世界一の魔術鍛治師〜どんな剣も名剣へ〜

海月結城

ボス攻略

久しぶりの登場。


 扉を開けて中に入る。

「ここがボス部屋か〜。なんか、殺風景だね」

 中はダンジョンの通路と同じように、壁が岩で出来ている。

「どこにいるんだろう」

 中は霧が発生していて、あまり良く見えない。

 すると、霧が一箇所に集まりだした。そして、その霧が晴れると、そこには、ゴブリンジェネラルが仁王立ちしていた。

「あれが、ボス」
「さ、マリーちゃん、ちゃちゃっとやっつけちゃえ!」
「ん!」

 マリーは無詠唱でウィンドアローを放つ。それを簡単に避けるゴブリンジェネラル。

(簡単には行かないか。伊達にボスやってないか)

 次は多重展開×4を使い、火、水、風、土の初級魔術を発動させ、四方八方からゴブリンジェネラルを攻撃した。

 全部は避けられなかったようだ。左肩と右足から血が出てきている。

(倒しきれない)

 マリーの必殺の攻撃を受けても、傷を少し受けた程度で済んでいる。
 そして、ゴブリンジェネラルが動きだした。

 ゴブリンジェネラルは、でかい棍棒を持っている。それを、マリーに走って向かいながら振り抜く。

 意外に動きが早く、とっさに避けられなかった。

「マリーちゃん!!」

 ミカエルが助けようと動き出そうとしたが、間に合わなかった。マリーが棍棒を振り抜いた先の壁に叩きつけられた。

「っ!?」

 マリーは、口から血反吐を吐いた。

「痛い」
「マリーちゃん!」
「大丈夫」

 マリーは、ゴブリンジェネラルの棍棒が当たる直前、自己強化魔術を発動して、防御力を上げていた。なので、そこまでのダメージを負わずに済んだ。

「少し、遅かったら、間に合わなかった。あ、そうだ。試してみよう」

 マリーが何かを思いついたようだ。

「決めた。今から君は、ダンジョンのボスじゃない。私の、実験台」

 ゴブリンジェネラルは、マリーの言葉を理解したかのように、咆哮を上げた。

「行くよ」

 そこからは、圧倒的だった。マリーが自己強化魔術を発動させ、魔力の全てを強化した。魔力の量も、魔力の質も、魔力の攻撃威力も、全てを強化した。そして、さっきは防がれた、魔術を再び放つ。

 四種の色がした魔法がさっきよりも、何倍も大きい魔術となってゴブリンジェネラルに直撃した。

 ゴブリンジェネラルは、霧状になり、ダンジョンに吸収されていった。

「ふゎ。眠い」
「死闘を繰り広げた後の一言目が「眠い」って。ま、お疲れ様。最後のはオーバーキルだろうけどね」
「分かってる」

 そして、マリーはダンジョンを攻略した。


ミカエルはお姉さんキャラ。

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