世界一の魔術鍛治師〜どんな剣も名剣へ〜

海月結城

百層ボス

「ここは未知の領域だよね」

 カナハルム一行は百層ボス部屋前にいる。

「そうだね。誰も攻略したことないからね」
「今までの階層の魔石もあんなに高値がつくとは思ってなかったよ」

 カナハルムたちはこのダンジョンで、億万長者まで登りつめていた。魔石を換金した時のお金で屋敷を買い。メイドや執事、コックを雇っていた。

「そうね。でも、今はこのダンジョンの守護者を倒すわよ!」
「頑張る」
「よし、行くぞ!」

 ドアを開け、そこにいたのは史上最強の魔物ドラゴンだった。

『GAaaaaaaaaaaa!!!』

 ドラゴンの咆哮は凄まじかった。

「っう! 耳が聞こえない!!」

 大きすぎる咆哮で鼓膜が破れるまでは行かなかったが、耳がキーンッとなって、周りの音が聞こえなくなってしまった。

 しかし、それも一瞬だった。

(くそっ! みんなの声が聞こえない!)
(今のカルの声?)
(よかった。繋げられた)
(ユリーカか!?)
(うん)
(ユリーカ。良くやった)

 ユリーカは簡易的な付与魔術を使えるようになっていた。そこで、『念話』のスキルをみんなに付与し、会話を出来るようになったのだ。

(ユリーカ、頼むぞ)
(分かった)

 ユリーカは次々に付与魔術を使った。『攻撃力上昇』『防御力上昇』『俊敏性上昇』の三つを自分含めて四人に簡易的に付与した。

 ドラゴンは赤、青、緑、黄色の四色で、四属性のブレスなどを吐くドラゴンだった。

 そして、今ドラゴンが水のブレスを吐いた。それを、マリーは反属性の魔術でかき消していった。

(マリー。そのままブレスをかき消してくれ)
(分かってる)

 ミカエルはドラゴンの装甲が薄い、関節や目を狙って弓を放つ。

 そして、カナハルムはドラゴンの翼や尻尾を狙って剣を振るう。

 それを続け、三十分後。

 ドラゴンはチリになって消えていった。

「勝った、のか?」
「はぁ、はぁ、そうだよ」
「うそ」
「ほんとだよ。マリーちゃん」

 多種多様な反応でドラゴンに勝った喜びをそれぞれ噛み締めていた。

 そして、四人はドラゴンのドロップを自宅に持ち帰った。

 そこには……


四色のドラゴン。見た目やばそう

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