ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~
「大丈夫か?」
「くっ!あっ!」
ローブの男と切り結んでいたコロはまたも目の妨害攻撃で身体の自由を奪われ、鳩尾に蹴りを降り下ろす様に喰らい倒れてしまう。
「あれはマズイのじゃ」
再び参戦する為に走っていたクーは、今の攻撃を見て更にスピードを上げながら、ダークネスアローをローブの男に向い放ち牽制する。だが、ローブの男はその攻撃を腕の一振りで掻き消してしまう。
(くっ!あやつパワーが上がっておる)
それでも更にダークネスブラストを四つ出し、それぞれタイミングを変えて発射する。先ず一つ目を胴体へと当てるがローブの男は多少よろめくだけで踏み留まる。次の二発目も間髪いれず胴体に叩き込むと、今度は身体が大きく後ろに傾ぎ一歩後退する。続く三、四発目を上から押さえ込む様にタイミングを揃えて両肩に当てると、ローブの男は背中を反らせバランスを崩して倒れ込む。
クーはその隙にコロを回収し、倒れているローブの男の周りに闇黒魔法で黒い霧を作り包み込む。
「大丈夫かコロ?」
「う・・・ん。大丈夫・・・かな」
「今の内に回復薬を」
そう言ってクーは万が一の場合に備えて準備していた回復薬をクーに飲ませ、次いでに腹にも直接掛ける。回復薬は飲めば効果が出るが、外傷を早く治したい場合は直接掛けた方が効果が早い(その代わりHPの回復量は少なくなる)
「アレだんだん強くなっていって無いかな?」
「うむ。コロも気が付いたか?」
「うん、途中からパワーが上がって押しきられたかな」
未だ先程の蹴りのダメージが抜けきらず動けないながらも、取り合えず会話が出来るまで回復したコロは、ローブの男に付いて意見を交換する。
ローブの男は未だにクーの作り出した霧の中から出て来る気配は無い。それを疑問に感じつつも状況を打開する為、案を出し合うがこれと言った打開策が思い付かない二人。しかし、元々の使い方に無い霧は長くは持たず徐々に晴れていく。それに対し、もう一度通用するか分からないが、クーは更に霧を作り出す為、闇黒魔法を発動しようとする。その時ーーー「危ない!」コロの声に勘に任せ咄嗟に避けようとするクー。しかし、霧と魔法の方に集中していた為に反応が僅かに遅れてしまう。そして、その僅かな反応の遅れが致命的な物となった。
「うっ!カッハッ!」
「クー!」
クーを攻撃したのは何と先程ローブの男が自ら放り捨てた、ローブの男の頭だった。ローブの男の身体との戦いに集中していた二人は、捨て去った頭が独りでに動くとは思わず、頭の中からすっかり消え去り、更に霧に集中していた所を狙われた為、避けることが出来ず食らってしまったのだった。
その頭部はクーの細い首筋に噛み付き、歯を肉へと深々と差し込み、更にはいつの間にか首の骨が断面から伸び、クーの腕を巻き込み体を締め上げながら巻き付いていた。
「クー!待ってて今取るかな!」
漸く全快して動ける様になったコロは慌ててクーに近寄り、頭部を引き剥がそうとする。
「うっ!くっあっ!我は・・・平気・・じゃ、コロは、・・・ローブ・・・・集中・・・あっくっ!」
「でも、そのままじゃ!」
確かにクーの言う通り霧はもうほとんど残っておらず、その中から出て来た身体は、先程の攻撃で追った傷も治っていた。どうやら、回復していたのはこちらだけでは無かった様だ。
二人掛りでも苦戦していたのに、クーを助けていれば決定的な隙になり直ぐに続かなくなる。それはコロにも十分分かっていた。だが、今も地面に横たわりながら、首筋に噛み付かれ大量の血を流し、骨に締め付けられて身体の軋む音が聞こえているクーを放って置く事は出来なかった。
「ふふっ、・・大・・・丈夫・・じゃ。我は・・・これでも・・・・元・・魔王・・・この・・程度、直ぐに何とか・・・・する・・のじゃ。・・・だから!・・・信じろ」
「分かったかな。直ぐ助けに来る!」
コロがそう宣言すると、クーは少し嬉しそうに笑ってコロを見詰める。コロは土魔法でクーの周りを一段低くして、その周りを石の壁で囲んだ即席の防空壕の様な物を作り出し、クーの安全を少しでも確保する。
しかし、完全に霧が晴れ胴体の目がコロを見付けた瞬間、防空壕を作っているコロ目掛け、ローブの男がウインドカッターを放つ。それを察知したコロは、振り向き様に断魔の大剣を振り抜きウインドカッターを消し去ると、クーから離れる様にローブの男に向い接近戦を挑む。
コロは元々普通のドワーフに比べ魔法の資質は高い物の、高いレベルの戦闘で十全に使えるほどの適正は無かった。それ故にコロは危険を承知で接近戦を挑み勝機を見出だそうとした。
コロはドワーフ特有の小さな身体を生かし、常に懐に潜り込み胴体の目の正面に立たない様に動き回る。上段からの振り下ろしの一撃に大剣を盾にして、当たる瞬間に斜めにずらし威力を逃がしながら隙を作り出す。ローブの男の素早い動きは、その隙さえも普通に攻撃していればガードされてしまう。そこでコロは斜めにずらした大剣の柄を、先程やられた蹴りの様に鳩尾辺りに叩き付ける様に降り下ろす。
コロの高い攻撃力は【魔闘技】と【闘気】を更に腕に集中する事で格段に威力がます。これが、この作戦前にコロ達がハクアに言われもっとも練習していた事だった。
コロの攻撃でよろめいた身体に向けて上段から振りかぶり斧技【破壊の一撃】を放つ。だが、やはり目が紅く光りコロの身体を縛り付ける。しかし、コロはスキルを一瞬全開で発動する事で、雄叫びをあげながら無理矢理身体の硬直を消し去り攻撃を続行する。
しかし、ローブの男はその僅かな隙に剣技【逆鱗】を放ち、コロの攻撃は相殺されてしまう。だが、それも織り込んでいたコロは、弾かれた大剣の勢いを殺す事なく、その場で回転してそのまま大剣技【回転迅】を放ち、ローブの男を吹き飛ばす。
更にそのまま大剣技【地走り】を放ち追撃を掛ける。だが、その攻撃はローブの男が放つゲイルブラストに相殺され、同時に作り出されていたゲイルブラストがコロに殺到する。その攻撃を何とか断魔の大剣を使い切り裂くが、その圧力と密度に徐々に押されていってしまう。
ドガァ!「あっ!ぐうぅ、つっ!」
何とか猛攻を凌いでいたコロだったが、魔法を切り裂く衝撃で舞っていた土煙に紛れて接近していた、ローブの男の一撃を食らってしまい、左腕を切り裂かれてしまう。そしてそのまま、今度はローブの男の接近戦の猛攻にさらされる。
コロは動かなくなった左腕から血を流しながらも懸命にローブの男の剣戟を時には避け、捌き、受けながら何とか持ち堪える。しかし、ローブの男の攻撃力はコロと同等かそれ以上、片腕しか使えないコロは段々と追い詰められていってしまう。
それでも何とか凌いでいたが、今まで武器として活用していたその小柄な体型が仇となり、下からアッパーの様にかち上げられたコロは、なすすべも無くその小さな体躯は宙に浮いてしまう。
ローブの男はそんなコロに向い威力よりも数と早さを重視した火球を叩き込む。
ドォドォドォドォオ!
最初の何発かは切り裂くも、宙に在る身体では自由も効かず、直ぐさま防御に切り替え大剣を盾に構える。しかし、そんなコロに火球は容赦なく降り注ぎ、至る所に火傷と裂傷を作りながら、地面に投げ出されてしまう。
「うっ、カハッ!ケホッ!ゲホッ!くっ、うぅ」
(早く!早く・・・立たなきゃ!)
そして、地面に横たわりながらも、何とか立ち上がろうともがくコロに向い、特大の火球が放たれる。
ドガァァォアァァア!
轟音と浮遊感、余りの衝撃に痛みは無くなったのか驚くほどに衝撃等は感じなかった。
「大丈夫か?」
「えっ?!」
その声にハッとして目を開けると、そこにはどこか見た事が在るような黒髪の美女がその漆黒の瞳で自分の顔を覗いていた。
ローブの男と切り結んでいたコロはまたも目の妨害攻撃で身体の自由を奪われ、鳩尾に蹴りを降り下ろす様に喰らい倒れてしまう。
「あれはマズイのじゃ」
再び参戦する為に走っていたクーは、今の攻撃を見て更にスピードを上げながら、ダークネスアローをローブの男に向い放ち牽制する。だが、ローブの男はその攻撃を腕の一振りで掻き消してしまう。
(くっ!あやつパワーが上がっておる)
それでも更にダークネスブラストを四つ出し、それぞれタイミングを変えて発射する。先ず一つ目を胴体へと当てるがローブの男は多少よろめくだけで踏み留まる。次の二発目も間髪いれず胴体に叩き込むと、今度は身体が大きく後ろに傾ぎ一歩後退する。続く三、四発目を上から押さえ込む様にタイミングを揃えて両肩に当てると、ローブの男は背中を反らせバランスを崩して倒れ込む。
クーはその隙にコロを回収し、倒れているローブの男の周りに闇黒魔法で黒い霧を作り包み込む。
「大丈夫かコロ?」
「う・・・ん。大丈夫・・・かな」
「今の内に回復薬を」
そう言ってクーは万が一の場合に備えて準備していた回復薬をクーに飲ませ、次いでに腹にも直接掛ける。回復薬は飲めば効果が出るが、外傷を早く治したい場合は直接掛けた方が効果が早い(その代わりHPの回復量は少なくなる)
「アレだんだん強くなっていって無いかな?」
「うむ。コロも気が付いたか?」
「うん、途中からパワーが上がって押しきられたかな」
未だ先程の蹴りのダメージが抜けきらず動けないながらも、取り合えず会話が出来るまで回復したコロは、ローブの男に付いて意見を交換する。
ローブの男は未だにクーの作り出した霧の中から出て来る気配は無い。それを疑問に感じつつも状況を打開する為、案を出し合うがこれと言った打開策が思い付かない二人。しかし、元々の使い方に無い霧は長くは持たず徐々に晴れていく。それに対し、もう一度通用するか分からないが、クーは更に霧を作り出す為、闇黒魔法を発動しようとする。その時ーーー「危ない!」コロの声に勘に任せ咄嗟に避けようとするクー。しかし、霧と魔法の方に集中していた為に反応が僅かに遅れてしまう。そして、その僅かな反応の遅れが致命的な物となった。
「うっ!カッハッ!」
「クー!」
クーを攻撃したのは何と先程ローブの男が自ら放り捨てた、ローブの男の頭だった。ローブの男の身体との戦いに集中していた二人は、捨て去った頭が独りでに動くとは思わず、頭の中からすっかり消え去り、更に霧に集中していた所を狙われた為、避けることが出来ず食らってしまったのだった。
その頭部はクーの細い首筋に噛み付き、歯を肉へと深々と差し込み、更にはいつの間にか首の骨が断面から伸び、クーの腕を巻き込み体を締め上げながら巻き付いていた。
「クー!待ってて今取るかな!」
漸く全快して動ける様になったコロは慌ててクーに近寄り、頭部を引き剥がそうとする。
「うっ!くっあっ!我は・・・平気・・じゃ、コロは、・・・ローブ・・・・集中・・・あっくっ!」
「でも、そのままじゃ!」
確かにクーの言う通り霧はもうほとんど残っておらず、その中から出て来た身体は、先程の攻撃で追った傷も治っていた。どうやら、回復していたのはこちらだけでは無かった様だ。
二人掛りでも苦戦していたのに、クーを助けていれば決定的な隙になり直ぐに続かなくなる。それはコロにも十分分かっていた。だが、今も地面に横たわりながら、首筋に噛み付かれ大量の血を流し、骨に締め付けられて身体の軋む音が聞こえているクーを放って置く事は出来なかった。
「ふふっ、・・大・・・丈夫・・じゃ。我は・・・これでも・・・・元・・魔王・・・この・・程度、直ぐに何とか・・・・する・・のじゃ。・・・だから!・・・信じろ」
「分かったかな。直ぐ助けに来る!」
コロがそう宣言すると、クーは少し嬉しそうに笑ってコロを見詰める。コロは土魔法でクーの周りを一段低くして、その周りを石の壁で囲んだ即席の防空壕の様な物を作り出し、クーの安全を少しでも確保する。
しかし、完全に霧が晴れ胴体の目がコロを見付けた瞬間、防空壕を作っているコロ目掛け、ローブの男がウインドカッターを放つ。それを察知したコロは、振り向き様に断魔の大剣を振り抜きウインドカッターを消し去ると、クーから離れる様にローブの男に向い接近戦を挑む。
コロは元々普通のドワーフに比べ魔法の資質は高い物の、高いレベルの戦闘で十全に使えるほどの適正は無かった。それ故にコロは危険を承知で接近戦を挑み勝機を見出だそうとした。
コロはドワーフ特有の小さな身体を生かし、常に懐に潜り込み胴体の目の正面に立たない様に動き回る。上段からの振り下ろしの一撃に大剣を盾にして、当たる瞬間に斜めにずらし威力を逃がしながら隙を作り出す。ローブの男の素早い動きは、その隙さえも普通に攻撃していればガードされてしまう。そこでコロは斜めにずらした大剣の柄を、先程やられた蹴りの様に鳩尾辺りに叩き付ける様に降り下ろす。
コロの高い攻撃力は【魔闘技】と【闘気】を更に腕に集中する事で格段に威力がます。これが、この作戦前にコロ達がハクアに言われもっとも練習していた事だった。
コロの攻撃でよろめいた身体に向けて上段から振りかぶり斧技【破壊の一撃】を放つ。だが、やはり目が紅く光りコロの身体を縛り付ける。しかし、コロはスキルを一瞬全開で発動する事で、雄叫びをあげながら無理矢理身体の硬直を消し去り攻撃を続行する。
しかし、ローブの男はその僅かな隙に剣技【逆鱗】を放ち、コロの攻撃は相殺されてしまう。だが、それも織り込んでいたコロは、弾かれた大剣の勢いを殺す事なく、その場で回転してそのまま大剣技【回転迅】を放ち、ローブの男を吹き飛ばす。
更にそのまま大剣技【地走り】を放ち追撃を掛ける。だが、その攻撃はローブの男が放つゲイルブラストに相殺され、同時に作り出されていたゲイルブラストがコロに殺到する。その攻撃を何とか断魔の大剣を使い切り裂くが、その圧力と密度に徐々に押されていってしまう。
ドガァ!「あっ!ぐうぅ、つっ!」
何とか猛攻を凌いでいたコロだったが、魔法を切り裂く衝撃で舞っていた土煙に紛れて接近していた、ローブの男の一撃を食らってしまい、左腕を切り裂かれてしまう。そしてそのまま、今度はローブの男の接近戦の猛攻にさらされる。
コロは動かなくなった左腕から血を流しながらも懸命にローブの男の剣戟を時には避け、捌き、受けながら何とか持ち堪える。しかし、ローブの男の攻撃力はコロと同等かそれ以上、片腕しか使えないコロは段々と追い詰められていってしまう。
それでも何とか凌いでいたが、今まで武器として活用していたその小柄な体型が仇となり、下からアッパーの様にかち上げられたコロは、なすすべも無くその小さな体躯は宙に浮いてしまう。
ローブの男はそんなコロに向い威力よりも数と早さを重視した火球を叩き込む。
ドォドォドォドォオ!
最初の何発かは切り裂くも、宙に在る身体では自由も効かず、直ぐさま防御に切り替え大剣を盾に構える。しかし、そんなコロに火球は容赦なく降り注ぎ、至る所に火傷と裂傷を作りながら、地面に投げ出されてしまう。
「うっ、カハッ!ケホッ!ゲホッ!くっ、うぅ」
(早く!早く・・・立たなきゃ!)
そして、地面に横たわりながらも、何とか立ち上がろうともがくコロに向い、特大の火球が放たれる。
ドガァァォアァァア!
轟音と浮遊感、余りの衝撃に痛みは無くなったのか驚くほどに衝撃等は感じなかった。
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