女嫌いの俺が女に転生した件。
9話 天才はいよいよ学園へ
ティライに買ってきてもらった14000マニーの剣。これも安い方ではあるらしいのだが、かなり見た目も切れ味も抜群だ。
その剣を使って、3歳になってから毎日稽古を続けた。剣術や魔法。筋トレも欠かさずに続けている。
4歳になると、魔力を外へ放出する練習も始まった。
剣の代わりに魔力を飛ばして攻撃をする事も。剣に魔力を纏わせて攻撃することも出来るようになり、ティライや両親からは大絶賛の声が上がった。
俺と同年代の子とはずば抜けて優秀な俺は、天才と呼ばれて、ついに学園に通う準備が始まった。
ここまで褒められるのも、俺が前世の記憶を持っているからである。大人になったら凡人になるのと変わりはない。
「これがクロアの制服よ」
「似合いそうだな!」
5歳の誕生日までまだ数日はあるというのに、両親は焦りすぎだと思う。
かという俺も、学園とはどういうところなのか。という不安がある。
「おいクロア。どうした?」
「……学園に行ったら、どのくらい帰ってこれなくなるんですか?」
確か、生徒寮で泊まるらしい。
「定期的に大きな休みがある。その時には家に帰ってくるといいし、イベントがある時は父さん達からそっちに行く。大丈夫さ、友達といれば寂しくない」
「もう。クロアは寂しがり屋さんね」
寂しがり屋……か。神にも言われたな。
「あ、そうそう。家庭教師のティライさん、クロアが通うことになる学園の先生らしいわよ」
「先生!?」
なんだそれ初耳だぞ!? 最近顔も見せないなと思ったら……そういう事実を隠してたのか!?
「治癒魔法の先生なんだって」
治癒魔法……保険の先生みたいな役割か。
「良かったな。先生に知り合いがいれば寂しくないだろ?」
「……そ、そうですね」
余計に不安が大きくなったのだが……。
「寂しいのは父さん達だけどな! はっはっはっ!」
「父さん、最近夜になると元気なくなるのよ」
それは何をしてる時なのだろうか……?
「早くクロアが寂しくないように妹を作らないとな……」
「そうねぇ……」
俺に妹なんて必要ない。出来れば弟が欲しかった。
ーーーーー
ついに5歳の誕生日がやってきた。
この国では、5歳になると学園の先生が迎えにくるらしい。
迎えが来るまで、俺はドキドキしながら椅子に座っていた。
「クロア、頑張るのよ」
「お前は強い子だ。きっと楽しい学園生活を送れるさ」
「……はい」
「無理に友達を作れとは言わない。とにかく楽しんでこい」
「はい」
強く背中を叩かれて、少しだけ緊張が解れた気がする。
その時だ。
「あ、先生が来たみたい」
玄関の鈴が鳴らされた。別れの時も近い……。
「ふぅ……」
目を閉じて深呼吸をする。
まず、先生に対する挨拶が大事だ……リビングに入ってきた瞬間、元気よく "よろしくお願いします" と……。
足音が近づいてきた。
「クロ--「よろしくお願いしまっっっ…………」」
そこに居たのはティライだった。
「クロアちゃん! 驚いて!! 私先生なのっ!! どう!? 驚いた!?」
「…………えっと……知ってた……」
知ってた。知ってた筈なんだ。ティライが来ると予想出来ただろう……どうして俺はあんなに勢いよく挨拶を……。
「知ってたの!?」
「ごめんね、言っちゃった」
「お母様〜……どうして……。当日にクロアちゃんをビックリさせて驚かせたかったのに……」
「ごめんね〜……」
まあでも、ティライと一緒に学園に行くのなら安心だな。
「学園までよろしくお願いします」
「……うん! これからよろしくお願いします!」
ーーーーー
「クロアァァアアア!!」
「頑張れよぉぉおおおおおお!!!」
両親が泣きながら見送ってくれて、俺もつい涙を流してしまった。
「クロアちゃんもそんな表情するんだね」
ティライと手を繋いで、いままで住んでいた家からどんどん離れていく。
「私だってこんなっ……表じっ……表情……するし……っ…………」
あれ、俺ってこんなに泣くんだ。
「良かった……クロアちゃんはまだ子供だって分かって」
「うるさっ……い……」
経った5年、世話になった両親と家との別れがこんなにも悲しいものだったなんて……こんなに泣いてしまうなんて……恥ずかしいな。
「よしよし」
「だっ、大丈夫だからっ……」
「いいよ。沢山泣いて」
ティライに抱っこされて、背中をポンポンと叩かれた。
その優しさに、本当の子供のように泣きじゃくってしまった。
ーーーーー
「ついたよ」
「大きいな」
涙も枯れて、冷静になった。
ついにやってきた学園は、何かのお城かと思うほど大きかった。一番高いところで雲の上。その更に上には旗が靡いている。
「ここが今日から通う、『フロンガード学園』。王国で1番大きい学校だよ」
「フロンガード学園……」
その大きな学園には、大きな夢が詰まっているように見えた。
ワクワクしながら、ティライと一緒に門から中に入る。
「誰もいない……?」
「今から寮長に挨拶にいって、生徒寮の鍵を貰うのよ。多分数日後には同じ年代の子と先生が集まって歓迎会があるから」
なるほど。だから5歳の子が集まるのはバラバラで良いのか。
ティライと共に、大きな建物に入った。
すぐ横の受け付けには、オレンジ色の髪に猫のような耳を持った人が眠そうに座っていた。
「こんにちは〜」
「にゃっ? あ! その子もしかして!!」
「そう。クロアちゃんだよ」
「天才クロアにゃんだにゃっ!!」
えっ? な、なんで知ってるんだ?
「クロアちゃんの事を学園で話したら有名になっちゃったみたい」
「そ、そうなんですか……」
「凄いにゃっ! 見ただけで分かる……この子は賢いにゃっ!!! んにゃぁ……クロアにゃぁん……お姉さんと遊ばにゃあい?」
まるで誘惑するように、顔を赤くして尻尾をクネクネと動かしている。
「あ、あの……」
「大丈夫よ。この人はこれが日常なの。寮長、鍵」
「この人が寮長なんですか!?」
「そうにゃ!」
えぇ……もっと賢い眼鏡のクールビューティな女性。もしくはムキムキマッチョで校則に厳しい男性かと思ってた。
「私のにゃ前は、フトマキだにゃ」
「ふ、フトマキ……?」
「そうだにゃ! しっかり覚えるんにゃよ? はい、鍵だにゃ」
「さ、クロアちゃん行こっ」
「またねぇ〜」
随分と個性的な人だったな。もしかしてここにいる先生は皆そうなのか? アレを見るとティライが真面目に見える……。いや、真面目なのか?
その剣を使って、3歳になってから毎日稽古を続けた。剣術や魔法。筋トレも欠かさずに続けている。
4歳になると、魔力を外へ放出する練習も始まった。
剣の代わりに魔力を飛ばして攻撃をする事も。剣に魔力を纏わせて攻撃することも出来るようになり、ティライや両親からは大絶賛の声が上がった。
俺と同年代の子とはずば抜けて優秀な俺は、天才と呼ばれて、ついに学園に通う準備が始まった。
ここまで褒められるのも、俺が前世の記憶を持っているからである。大人になったら凡人になるのと変わりはない。
「これがクロアの制服よ」
「似合いそうだな!」
5歳の誕生日までまだ数日はあるというのに、両親は焦りすぎだと思う。
かという俺も、学園とはどういうところなのか。という不安がある。
「おいクロア。どうした?」
「……学園に行ったら、どのくらい帰ってこれなくなるんですか?」
確か、生徒寮で泊まるらしい。
「定期的に大きな休みがある。その時には家に帰ってくるといいし、イベントがある時は父さん達からそっちに行く。大丈夫さ、友達といれば寂しくない」
「もう。クロアは寂しがり屋さんね」
寂しがり屋……か。神にも言われたな。
「あ、そうそう。家庭教師のティライさん、クロアが通うことになる学園の先生らしいわよ」
「先生!?」
なんだそれ初耳だぞ!? 最近顔も見せないなと思ったら……そういう事実を隠してたのか!?
「治癒魔法の先生なんだって」
治癒魔法……保険の先生みたいな役割か。
「良かったな。先生に知り合いがいれば寂しくないだろ?」
「……そ、そうですね」
余計に不安が大きくなったのだが……。
「寂しいのは父さん達だけどな! はっはっはっ!」
「父さん、最近夜になると元気なくなるのよ」
それは何をしてる時なのだろうか……?
「早くクロアが寂しくないように妹を作らないとな……」
「そうねぇ……」
俺に妹なんて必要ない。出来れば弟が欲しかった。
ーーーーー
ついに5歳の誕生日がやってきた。
この国では、5歳になると学園の先生が迎えにくるらしい。
迎えが来るまで、俺はドキドキしながら椅子に座っていた。
「クロア、頑張るのよ」
「お前は強い子だ。きっと楽しい学園生活を送れるさ」
「……はい」
「無理に友達を作れとは言わない。とにかく楽しんでこい」
「はい」
強く背中を叩かれて、少しだけ緊張が解れた気がする。
その時だ。
「あ、先生が来たみたい」
玄関の鈴が鳴らされた。別れの時も近い……。
「ふぅ……」
目を閉じて深呼吸をする。
まず、先生に対する挨拶が大事だ……リビングに入ってきた瞬間、元気よく "よろしくお願いします" と……。
足音が近づいてきた。
「クロ--「よろしくお願いしまっっっ…………」」
そこに居たのはティライだった。
「クロアちゃん! 驚いて!! 私先生なのっ!! どう!? 驚いた!?」
「…………えっと……知ってた……」
知ってた。知ってた筈なんだ。ティライが来ると予想出来ただろう……どうして俺はあんなに勢いよく挨拶を……。
「知ってたの!?」
「ごめんね、言っちゃった」
「お母様〜……どうして……。当日にクロアちゃんをビックリさせて驚かせたかったのに……」
「ごめんね〜……」
まあでも、ティライと一緒に学園に行くのなら安心だな。
「学園までよろしくお願いします」
「……うん! これからよろしくお願いします!」
ーーーーー
「クロアァァアアア!!」
「頑張れよぉぉおおおおおお!!!」
両親が泣きながら見送ってくれて、俺もつい涙を流してしまった。
「クロアちゃんもそんな表情するんだね」
ティライと手を繋いで、いままで住んでいた家からどんどん離れていく。
「私だってこんなっ……表じっ……表情……するし……っ…………」
あれ、俺ってこんなに泣くんだ。
「良かった……クロアちゃんはまだ子供だって分かって」
「うるさっ……い……」
経った5年、世話になった両親と家との別れがこんなにも悲しいものだったなんて……こんなに泣いてしまうなんて……恥ずかしいな。
「よしよし」
「だっ、大丈夫だからっ……」
「いいよ。沢山泣いて」
ティライに抱っこされて、背中をポンポンと叩かれた。
その優しさに、本当の子供のように泣きじゃくってしまった。
ーーーーー
「ついたよ」
「大きいな」
涙も枯れて、冷静になった。
ついにやってきた学園は、何かのお城かと思うほど大きかった。一番高いところで雲の上。その更に上には旗が靡いている。
「ここが今日から通う、『フロンガード学園』。王国で1番大きい学校だよ」
「フロンガード学園……」
その大きな学園には、大きな夢が詰まっているように見えた。
ワクワクしながら、ティライと一緒に門から中に入る。
「誰もいない……?」
「今から寮長に挨拶にいって、生徒寮の鍵を貰うのよ。多分数日後には同じ年代の子と先生が集まって歓迎会があるから」
なるほど。だから5歳の子が集まるのはバラバラで良いのか。
ティライと共に、大きな建物に入った。
すぐ横の受け付けには、オレンジ色の髪に猫のような耳を持った人が眠そうに座っていた。
「こんにちは〜」
「にゃっ? あ! その子もしかして!!」
「そう。クロアちゃんだよ」
「天才クロアにゃんだにゃっ!!」
えっ? な、なんで知ってるんだ?
「クロアちゃんの事を学園で話したら有名になっちゃったみたい」
「そ、そうなんですか……」
「凄いにゃっ! 見ただけで分かる……この子は賢いにゃっ!!! んにゃぁ……クロアにゃぁん……お姉さんと遊ばにゃあい?」
まるで誘惑するように、顔を赤くして尻尾をクネクネと動かしている。
「あ、あの……」
「大丈夫よ。この人はこれが日常なの。寮長、鍵」
「この人が寮長なんですか!?」
「そうにゃ!」
えぇ……もっと賢い眼鏡のクールビューティな女性。もしくはムキムキマッチョで校則に厳しい男性かと思ってた。
「私のにゃ前は、フトマキだにゃ」
「ふ、フトマキ……?」
「そうだにゃ! しっかり覚えるんにゃよ? はい、鍵だにゃ」
「さ、クロアちゃん行こっ」
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コメント
ノーベル
町民の『帰れ』と言うセリフの説明が全く無いのですが?
嫌われている?
何故?