
ーーーーー
4人は近くの椅子に座って、鉄と皮で出来た鎧を装備した。エリフォラは黒いドレスを着ていたのだが、それを脱げば普通に可愛い洋服を着ていて、その上から鎧を着ける。
「さてと、武器は持ったか?」
「持った」
「必要ないけどね〜」
「軽いですね」
剣を待ってなかった人は支給品で貰える。他にも、怪我した時の為の救急キット、コンパスを貰った。
準備が出来ると、リグを戦闘にギルドの外に出る。
傍から見ると確かにリグはハーレム作ってるな。男1人に女3人、今リグはどんな気持ちなのだろうか。
「クロア〜知ってる?」
「ん? 何が?」
「転移者や転生者が来るようになってから、魔物が凶暴化してるの」
魔物が凶暴化ねぇ。そもそも魔物と戦った事ないから分からないな。
「本来いるはずの無い魔物達が、国の近くまで来てるって噂だよ」
「リグはそれ知ってるか?」
先を歩いているリグに聞いてみる。
「いや、知らなかったな……まあ大丈夫だろう。魔王と邪神と神様に勝てる魔物なんていない」
それもそうか。
しばらく大通り道を進んで、外へ出る門の前にやっめきた。
「ん? 冒険者か」
「はい」
「よし、開けろ」
あっさりと門が開き、一度門の外に出てリグが立ち止まる。
「右を壁沿いに進んでいくと森に到着する。行くか?」
わざわざ聞かれるまでもない、
「魔物がいるところに行く、だろ?」
「そうだな。外に出た瞬間から、いつ魔物が出てきてもおかしくない。気をつけて進むぞ。いくらプロでも油断しているところを襲われたら死ぬからな」
まあ俺は物理攻撃は受けないから問題無い。魔法が飛んでこない限りはな。
しばらく壁沿いに進んでいるのだが、魔物がいる気配がない。
俺とサタナとエリフォラは、暇すぎてイチャつい合う程何もない。
「サタナさんの胸はとても大きいですね……」
「作り物だけどね〜でも、僕は小さい方が好きかなぁ? クロアにの胸可愛い」
「はぁ? 貧乳バカにしてんのか」
「褒めてるんだよ。それに巨乳って邪魔なんだよ? 揺れるし、肩凝るし」
「巨乳にしか味わえない悩み……わ、私だって揺れます!」
こんな事を話している内に、周りに木々が沢山生えた場所にやってきた。生き物の鳴き声なんかも聞こえてくる。
「揉んだら大きくなるんだよ〜!」
「ひゃんっ! ちょっと、サタナさんやめてくださいっ!」
この2人はいつまで盛り上がってるんだか……。前を歩いていたサタナも俺達の様子を見て頭を抱えている。
「はぁ……あのなぁお前達。お前達は強いから良いけど、普通の冒険者は命懸けなんだ。かくいう俺もな。そんな事をしていたら即死だぞ」
「強いからいいじゃん?」
「サタナ……それにクロアとエリフォラも、今から命に関わる仕事をするんだ。少しは緊張感を持て」
リグの言う通りだ。
「分かったよ……」
俺は剣を抜いて構える。
「おっぱいお化けのその巨乳、切り落としてやる」
「……はぁ……」
「ごめん冗談だって。行こ?」
リグの肩を叩いて、森の奥に進んでいく。
「あっ待て! まだ説明してない事が──」
「ぬわぁっ!?」
突然足に何かが絡みつき、気づいたら俺は逆さまに釣られていた。
「この森は魔物を捕獲する為の罠が沢山あるんだ……」
「下ろして……頭に血が上る」
かなり高い場所に釣られていて、このまま斬ったら落下して痛そうだ。風魔法で切れるものの……よし。
「今だ」
「ん? のお゛っ!?」
丁度リグが真下に来た瞬間に、風魔法で足の縄を切って落下。
リグの背中に落下出来て、無事に救出された。
「……下手したら骨折れるぞ」
「他に説明する事ある?」
「常に仲間と一緒に行動する事……だ」
はい、すいませんでした。
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