誰が会話するだけでSAN値を減らす某邪神群的な生物だと！？

「と、言うわけでアリスベルを運営する十商の一人。カラバス・マーンとか言うのと話をする事になったよ」


「「どう言う訳！」」


　いやだな説明ちゃんとしたじゃない。


　私が昨日あれだけ丁寧に話をしたと言うのにエレオノとコロはこんな事を言う。


　全く、人の話しはちゃんと聞かないと！


「えっ？何でそんな憮然とした感じ？！」


「まさかハクア、昨日ので説明したつもりかな？」


「したよね？」


　コロの問い掛けに答え、私はアリシア達に振り返ると顔を逸らされた。


　何故に！？


「ハクアの説明って確か・・・「昨日昼飯食べてたら爺さんに話し掛けられて今日も世間話する事になった」とかって奴？」


「何だ、ちゃんと出来てるじゃん」


「「何処が！！」」


　あれ？おかしい、まさか私が間違っているとでも？


「その説明じゃ何もわからないと思いますよご主人様」


「ええ～」


「むしろ何でそれで伝わると思えたの？！」


　おかしい、何故だ？地球では伝わったのに。


「まあ良いや。とりあえず用意しといて」


「納得いかない」


「エレオノ、諦めが肝心ですよ」


「うんうん。ハーちゃんの言葉を理解するにはSAN値無くならないと無理ですよ」


　誰が会話するだけでSAN値を減らす某邪神群的な生物だと！？


「私はその域には行けない。と、言うか行きたくない！」


　何だろうかこの失礼な会話？しかも全員頷いてるし。


「と、言うか瑠璃何時の間に来たの？」


「はっ！そう言えば」


　凄く自然に会話に食い込んで来たな。まあ、私からしたら何時も通りだけど。


「今日はお仕事お休みの日なのです」


「引き継ぎは？」


「お休みの日は仕事したら駄目なんだって」


「そうなの？」


「当たり前じゃ無いのかな？」


　何て素晴らしい精神！見習え日本のブラック共が！


『シルフィン：何に対して噛み付いているんですか？』


　いや、まあいろいろ？


「そう言えばハーちゃんって、前に自宅で出来るアルバイトで滅茶苦茶なノルマを・・」


「瑠璃？その話し続けるなら思いきり胸揉みし抱くよ？」


「ごめんなさい」


　私の本気度が伝わったのか、瑠璃がらしくない早さで胸を押さえ後退りながら謝って来る。


　全く、人のトラウマを弄るとかいかんよね！


『シルフィン：現在進行形でトラウマ量産させてる側が何を言ってるんですか？』


　はっはっはっ！記憶にございません！


『シルフィン：政治家か！』


「それでハーちゃん私も付いて行っても良いですか？」


　何故にこの子は素で上目使いをしながら聞いてくるのだろう？


「良いよ」


　いきなり人を呼びつける様な奴に遠慮は要らん。


　そんな訳で私達は何時ものメンバーに結衣ちゃん、瑠璃を加えた大所帯で押し掛ける事にした。


　勿論、嫌がらせとかでは無いよ？本当だよ？


　デミグスとか言う爺さんが予定通り昼ぐらいに来て、連れていくメンバーの多さに若干顔が引き吊っていたのは気のせいだろう。


　しかし、迎えに来たのが本物の馬を使った馬車でこの人数で中に入った為、何かもういろいろ柔らかくて御馳走様でした！本当にありがとう！


　と、私はそんな苦しくも至福の時を過ごしながらマーン邸へと向かうのだった。