獣少女と共同生活!?

【夕立】

第二十九話 厨房事件

小鳥の鳴き声と共に、カーテンの隙間から差し込む光を浴びて、俺は起きた。
正直昨日から寝ていない俺は、ベッドに入ってすぐに眠ってしまっていた。お陰で目覚めがとてもいい。
ベッドから起き上がり、布団を綺麗に直してから部屋を出る。
時刻はまだ6時。雪ちゃんはまだ起きていないだろう。
かと言って、勝手に出て行くわけにもいかないので、お屋敷の中をフラフラと歩く。探索だと思えば、少しは楽しい気分にはなる。
だが、下手に部屋のドアを開ける訳にもいかない。プライベート空間に勝手に入るなど、失礼にも程がある。
俺は、貰った屋敷内の地図を確認。昨日使った大広間、俺が使っていた客室。雪ちゃんの部屋やご両親の部屋まで書いてあった。……プライバシー空間を隠す気ないのだろうか?
俺は、近かった厨房へと足を運んでみた。
一応、どの部屋にも鍵はかかっているのだが、厨房は都合よく開いていた。既に中に誰かがいるのだろうか?
一応、バレないようにこっそりとドアを開けると、中はシーンと静まり返っている。ライトも付いていない辺り、鍵の締め忘れなのだろうか。
中に入ると、俺は一番初めに違和感を感じた。
……これは、血液の匂い?
そういえば、昨日の食事には魚や肉をが沢山出ていた。その料理を調理する時に出た匂いなのかもしれない。
だが、料理人が後始末を忘れるだろうか?
答えは否。食器もすぐに洗うし、血抜きなどもその場ですぐに洗い落とせる。
……なら、なんの匂いだ?
それを考えた瞬間、俺は手足が震えた。もしかしたら、事件がここで起きたのかもしれない──と。
そして、第一発見者は確実に俺だろう。よそ者が来て、その翌日に殺人事件など起きていた暁には、真っ先に俺が疑われてしまう。
ゴクリと、唾を飲む。ここまで踏み込んでしまったのだ。勇気を出して、最後まで確認しなければ。
俺は、匂いがする方向を探るように鼻に意識を集中させる。
しかし、厨房は広く、時間が経ったせいか匂いが充満していた。匂いを嗅いでいた俺は、少し気分が悪くなっていた。
それでも、鼻で探りながら厨房をゆっくりと進む。進んでいくと、匂いがキツくなっていたので、恐らくこの先だろう。
もし、殺人だった場合、ここに犯人がまだ居たらどうしよう?俺も間違いなく殺されるだろう。
そんな恐怖を感じながら歩いていると、ゴトッと大きな音が、近くでなった。
音の大きさ的に、軽くはない。かと言って、重すぎるものでもない。
厨房の道具はほぼ金属の為、ゴトッとはならない。
恐る恐る音がなった方を確認する為に、ゆっくりと身体を動かした。
そして、俺は見てしまった。
──服に血がついた、コックが倒れているのを。

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