獣少女と共同生活!?

【夕立】

第十四話 お引越し

「よし、コレで最後……っと」

巫狐さんが来てから二日後。俺達は新居へのお引越しをしていた。
巫狐はどうやら空いている土地を入手し、その空間に家を建てたらしい。なんか……魔法みたいで今でも信じられない。
その引越し先の家は俺の思っている家とは規模が違い、一瞬現実かどうか疑った。
家は二階建てで、地下付き。都会に近いこの土地に、そんな豪勢な家が建つのか……。
流石にここまでされては巫狐さんに悪いと思い、俺は巫狐さんにお礼などをしようとしたのだが、巫狐さんはこう言っていた。

「何、お主はみぞれと秋風の面倒を見てくれておるのじゃ。妾が出来るのはこのくらいしかないのでな、このくらいは妾にもさせてくれ」

と、そんな事を言って元の世界に戻っていった。
……だからと言って、こんな家に家具まで揃えてくれているのも悪い気がする。
一通り使うであろう家具が、最新式のもので用意されており、お風呂も普通の家にはない広さ。一気に10人くらい入れるのでは?と素で思ってしまうくらい。
そして、さらに驚いたのは部屋の数。和室が3部屋、洋室が5部屋の計8部屋。
……もしかして、ここを獣の世界との交流場とか宿泊施設的な場所にするつもりだったりしないだろうか?
いや、攻めて一言は言ってくれるだろう。あの人、そんな適当な人には見えなかったし。
みぞれと秋風さんは新居祝いという事で買い出しに行っている。2人で張り切って料理を作ると言っていたので、ちょっと……いや、凄く楽しみである。
すると、突如リビングに見覚えのある扉が現れた。この扉、確か──。

「よっと……。すまぬ、邪魔するぞ」
「巫狐さん。今回はありがとうございました」

その予想は的中。やっぱり巫狐さんだった。
何か伝え忘れとかなのかな?今日は引越しの場所を教えてもらうのに一度会ったから、帰った後に思い出した……とか?

「うむ。ところで、お主以前にこちらの世界で和服を着た者に会わなかったか?」
「和服……ですか?」

和服を着た人なんて、成人式でもなければ会うわけが──。
……いや、一度会ったな。駅前の公園で、和服を着た女の子に。

「和服を着た小学生くらいの女の子なら、この間会いましたね」
「小学生の女の子か……。その子の名は聞いたか?」
「いえ……。何か警告の様な事をされて居なくなってしまったので」

そう、あの時の警告。「その優しさが己を傷つける」と言う言葉を。
あの言葉がいつ何処で実感するかも分からないし、もしかしたらただの子供のイタズラとかジョークみたいなものかもしれない。

「……もし、その子の名前とかがわかったらみぞれか秋風もしくは妾にでもいい。すぐ伝えてくれぬか?」
「えぇ、勿論構いませんが……。何かその子に問題が?」

すると、巫狐さんは少し悩んでから言葉にした。

「──その子、もしかしたら指名手配している子かもしれんのじゃ」

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