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ゴブリンから頑張る神の箱庭~最弱からの成り上がり~

リーズン

何かスゲー胸が痛いんですけど!!

翌日私は予定通りカーラの屋敷へと赴き商談をしていた。


 カーラ曰く、私が教えた和紙は好評らしく。既にサンプルを渡す事で幾つかの取引先が出来ているらしい。


 それと同時に和紙の改良も進んでいる。具体的には不純物をより効率的に取る方法の確立、素材を変えての製品作成、更に工程に魔法を加える事で効率化を図ろうとしているとカーラが話していた。


 こんな事を同時にやろうとしていると聞くと本当に利権売るだけにして良かったと思う。そうじゃなきゃ私、端金で美味しい所だけ取られてたよね?でも、まあ・・・あれだよね?早すぎね?和紙の作り方教えたのってついこの間だよね!?あれから数日で、わら半紙レベルに成りつつ在るんですけど!!?異世界の技術修得速度がパないっす!!しかもヘルさん曰く、魔法の技術を戦闘行かないのや魔道具作り、研究以外に使うのは珍しい事なのだそうだ。


「どうかしたの?」


「いや、何でも」


「そう?それで貴女からも話があるって聞いたのだけど?」


「うん。紙も製造ラインが出来上がってきたから今度は活版印刷に取り掛かって貰おうかと思って」


「活版印刷?」


 そう!紙が出来上がれば次は活版印刷でしょ!


 活版印刷とは、活版(活字を組み合わせて作った版)で印刷する物の事で。その印刷物。鉛版・線画凸版・樹脂版などの様々な種類の物の印刷も含めて言う物だ。


 確か一番中国かなんかで出来たものが江戸時代に日本に来て広まった印刷技術何だよね。


「大体は分かったけど、実際見ないと想像しづらいわね」


「だろうね。だからまた試供品。簡単に土魔法で作った物だよ」


 私はそう言いながら土魔法で作ったこの世界の文字の判子の様な物を複数取り出した。


「これは?印?」


「そう。これを組み換えて使う事で同じ物を判子の様に簡単に複製できるんだよ」


「これは・・・凄いわね」「流石ご主人様です」


 そう言ってカーラとアリシアが私の作った判子を見ながら私の事を褒めちぎって来る。


 うん。その・・・あれだよね?すんません!そんな手放しで誉めないで!!それ昔の人が考えた物だから!!凄いの私じゃありません!!だから誉めないで!!滅多に感じない罪悪感が~!!何かスゲー胸が痛いんですけど!!


 そんな誉め殺しに会い悶える私を尻目にカーラは何かを考え始める。


「確かに、これは便利だし凄い発明だわ。喩え貴女のアイディアでは無くてもね」


 あぁ、そう言えばカーラには私達の事を一通り教えて有るんだよね。だって、このレベルの商人と仲好くするなら腹わって話さないとね?直ぐに食い散らかされるよ!


「貴女は私にこれをどう売り付けるの?」


「前回と同じだよ。勿論取り分含めてね」


「はぁ、私としても有り難いけど・・・・もっと取っても良いのよ?」


「要らない。とは言わないけど取り合えず今はカーラに恩を売っておくよ」


「ふ~ん。普通に後が怖いわね」


「まあまあ」


「良いわ。それじゃあ、これも急いでラインを整えるわ。それとこれの前金は貴女に頼まれていた物で良いかしら?」


「在ったの!?」


「ええ。しかも、なかなか出回らないレア物がね。期待して良いわよ」


「何処に在ったの?」


「たまたま今度開催されるオークションに出るらしいわ。安心しなさい。カラバス・マーンの名に懸けてちゃんと競り落とすわ。ここで貴女の信頼を落とすなんて事、商人としても人間としても出来ないもの」


「うん。よろしく」


「開催は明日の夜だから三、四日で用意出きるわ」


「そっか、よろしくカーラ」


「ええ。任せなさい」


 そして、私達は細かい打合せを終えカーラ邸を出た後、約束の合流場所のギルドに向かった。



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