ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~
私は私のこの血に誓い、恥ずべき事はしていない
「まさか、まさかまさかまさかまさかまさかまさか!き、貴様ーー!!わ、私を!この私を騙したのかーー!」
澪の正体を知ったゲイルは叫び、鬼の様な形相で澪に近付こうとする。が、流石にハクアに止められ、地面に叩き付けられてしまう。
(この様子やっぱりかーーータクッ、良い年してハニートラップに掛かるとか。いや、逆にこのタイプなら簡単に掛かるか、普段から誰にもまともに話を聞いて貰えない、認めて貰えない。そんな鬱屈した高い人間が酒を煽って酩酊した状態で、澪みたいな奴に認められたり肯定されれば簡単に堕ちるか。しかも自尊心も強いから余計に)
「騙したーーーとは心外だな。私はただ貴様とは酒の席で話をしただけだと記憶しているが?酒を飲んで色々喋ったのは貴様だろう?」
「うっ、ぐっ」
「まっ、そんな事はどうでも良いよ。大体予想の範疇だし」
「だろうな」
「見逃す気は?」
「在ると思うか?」
「ですよね~」
ハクアは会話で何とか主導権を握ろうとするも、やはりやり口を知っている澪はそんな事を赦しはしない。しかしそんなハクアと澪の会話を聞いて、納得のいかない人間が居た。
「せ、先輩!何でそんなに冷静に話ているんですか!?安形先輩が先輩の私達の敵になってるんですよ!きっとーーきっと何か事情があるんですよ!」
「ふむ。誰かと思えば一年の神城 結衣じゃ無いか。そうか君も来ていたか、フフッ、後輩に慕われてるじゃ無いか白亜。私とお前の事をいちいち心配するなんて良い後輩だな」
「まあね。自慢の後輩ちゃんだよ。それじゃ、後輩の為に一つだけ聞こうかな?」
「ああ何でも答えてやるぞ」
「じゃ、遠慮無く。お前はこの今の状況で、私や瑠璃に少しでも罪悪感や後ろめたさを感じているか?」
「何を言っているんですかご主人様!そんなの友達ならーー」
「ふっ。いいや、全く無いな。むしろ少し楽しんでるぞ。詩的に言うなら『頭は間違うことがあっても、血は間違わない 』と言った所か?私は私のこの血に誓い、恥ずべき事はしていない」
「だろうね。しかし相変わらず面倒な言い回しだな。中島 敦の光と風と夢の一節だったか?つー訳で結衣ちゃん。私や瑠璃だってあいつが苦しそうにしてるなら何とかするさ。でもあいつは今も楽しんでる。なら私がする事もまた変わらない。辛そうな顔で死んでくれと言われるよりは、百倍ましだ。それに、何よりもあいつらしい」
「そんなーーー」
結衣はその澪の言葉を聞き、ハクアの考えが理解できないのか顔を歪めるーーーーしかし、それは当然で何よりも自然な反応だとハクアは思う。
そしてその言葉はアレクトラの感情を逆撫でる物だった。
「貴女はーー貴女はこんな事をしでかしておいて、恥ずべき事はしていないと言うのですか!私は信じていたのにーーお姉さまを返して!!返してよ!!」
「アレクトラかーーーただ利用されるだけの愚物が、この私と対等に言葉を交わすな。それにお前のモチベーションは無駄な物だろう?なあ?」
「な、何を。ハッ!お姉様!目を、目を覚まして下さいお姉様!お姉様はその女に操られているのです!」
澪の言葉に前に進み出た、高貴な印象の女に向いアレクトラは叫ぶ。だがーーー。
「アレクトラ。何を勘違いしているかは知りませんが、私は操られて何ていないわよ?私は私の意思で澪に協力しているの」
「お・・・姉・・・様?」
「まだわからないのね?私は私の意思で行動しているわ。魔族の力は強大、逆らえば領民は苦しむ事になるわ。私はこの地を管理する人間として、そんな事を許す事は出来ないの。だからこそこの計画に自ら乗ったわ。まあ、中には反対する兵士もいたけれど、それは黙らせ今はちゃんと国の為に動いている。貴女こそ何をしているの?国民の為、その他を切り捨てる。それが出来無くて王族を語るのは辞めなさい」
「そんな・・・・・そんな事って・・・」
その言葉にアレクトラは崩れ落ち、うわ言の様に否定の言葉を繰り返す。
「ご主人様。ここは無理矢理にでも撤退するべきでは?」
「それは無理だぜエルフの嬢ちゃん」
「ジャックの言う通りだよアリシア。仮に後ろを無理矢理に突破しても、こっちの被害は洒落になんないレベルになる。そうなればもう建て直し何て出来ないから、それこそ魔族に総崩れにされる」
「でも、ジャックさんやメルさんがいれば何とかならないのハクア?」
「頼られるのは嬉しいのだけど、それも無理ね」
「この二人はこっちの切り札だけど、向こうもこの二人を抑える事が出来る鬼札がある。仮にそれが無くてもこの状況じゃね。運が良くて半壊、悪ければ最初の一撃でほぼ全滅レベルだね。だからこそ、こんな状況を作らない様に動く積りだったんだけどね~」
「確かにな、白亜お前達と私の兵の数はこちらの方が約二倍強、それを覆すには奇襲と陽動を織り混ぜた、ゲリラ戦でこちらの戦力を削りつつ、またその一方でこのーーーギルドの人間や冒険者を取り返す為に、少数精鋭で奪還作戦に出る積りだったんだろ?
まあ、私も予想してたからこそそいつに近付いたが、まさかここまで愚かとは思わなくて、正直、慌ててここまでの包囲を完成させたぞ。普通に焦った。ある程度はちゃんと管理してくれよ。マジで」
「それについてはこっちも被害者だ!」
「だろうな。それで?相談はもういいのか?」
「こっちはね。次はそっちの話を聞きたいな。在るんだろう?この状況で私に傾く出目がーーー」
澪はハクアの言葉に、その端整な唇を三日月の様に歪め愉しそうに嗤い、言葉を紡いだーー。
澪の正体を知ったゲイルは叫び、鬼の様な形相で澪に近付こうとする。が、流石にハクアに止められ、地面に叩き付けられてしまう。
(この様子やっぱりかーーータクッ、良い年してハニートラップに掛かるとか。いや、逆にこのタイプなら簡単に掛かるか、普段から誰にもまともに話を聞いて貰えない、認めて貰えない。そんな鬱屈した高い人間が酒を煽って酩酊した状態で、澪みたいな奴に認められたり肯定されれば簡単に堕ちるか。しかも自尊心も強いから余計に)
「騙したーーーとは心外だな。私はただ貴様とは酒の席で話をしただけだと記憶しているが?酒を飲んで色々喋ったのは貴様だろう?」
「うっ、ぐっ」
「まっ、そんな事はどうでも良いよ。大体予想の範疇だし」
「だろうな」
「見逃す気は?」
「在ると思うか?」
「ですよね~」
ハクアは会話で何とか主導権を握ろうとするも、やはりやり口を知っている澪はそんな事を赦しはしない。しかしそんなハクアと澪の会話を聞いて、納得のいかない人間が居た。
「せ、先輩!何でそんなに冷静に話ているんですか!?安形先輩が先輩の私達の敵になってるんですよ!きっとーーきっと何か事情があるんですよ!」
「ふむ。誰かと思えば一年の神城 結衣じゃ無いか。そうか君も来ていたか、フフッ、後輩に慕われてるじゃ無いか白亜。私とお前の事をいちいち心配するなんて良い後輩だな」
「まあね。自慢の後輩ちゃんだよ。それじゃ、後輩の為に一つだけ聞こうかな?」
「ああ何でも答えてやるぞ」
「じゃ、遠慮無く。お前はこの今の状況で、私や瑠璃に少しでも罪悪感や後ろめたさを感じているか?」
「何を言っているんですかご主人様!そんなの友達ならーー」
「ふっ。いいや、全く無いな。むしろ少し楽しんでるぞ。詩的に言うなら『頭は間違うことがあっても、血は間違わない 』と言った所か?私は私のこの血に誓い、恥ずべき事はしていない」
「だろうね。しかし相変わらず面倒な言い回しだな。中島 敦の光と風と夢の一節だったか?つー訳で結衣ちゃん。私や瑠璃だってあいつが苦しそうにしてるなら何とかするさ。でもあいつは今も楽しんでる。なら私がする事もまた変わらない。辛そうな顔で死んでくれと言われるよりは、百倍ましだ。それに、何よりもあいつらしい」
「そんなーーー」
結衣はその澪の言葉を聞き、ハクアの考えが理解できないのか顔を歪めるーーーーしかし、それは当然で何よりも自然な反応だとハクアは思う。
そしてその言葉はアレクトラの感情を逆撫でる物だった。
「貴女はーー貴女はこんな事をしでかしておいて、恥ずべき事はしていないと言うのですか!私は信じていたのにーーお姉さまを返して!!返してよ!!」
「アレクトラかーーーただ利用されるだけの愚物が、この私と対等に言葉を交わすな。それにお前のモチベーションは無駄な物だろう?なあ?」
「な、何を。ハッ!お姉様!目を、目を覚まして下さいお姉様!お姉様はその女に操られているのです!」
澪の言葉に前に進み出た、高貴な印象の女に向いアレクトラは叫ぶ。だがーーー。
「アレクトラ。何を勘違いしているかは知りませんが、私は操られて何ていないわよ?私は私の意思で澪に協力しているの」
「お・・・姉・・・様?」
「まだわからないのね?私は私の意思で行動しているわ。魔族の力は強大、逆らえば領民は苦しむ事になるわ。私はこの地を管理する人間として、そんな事を許す事は出来ないの。だからこそこの計画に自ら乗ったわ。まあ、中には反対する兵士もいたけれど、それは黙らせ今はちゃんと国の為に動いている。貴女こそ何をしているの?国民の為、その他を切り捨てる。それが出来無くて王族を語るのは辞めなさい」
「そんな・・・・・そんな事って・・・」
その言葉にアレクトラは崩れ落ち、うわ言の様に否定の言葉を繰り返す。
「ご主人様。ここは無理矢理にでも撤退するべきでは?」
「それは無理だぜエルフの嬢ちゃん」
「ジャックの言う通りだよアリシア。仮に後ろを無理矢理に突破しても、こっちの被害は洒落になんないレベルになる。そうなればもう建て直し何て出来ないから、それこそ魔族に総崩れにされる」
「でも、ジャックさんやメルさんがいれば何とかならないのハクア?」
「頼られるのは嬉しいのだけど、それも無理ね」
「この二人はこっちの切り札だけど、向こうもこの二人を抑える事が出来る鬼札がある。仮にそれが無くてもこの状況じゃね。運が良くて半壊、悪ければ最初の一撃でほぼ全滅レベルだね。だからこそ、こんな状況を作らない様に動く積りだったんだけどね~」
「確かにな、白亜お前達と私の兵の数はこちらの方が約二倍強、それを覆すには奇襲と陽動を織り混ぜた、ゲリラ戦でこちらの戦力を削りつつ、またその一方でこのーーーギルドの人間や冒険者を取り返す為に、少数精鋭で奪還作戦に出る積りだったんだろ?
まあ、私も予想してたからこそそいつに近付いたが、まさかここまで愚かとは思わなくて、正直、慌ててここまでの包囲を完成させたぞ。普通に焦った。ある程度はちゃんと管理してくれよ。マジで」
「それについてはこっちも被害者だ!」
「だろうな。それで?相談はもういいのか?」
「こっちはね。次はそっちの話を聞きたいな。在るんだろう?この状況で私に傾く出目がーーー」
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