獣少女と共同生活!?

【夕立】

第三十五話 とある日の仕事場

俺が会社に復帰して早1週間程。初めは周りに色々と聞かれたが、そこは色々言って誤魔化した。……自分でも、何を言ったか覚えてないのが怖い。
新人の子達は仕事にも少しずつだが慣れてきて、ある程度なら一人で出来るようになっていた。その分、頼られる機会が減ってしまってどこか悲しい気分だ。
俺のいる部署は、新人育成をメインとした雑務係みたいなもので、他の部署の仕事が回ってきたり、書類などの整理、後始末などを行なっている。
新人育成の理由として、色々な仕事が回ってくる。その為、どの部署が適正かなどを見分けるという事もある。
その為、この部署に居るのはある程度この会社に勤めている人や、単に文姉が気に入った人達が集まっている。悲しいのが、ほぼ後半の理由でこの部署の人が固まっていることだ。
俺は文姉に気に入られていたのもあるが、今年で4年目というそこまで長い期間ではないが、それなりの功績を残したというのもあるらしい。
そんな俺の所属する部署には、課長の文姉と後輩の結衣ちゃん、歳下で謎に包まれた大倉 佳奈おおくら かなちゃん、同期の金堂 勇こんどう いさむと俺の5人で回している。
一見少ないように見えるが、ここに定期的に新人育成として3〜5人程人が来る。その為、新人さんには簡単な仕事を教えながら済ませ、部署に居る5人で残りの仕事をこなしている。
その為、どちらかと言えば仕事は少ない。たまに、文姉の意見で5人で食事に出かけたり、何処かに遊びに行ったりする余裕があるくらいだ。
……急な仕事が入ってしまうと、人手不足になりやすいが。
誰かに説明するかの様な台詞を頭の中で話していると、肩をポンポンと2回と叩かれた。
振り返ると、ニコニコした表情の勇がそこに立っていた。

「なぁなぁ誠!とうとうやったぞ!」
「……大体予想出来るが、何をそんなに喜んでいるだ?」
「ふっふっふ、それはだな……!」

待ってました、と言わんばかりの表情で持っている鞄を漁り始める勇。
恐らく、最近仕事が多くない為、暇だったのだろう。だからと言って、何故俺に絡むんだ……。俺は見ての通り、仕事中だぞ?
そして、勇が鞄から取り出したモノが俺の机の上にドンッと置かれる。
机の上に置かれたのは、モデル銃。サバイバルゲームで使う様な、エアーガンだった。

「たまたまいつもの店に行ったら、新入荷として売っていたんだ!どうだ!このフォルム!カッコいいよなぁ……」
「まぁ、銃を見て格好いいとは思うが、職場にまで持ってくるなよ……」

そう言いながら、俺はそのエアーガンを手に取る。
俺も、軍艦や戦車、銃火器などは正直惹かれる。少しなら、名前や知識はあるつもりだ。
そして、勇か持ってきたのはドイツ製の『ルガー P08』という系統の自動拳銃だ。
1908年頃からドイツの陸軍の制式ピストルとして採用されたが、一番初めに制式投入したのはスイス。1900年くらいから使ってた筈だ。
因みに、銃火器なら俺は回転式拳銃か狙撃銃が好みだ。個人的に、ロマンが溢れていると思う。
恐らく、一度そんな話を勇にしてから、こうやって見せてもらったり、多く絡む様になった気がする。
そして、目を輝かせながらこの銃について語る勇。俺は仕事をしながら、たまに相槌を入れてやる。
たまに、ちゃんと聞いてるかチェックされるが、俺も少し内容が気になるのでちゃんと聞いている。話した内容の問題を出されるが、しっかりと答えた。
そんな話をしていると、文姉が楽しそうにしているという理由で来て、次に集まっているのに気になった結衣ちゃん、バイトの佳奈ちゃんが来た。
そして、仕事どころではなくなったこの部署は、仕事が終わる17時までずっとこの話をしていた。
……今日も、平和だったな。仕事、進まなかったが。

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