ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~
むしろ私被害者ですのよ?
その後も幾つかの質問を交えて話を続けた。
この鬼神相手なら既に罰を受けている訳だし、今更罪が増えてもまあ大丈夫だろう。と、考えたためだ。ぶっちゃけ罰があっても私は関係ないし。
ついでに言えばテア達や駄女神達に比べて、規則が緩いかもしれないという打算もあった。
そんなこんなで聞いた内容で有益だった話の一つは神について、もう一つは邪神についてだ。
何故神について聞いたかと言えば、龍の里に来てから私の中で一つ疑問が生じたからだ。
それはミコトの存在。
龍神の娘と言うだけあって、ミコトからは確かに若干ではあるが神の気配を感じた。
親子であれば自然な事かもしれないが、それが神となれば話は別だろう。
神の子供が神の力を持つ、それがまかり通るなら、変な話この世に神を量産する事も可能という事になる。
しかし私はテアや駄女神達を除けば神を見たのは、龍神、邪神だけだ。
自分達の種族に神を創る。この誘惑に負けない者がそんなに多いとは思えなかったのだ。
そしてそうでないとすれば、再び引っかかるのはミコトの存在だ。
実の子でなければ考えられるのは、神の力を持った子を娘にしたか、もしくは考えたくはないが、自身に何かがあった時の為に力を移した分身、分霊という可能性もある。
もし本当にそうだとして、ミコトという人格を持たせたなら、とりあえずあの龍神はぶん殴るが、ミコト当人にも、周りにも聞く訳にはいかずここで聞く事にしたのだ。
「端的に言えば己や龍神の奴は創世神達とは少し違う」
そう言って話し始めた鬼神の説明はこうだ。
鬼神や龍神、私の見たこの二柱の神は厳密に言えば神の見習いのような立場にあるらしい。
駄女神達のように神の力を持って生まれた、信仰によって神の力を得た存在ではなく、神へと至った者達、それが鬼神や龍神なのだそうだ。
「それの何が違うんだ?」
「一つは下界への干渉制限だ。基本女神達は人を介す事でしか下界に干渉出来ないが、己達のような元々この世界の住人だった者は、女神達に比べてその制限が緩い」
「ほう。つまりはその緩さがお前が罪を犯せた理由でもあるのか」
「そうだ。簡単に言えば己達は自身の眷属の為ならば、かなりの力を行使して干渉する事が出来る。まあ、己はそれで他の種族を滅ぼしてこうなっているのだがな。だがそれもかなりの制限はある」
他の種族滅ぼしたのか……。なるほど、邪神認定も仕方なし。まあ、理由を聞いたら面白い話ではなく、私でもそうするだろうと思ったとだけ言っておこう。
むしろ滅ぼしただけならやさしい程だ。
そんな鬼神や龍神だが、一応名目としては下界での修行中という感じなようだ。
生きている間全てが修行であり神になった後の評価に繋がる。そこでオイタをすると、鬼神のように封印されたり、神としての神格にもかかわってくるらしい。
生きてる間に信仰を集められれば集められるほど、死んだ後の神としての神格が上がるのだとか。
ポイントはプラスの意味だけが神格に関わるものではない事か。
敬いも恐れも等しく信仰。
その種類により神としての力や役割が変わるようだが、流石にそこまでは教えて貰えなかった。
結果として聞けたのは求めたものとは少し違ったが、これはこれで有益な情報だった。
因みにミコトは普通に龍神の娘で、成長すると神の力は自然と無くなっていくらしい。
中には保持したまま成長する者もいるが、それも格段に弱い力なのだとか。だがやはり血統はあるようで、努力次第では神の力を手に入れる可能性は他よりも高いのだとか。
そして次に聞いたのが邪神……もっと言えば大罪についてだ。
さきほどさらりと鬼神が言った言葉「邪神ではあるが大罪ではない」これはなかなか大きな事だったりする。
だって邪神の数が七体で済むかそれ以上居るのかって問題なのだ。
と、いう訳で聞いた結果、大罪は邪神の中でも特別な存在らしい。
「と、言うと?」
「大罪はどちらかと言えば管理者側と言うよりも、己達のような存在に近い」
「ほう……」
どうやら鬼神の話によると、大罪の名を冠する奴らは強大な力から邪神と呼ばれ、この世界以外の全ての世界に共通して現れる概念そのものらしい。
だから正確に言えば鬼神や龍神のように神の力、神力を持っている訳ではない。
その世界の負の感情が神に等しい力を生み出し、それらが集まる事で自然に生まれいずるモノ……それが大罪。
何よりも恐ろしいのは大罪の因子は誰の中にも眠っている事だ。
感情の爆発、何かの切っ掛け世界に溢れたそれが集まり大罪になる事もあれば、どこかの誰かが能力者として目覚める可能性もある。
つまり誰もが大罪になる可能性が存在するのだ。
そしてそれらは時に邪神として、時にその名を冠するモンスター、能力として現れ、世界そのものを破壊しようとする。
大罪は生まれた時点で狂い、間接的にも直接的にも世界を壊す事が目的となるからだ。
そして大罪の名を冠する奴らは、特殊な力を持っている。
通常の邪神に比べれば弱いらしいが、その特殊な能力から対策を持っていなければ、邪神を打倒する力を持つ勇者であっても詰む。
確かにベルゼブブを私が倒せたのは相性が良かったからだもんなぁ。逆に言えば普通に戦っていたら、今頃私はとっくに死んでいただろう。
別に倒して回りたい訳でもないから良いのだが、神というものはどこでどう関わってくるのか分からないからね。
一匹出てきたら五、六匹は出て来る可能性がある!
『人を黒いアレのように言うのはやめて貰えます?』
「おわっと!? 出たなストーカー」
『誰がストーカーですか、誰が!?』
ちょっと考えていたら本当に出て来た駄女神に言い返すと、これまた小気味いいテンポのツッコミが返ってきた。
だが、こんな所まで来るとはやはりストーカーここに極まれり。
『まったく。貴女は本当にちょっと目を話すと色々な事に巻き込まれてますね』
「それ私のせいじゃなくね!?」
むしろ私被害者ですのよ?
『……知らないうちにドラゴンコアが活性化して、鬼の力も馴染んでいる? 竜の鱗に鬼の肌、ステータス的には変わりはないけど、身体の頑強さは段違いに変わってますね』
「何を人をジロジロ見ながらブツクサ言ってんだ? ちゃんと聞こえるように言えや」
なんか結構重要そうな事言ってんのに聞こえんではないか。
「ほう……珍しい客だな」
私と話していた時とは違う冷たい声音。
それを発した鬼神が感情を映さない瞳で駄女神を見ている。
……龍神とテアの時も思ったけど、現地の神と管理者側の神って仲悪いのか?
『別にそういう訳ではありませんよ』
「そうだな。別にそんな事はない」
二人揃って私の心を読んだのだろう。ほぼ同時にそんな事を言ってきた。
コイツら人の考え読んでおいて悪びれすらしない……。
やはり神という存在はどこまで行っても私の敵のようだ。
『ハクアは放っておくと、ギリギリのラインを見極めて色々と探ろうとするので来たんですよ』
「ふっ、残念ながら聞きたい事はだいたい聞いた後だ」
『そのようですね。まあ、神についても大罪についてもその内話す予定ではあったので良いのですが……』
「そうなのか?」
『ええ、貴女は巻き込まれそうですからね。折を見てテア様達が話す予定でした』
やめて変なフラグ立てないで!? なんでこの人達さっきから私に大罪ぶつけようとするの!?
『運命ですね』
「運命だな」
「お前らさっきまで仲悪そうにしてたよな!?」
なんなんこのタッグ!?
『それで貴女は何故ハクアをここに? 助ける意図は確かにあったでしょうがそれだけではないですよね?』
急に真面目な態度になり駄女神が鬼神に問い掛ける。
話はまだ終わってないからちょっと待って欲しいが、その場に流れた空気がそれを許さない。悔しいかな空気が読める子と定評のある私は黙って聞く事にした。
「まあこちらも隠す気はない。ハクア……貴様、己の祝福を受けてみる気はないか?」
鬼神から放たれた言葉、それは私が予想もしない提案だった。
この鬼神相手なら既に罰を受けている訳だし、今更罪が増えてもまあ大丈夫だろう。と、考えたためだ。ぶっちゃけ罰があっても私は関係ないし。
ついでに言えばテア達や駄女神達に比べて、規則が緩いかもしれないという打算もあった。
そんなこんなで聞いた内容で有益だった話の一つは神について、もう一つは邪神についてだ。
何故神について聞いたかと言えば、龍の里に来てから私の中で一つ疑問が生じたからだ。
それはミコトの存在。
龍神の娘と言うだけあって、ミコトからは確かに若干ではあるが神の気配を感じた。
親子であれば自然な事かもしれないが、それが神となれば話は別だろう。
神の子供が神の力を持つ、それがまかり通るなら、変な話この世に神を量産する事も可能という事になる。
しかし私はテアや駄女神達を除けば神を見たのは、龍神、邪神だけだ。
自分達の種族に神を創る。この誘惑に負けない者がそんなに多いとは思えなかったのだ。
そしてそうでないとすれば、再び引っかかるのはミコトの存在だ。
実の子でなければ考えられるのは、神の力を持った子を娘にしたか、もしくは考えたくはないが、自身に何かがあった時の為に力を移した分身、分霊という可能性もある。
もし本当にそうだとして、ミコトという人格を持たせたなら、とりあえずあの龍神はぶん殴るが、ミコト当人にも、周りにも聞く訳にはいかずここで聞く事にしたのだ。
「端的に言えば己や龍神の奴は創世神達とは少し違う」
そう言って話し始めた鬼神の説明はこうだ。
鬼神や龍神、私の見たこの二柱の神は厳密に言えば神の見習いのような立場にあるらしい。
駄女神達のように神の力を持って生まれた、信仰によって神の力を得た存在ではなく、神へと至った者達、それが鬼神や龍神なのだそうだ。
「それの何が違うんだ?」
「一つは下界への干渉制限だ。基本女神達は人を介す事でしか下界に干渉出来ないが、己達のような元々この世界の住人だった者は、女神達に比べてその制限が緩い」
「ほう。つまりはその緩さがお前が罪を犯せた理由でもあるのか」
「そうだ。簡単に言えば己達は自身の眷属の為ならば、かなりの力を行使して干渉する事が出来る。まあ、己はそれで他の種族を滅ぼしてこうなっているのだがな。だがそれもかなりの制限はある」
他の種族滅ぼしたのか……。なるほど、邪神認定も仕方なし。まあ、理由を聞いたら面白い話ではなく、私でもそうするだろうと思ったとだけ言っておこう。
むしろ滅ぼしただけならやさしい程だ。
そんな鬼神や龍神だが、一応名目としては下界での修行中という感じなようだ。
生きている間全てが修行であり神になった後の評価に繋がる。そこでオイタをすると、鬼神のように封印されたり、神としての神格にもかかわってくるらしい。
生きてる間に信仰を集められれば集められるほど、死んだ後の神としての神格が上がるのだとか。
ポイントはプラスの意味だけが神格に関わるものではない事か。
敬いも恐れも等しく信仰。
その種類により神としての力や役割が変わるようだが、流石にそこまでは教えて貰えなかった。
結果として聞けたのは求めたものとは少し違ったが、これはこれで有益な情報だった。
因みにミコトは普通に龍神の娘で、成長すると神の力は自然と無くなっていくらしい。
中には保持したまま成長する者もいるが、それも格段に弱い力なのだとか。だがやはり血統はあるようで、努力次第では神の力を手に入れる可能性は他よりも高いのだとか。
そして次に聞いたのが邪神……もっと言えば大罪についてだ。
さきほどさらりと鬼神が言った言葉「邪神ではあるが大罪ではない」これはなかなか大きな事だったりする。
だって邪神の数が七体で済むかそれ以上居るのかって問題なのだ。
と、いう訳で聞いた結果、大罪は邪神の中でも特別な存在らしい。
「と、言うと?」
「大罪はどちらかと言えば管理者側と言うよりも、己達のような存在に近い」
「ほう……」
どうやら鬼神の話によると、大罪の名を冠する奴らは強大な力から邪神と呼ばれ、この世界以外の全ての世界に共通して現れる概念そのものらしい。
だから正確に言えば鬼神や龍神のように神の力、神力を持っている訳ではない。
その世界の負の感情が神に等しい力を生み出し、それらが集まる事で自然に生まれいずるモノ……それが大罪。
何よりも恐ろしいのは大罪の因子は誰の中にも眠っている事だ。
感情の爆発、何かの切っ掛け世界に溢れたそれが集まり大罪になる事もあれば、どこかの誰かが能力者として目覚める可能性もある。
つまり誰もが大罪になる可能性が存在するのだ。
そしてそれらは時に邪神として、時にその名を冠するモンスター、能力として現れ、世界そのものを破壊しようとする。
大罪は生まれた時点で狂い、間接的にも直接的にも世界を壊す事が目的となるからだ。
そして大罪の名を冠する奴らは、特殊な力を持っている。
通常の邪神に比べれば弱いらしいが、その特殊な能力から対策を持っていなければ、邪神を打倒する力を持つ勇者であっても詰む。
確かにベルゼブブを私が倒せたのは相性が良かったからだもんなぁ。逆に言えば普通に戦っていたら、今頃私はとっくに死んでいただろう。
別に倒して回りたい訳でもないから良いのだが、神というものはどこでどう関わってくるのか分からないからね。
一匹出てきたら五、六匹は出て来る可能性がある!
『人を黒いアレのように言うのはやめて貰えます?』
「おわっと!? 出たなストーカー」
『誰がストーカーですか、誰が!?』
ちょっと考えていたら本当に出て来た駄女神に言い返すと、これまた小気味いいテンポのツッコミが返ってきた。
だが、こんな所まで来るとはやはりストーカーここに極まれり。
『まったく。貴女は本当にちょっと目を話すと色々な事に巻き込まれてますね』
「それ私のせいじゃなくね!?」
むしろ私被害者ですのよ?
『……知らないうちにドラゴンコアが活性化して、鬼の力も馴染んでいる? 竜の鱗に鬼の肌、ステータス的には変わりはないけど、身体の頑強さは段違いに変わってますね』
「何を人をジロジロ見ながらブツクサ言ってんだ? ちゃんと聞こえるように言えや」
なんか結構重要そうな事言ってんのに聞こえんではないか。
「ほう……珍しい客だな」
私と話していた時とは違う冷たい声音。
それを発した鬼神が感情を映さない瞳で駄女神を見ている。
……龍神とテアの時も思ったけど、現地の神と管理者側の神って仲悪いのか?
『別にそういう訳ではありませんよ』
「そうだな。別にそんな事はない」
二人揃って私の心を読んだのだろう。ほぼ同時にそんな事を言ってきた。
コイツら人の考え読んでおいて悪びれすらしない……。
やはり神という存在はどこまで行っても私の敵のようだ。
『ハクアは放っておくと、ギリギリのラインを見極めて色々と探ろうとするので来たんですよ』
「ふっ、残念ながら聞きたい事はだいたい聞いた後だ」
『そのようですね。まあ、神についても大罪についてもその内話す予定ではあったので良いのですが……』
「そうなのか?」
『ええ、貴女は巻き込まれそうですからね。折を見てテア様達が話す予定でした』
やめて変なフラグ立てないで!? なんでこの人達さっきから私に大罪ぶつけようとするの!?
『運命ですね』
「運命だな」
「お前らさっきまで仲悪そうにしてたよな!?」
なんなんこのタッグ!?
『それで貴女は何故ハクアをここに? 助ける意図は確かにあったでしょうがそれだけではないですよね?』
急に真面目な態度になり駄女神が鬼神に問い掛ける。
話はまだ終わってないからちょっと待って欲しいが、その場に流れた空気がそれを許さない。悔しいかな空気が読める子と定評のある私は黙って聞く事にした。
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